失敗しない人生戦略〜苦しかった時の話をしようか〜

こんにちは!「学生が手をつけにくい本を咀嚼し、発信する」をコンセプトに活動している書評する高校生です!

第二弾の今回は、USJをV字回復させた事で有名な敏腕マーケター森岡毅さんの著書『苦しかった時の話をしようか』です。

この本は、元々森岡さんが将来に悩んでいる娘さんに向けて書いていた虎の巻だったそうです。

そのため、この本は“ビジネスの最前線で生きてきた実務家としての森岡さんならではの視点を、子どもの成功を願う父の執念で書き出した”生々しい文章になっています。

残酷な事も幾つか書かれていますが、その事実と向き合って尚、どう生きるのか?を見つめ直す良い機会になります。

それでは、本書の中でグッときたポイントを三つに絞ってご紹介します。

1.就職で失敗しないために

 みなさんはやりたい事がありますか?
こう聞かれてすぐに答えられる人は中々居ないのではないでしょうか?
現代では、こうした自己実現迷子がよく見られます。

では、何故私たちはやりたい事が分からないのでしょうか?
どんな職業選択があるのか知らないからでしょうか?

しかし、森岡さんは沢山の選択肢を知っているかどうかは、悩みの本質では無いといいます。

では、どうすれば見つかるのか。
自分の中にを持つのです。

基準となる軸を持つことで、初めて膨大な職業選択の中から自分のやりたいことを見つける事ができます。

例えば、「地元で安定した生活ができる事」や「車が好きだから自動車業界に行きたい」といったものが軸になります。

また、一つの軸ではなく、複数の軸の組み合わせによって決める場合もあります。
森岡さん自身は、就職活動中にこれらの軸で就職先を決めたそうです。

  • 経営者に必要なスキルが身につくこと

  • 成長のスピードが速いこと

この軸を元に就活した結果、P&Gに就職する事にしたそうです。

本質的に君が悩むべきなのは、具体的な就職先ではない。
君が真っ先に悩んで、そして最後まで集中して考え抜くべきなのは、君のキャリアにとって重視すべき「軸」なのだ。

苦しかった時の話をしようか


2.成功へ導く“宝物”

あなたの持つ宝物とは一体なんでしょうか?
結論から言うと、あなたの強みです。

こう聞くと「私に強みなんてないよ…〇〇さんの方が凄いし…」と謙遜する方もいるかも知れませんが、そうではありません。

何故なら強みとは、他人との比較から生まれるものではないからです。
これまで作り上げてきた自分という存在の中での相対的な特徴が強みになります。

例えば、「人とすぐに仲良くなれる事」や「コツコツと継続する事ができる事」などが特徴として挙げられます。

そして、その特徴が強みか弱みかを決めているのは文脈です。
協調性がない所が弱みの人は、別の文脈になると、しっかりと自己主張ができるという強みに変わるように自分のいる環境や役割などによって、変化します。

ここで、ポイントになる部分が二つあります。

一つ目はあくまで強みは自分の中の相対的な特徴であるということ。
そのため、自分と同じ特徴で自分より凄い人が居たとしても、自分の強みが無くなった訳ではない事を覚えておいてください。

二つ目は強みは磨き続ける必要があるということ。
あくまで強みは自分の中での相対的な特徴であるとは言いつつも、最終的には同じような強みを持つ人と比較される事も忘れてはいけません。
同じような強みを持つ人との比較競争に勝つためには、相対的に秀でている必要があります。

番外編 不正解以外はすべて正解!


 ここまでの内容を聞いて「キャリアは物凄く重要な事で、失敗は許されない」と思った方もいるかも知れません。

安心してください。
そこまで気を張る必要はありません。
何故なら、キャリアの正解はたくさんあるからです。
唯一の不正解を引かない限り、キャリアは成功したと言えます。

では、その不正解とは何か?
それは、自分にとって決定的に向いていない仕事に就いてしまう事です。

自分に決定的に向いていない仕事には、以下の特徴があります。

  • 自分の特徴が裏目に出る仕事

  • 自分にとって情熱がどうしても湧いてこない仕事

そして、この二つの特徴は連鎖して起こります。
失敗が起こる理由の大半は、自己分析不足によるものだと言います。

自分の強みを理解し軸も明確であれば、面接等で自分の向き不向きをしっかりとに伝えることができ、正解に辿り着くことができるのです。

3.人生を成功させるキャリア戦略

キャリア戦略を作る大まかな順序は以下の三つのステップになります。

  1. 人生の目的を決める

  2. 自分の強みを見つける

  3. 職能を見つける

一つ一つ見ていきましょう。

人生の目的を決める。
 「人生の目的を立てろ」と急に言われても中々難しいと思います。
そこで、目的を立てるヒントを二つご紹介します。

一つ目のヒントは「仮説でも良いから立てる」です。
仮説でも良いので、暫定的な目的を立てると良いです。
初めから変更前提で目的を立てることで、目的を立てるハードルが少し下がるのでは無いでしょうか?

