海外経験・英語環境しんどかったランキング
一口に「海外経験」といっても、旅行、留学、駐在、現地採用など、色々な形態がありますよね。
僕も、これまで様々な立場で「海外」に住み、働いてきました。そこで今日は、これまでの海外長期滞在の経験を、英語環境の難易度でランキングにしてみました。
※各段階で自分の英語のレベルは違いましたが、ここでは純粋に求められる英語力だけを評価しています。いまの自分がその環境に入ったと仮定して、どれが一番しんどいか、という視点です。
先に結論から
「てっとり早く教えて!」という方のために、答えを貼っておきます。先ほどTwitterでつぶやいたものです。
第5位 語学留学&ホームステイ@NY
語学学校とホームステイを別々に考えてもいいのですが、僕が両方を同時に経験したので、まとめてしまいます。
何と言っても語学学校は、海外の入門編ですね。他の生徒も非ネイティブですし、普通はだいたい同じようなレベルの人たちでクラス分けしてくれます。
そして、英語学習という共通の目的を持っているので、話題が作りやすい。ランキング上位にも関係してきますが、この「共通の話題があるか」というのは、英語環境(というより、あらゆる異文化環境)の難易度を決める上でクリティカルな要素です。
語学学校の難点は、日本人同士、あるいは英語が得意でない外国人と、つるんでしまいがちなことです。僕も仲良くなった日本人グループで、小旅行とかしてました。これはこれで楽しいのですが、英語力の向上という観点ではお勧めできません。
ホームステイは受け入れ先にもよりますが、ホストファミリーという名が示すように、向こうがホスト、こちらがゲストです。なので、基本的には先方が気をつかって話題を振ってくれますし、慣れたホストであれば英語のレベルも合わせてくれます。
僕の場合は、ホストファミリーが若い独身男性で(ファミリーじゃないし)、完全に放置プレイ。会話が少なすぎて不満でしたが、いずれにしても、ホームステイも英語面では入門編だと言えます(それでも当時の英語力では四苦八苦でした)。
第4位 日系企業の駐在員@ロンドン
駐在の場合、実際にいく国や、赴任先の環境にかなり左右されます。
企業によっては日本人が100人以上いて、ほとんど英語を使わずに仕事ができたりするようです。逆に、買収先や事業投資先のひとり駐在などは、難易度が跳ね上がるでしょう。
僕の場合は、任地はイギリスのロンドン、職場環境は日本人25人・ローカル500人ぐらい、経営層はイギリス人、システム・インフラは全て現地仕様、というものでした。
別途記事にしたいと思いますが、イギリスは英語的には相当しんどいです。加えて、職場も上記のとおり結構アウェイでした。それでも、周りに日本人がいて、日中は本社とのやり取りが多い(必要以上に多い)ので、使用言語という意味では半分以上が日本語でした。
最もしんどいのが、パブでの飲み。特に、酒に酔ったイギリス人たちの輪の中に入ると、完全に置いていかれます。ここだけ切り取れば難易度はトップクラスですが、駐在生活全体という意味で4位としました。
第3位 米系企業の現地採用@シンガポール
前職です。アメリカ系損保のアジア・パシフィック法人の、日本ビジネスの責任者でした。ただ、責任者といっても新規ポジションだったので、ひとり日本人として、戦略立案から担当業務までやっていました。
環境としては、80名のオフィスに日本人ひとり、上司はオーストラリア人、同僚は、シンガポール人 70%、オーストラリア人 10%、イギリス人 5%、中国(香港)人 5%、マレーシア人 5%、その他 5%。社内の資料、メール、会話は100%英語、お客さんとは主に日本語だけど同僚が入った場合のやり取りは英語、という感じでした。
シンガポールは英語が公用語ですが、英語の厳しさでいうと、米・英などに比べて一段レベルが下がります。現地の人たちも、英語を第一言語としてネイティブ同然にあやつる層と、中国語やマレー語に次ぐ第二言語として話す層が混ざっていました。
とはいえ、彼らは幼いころから英語にがっつり触れてきているので、酒が入った英米人のハイスピード英語にも、難なくついていきます。
