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ぼかん

スマートフォンの充電用ケーブルが壊れたというのか、スマートフォンに装着しても充電できなくなってしまった。充電できなくなった充電用ケーブルは算数を応用するなら、充電用ケーブル-充電=用ケーブル。この場合の「用」は「充電」ありきの言葉であり、「充電」が消えてしまった今、なんの「用」もなさないから、実質「ケーブル」でしかないのであるが、「ケーブル」だからといって石清水八幡宮の境内に連れていってくれるわけでもなければ、クレーンやウインチとして代用できるわけでもない。すなわち、こいつは「ケーブル」とは名ばかりの用なしになってしまったわけだ。つまり、「充電用ケーブル」から「充電用」を引いたら「ケーブル」ではなく「0」になってしまうのである。
ダイソーにいけば、オフィシャルではないが、充電可能なケーブルが売っていると聞き、行ってみたのだが、タイプCとかタイプAとかライトニングとか、いろんな種類があり、頭が痛くなる。確かにスマートフォンの充電の差込口にはいろんな形状があり、似ているのに差せないことがこれまでに何度かあった。私のスマートフォンに合うのがタイプCか、タイプAか、ライトニングか、わからないが、いずれかであるには違いないらしい。おそらくちゃんと調べればわかることなのであるが、ネットで検索してみたものの、いまいちどれがどれで、私のこれがどれなのかがいまいちわからない。
こういう場合、もう少し粘って正解を導きだすほどの辛抱強さが私にはない。ダイソーに売ってあるケーブルは200円程度なので、まあ、間違っていても大した傷にはならないという思いもあった。貧乏人のくせにそういうところにアバウトなのだ。いや、むしろ、であるからこそ貧乏人なのだろう。
3分の1の確率なら、適当に選んでも3割強の確率で当たるわけなんだから、今私はそれなりにじっくり吟味している故、吟味した分、5割近い確率で当たるはずである。という理屈でもって、色がかわいいという理由でピンク色のケーブルを買って帰ったのだが、私のスマートフォンの差込口には刺さらなかった。ああ、そうなんだ。私はこれまでの人生、ことごとく2分の1を外してきたのを忘れていた。時限爆弾の赤と青、どっちにするか、くらいの緊迫感で選ぶべきだった。まあ、それでもどうせ外しただろうけど。ぼかん。

#日記 #コラム #エッセイ
#スマートフォン #充電用ケーブル
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