アメリカ企業ということもあって、他国出身の同僚もみんなレベルが高かったです。英語力では80人中で僕が間違いなく最下位。日系企業では英語を武器にしてブイブイ言わせてましたが、一気に底辺に転落しました(逆に、日本語が話せて、日本の商慣習に強いことが価値を生みます)。
同じく現地採用でも、日系企業勤務だと上の駐在員のケースと難易度は変わらないはずです。僕の場合は、米国企業、英語が公用語の国、日本人ひとり、という要素が重なったので、かなりハードモードでした。
あと、北欧の人たち、特に若者は、非常にきれいな英語を話します。自国の経済がそこまで大きくないので、グローバルな働き方、生き方を否応なく身に着けているのでしょう。
一方で同じヨーロッパでも、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアなどは自国の経済がそれなりに大きく、あとは恐らく母国語へのプライドが高いために、英語を話さない人がけっこう多いです。
この、非英語圏で英語が通じる度合いについては、有名じゃないレストランに英語メニューがあるか、でおおよそ測ることができます。
第2位 フィンランド企業@東京
現職です。フィンランド発の宇宙スタートアップのひとり日本人で、普段は東京でフルリモート勤務し、たまにフィンランド出張して数週間滞在、という働き方です。
いまの会社は従業員は約300人ですが、40ヵ国以上から社員が集まっていて非常にグローバルです。上司はアメリカ人で、接点の多いメンバーの出身国は、フィンランド、アメリカ、イギリス、オランダ、ドイツ、ポーランドなど。
社内でのやり取りが100%英語で、お客さんとは日本語・英語が半々ぐらい、という点では第3位の前職と変わりません。ただ、初めての業界のため専門用語がよくわからない、スタートアップなので社内制度が整っていない、フルリモートでzoom会議がほとんど、という条件が重なって結構しんどいです。
加えて、僕のチームはアメリカ人が多く、彼らの機関銃のようなトークについていけないことが多々あります。フィンランドに出張した際に皆でキャンプに行きましたが、酔った米人たちのジョークに僕だけ置いてけぼり。同僚のヨーロッパ人たちは難なく理解しているので、ここでも、僕がダントツ最下位です。
第1位 大学正規留学@アメリカ
堂々のトップは、意外かもしれませんが、アメリカ大学留学です。語学留学で日本人とつるんでしまったことを反省して、正規留学のときには、日本人がひとりもいないオハイオ州の私立を選び、新入生用の寮に入りました。
これは、英語力の向上という意味では大正解でしたが、環境としては相当きつかったです。授業についていくだけであれば、上の「非日系企業で日本人ひとり」よりも楽ですが、何といっても他の学生との交流がきついです。
ここで効いてくるのが、上で述べた「共通の話題の有無」。仕事でやり取りする内容の多くは、その業界や会社の共通言語が占めるので、それらを覚えてしまえば意外と何とかなります。
それに対して、留学中の友人とのやり取りというのは、それこそ、ロンドンのパブでの会話が永遠に続くようなものです。しかも、大学生が話す内容なんて、噂話、エンタメ、スポーツ、恋愛(下ネタ)など、ほんとうにくだらないことばかり。1対1ならまだしも、複数人の中に入ると、めまぐるしく移り変わる話題を追いかけるだけで精一杯です。
この点を考えると、MBAやロースクールよりも学部留学、さらに高校・中学での留学の方がきつい気がします。
育ってきたバックグラウンドや文化の影響が入ってくるので、これを "英語環境" と呼ぶべきかは微妙です。それでも、「フォーマルな場よりも、飲み会やパーティーがしんどい」というのは、海外経験豊富な方には共感していただけるのではないでしょうか。
まとめ
というわけで、独断と偏見による "英語環境しんどかったランキング" でした。感想、ご意見、ぜひコメントいただけると嬉しいです。
なんだかんだ言って、英語力は厳しい環境でこそ鍛えられますので、チャンスがあればどんどん挑戦したいですね。
僕も、引き続き楽しみながら頑張ります!
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