また、仮説でも目的を立てるメリットは他にもあります。
それは、暫定的であっても優先順位を見極めて進んだ方が目的に近づくからです。

あまり身構えずに今の自分が思う最高の目的を早めに立てその方向へ歩み出す方が、無目的に生きているより良い事は明白です。

二つ目のヒントは「具体的な”こと“から発想するのではなく、理想の“状態”から発想する」です。

自分がどんな状態になったらハッピーなのかを想像していきます。

この先、〇〇年後にどんな状態になっていたいのか?
その状態になるためには何が必要か?
その状態になるために、今できることは何か?

今できるアクションまで一つ一つ連鎖的に想像し抽出していきます。
そうする事で、「将来はどんな職について、どんなパートナーと過ごして、どんな家庭を築く…」といった具合に具体的に考えるより、ずっと考えやすくなると思います。

本書の方法に加えて、私は紙に書き出す事をオススメします。
自分の頭の中に想像していった内容を紙に書き出すとより頭の中がスッキリし、解像度の高い想像がしやすくなると思います。

これで、目的の準備はできました。

次に自分の強みを見つけます。
 二章でもお伝えしたように人の強みとは、自分の中の相対的な特徴です。
そして、その特徴を活用する文脈によって、強みにも弱みにも変化します。

そんな強みを本書では、好きな事を50〜100個列挙することで見つけていきます。

なぜ、”好きな事“を列挙していくのかと言うと、好きな事は自分の特徴とプラスの文脈が掛け合わさったものだからです。

好きなものの中に、必ず自分の強みとなる特徴と文脈が隠れていることになります。
やってみると、気づきますが中々にハードな道のりになります。

ですが、実際にやってみると、自分の強みを客観的に理解するきっかけになります。

職能を見つける
 ここで言う職能とは、自分の強みが活き、目的を達成できる手段と捉えて下さい。 
自分が見つけた強みと、先ほど考えた目的達成に必要な行動・道すじを掛け合わせて、自分ができる事を考えてみましょう。

例えば、人と喋る事が得意で、人と人を繋げて新しいものを創りたいと感じている人は、人材派遣をやってみるなど、掛け合わせで仕事を想像していきます。

ここでのポイントは、今知っている職業に当てはめる必要がないと言うことです。

数年前までYouTuberという職業がなかった様に、これまでに全くない仕事だったとしても、求められる仕事であれば十分可能性はあります。
自分の頭を柔らかく、想像するとニヤニヤしてしまうような仕事を考えてみましょう。

最後に

 最後に私が伝えたいメッセージは「自分に向き合う」です。
本書を通じて、自分と向き合う必要性を強く感じました。

学生ですと、中々時間を取ることが難しいと思います。
また、受験という大きな壁もあるため、自分自身よりもライバルとの学力の差など外との比較をしてしまいがちです。

しかし、社会に出てからは自分自身の強みをいち早く見つけて、磨いていく事が重要になります。

社会に出るまでの猶予期間でもある学生のうちに自分と向き合い、強みを理解する事は将来大きなアドバンテージになるのでは無いでしょうか?

私自身、まだまだ自分の強みを理解しきれている訳では無いので、引き続き自分と向き合い、自身に対する理解を深めていきます。


本書では、マーケターらしい視点で会社やキャリアを分析していたりと今回紹介しきれなかった内容も沢山あります。

キャリアに関するヒントがたくさん詰まっているので、キャリアで悩んでいる人にオススメです!

(もちろん私のTwitterのDM相談も!)※お気軽にご連絡下さい☺️


「書評する高校生」の第二弾。いかがでしたか?
この活動を通じて、文章力も伸ばせるように精進して参ります。

これからも応援よろしくお願いします。
最後までお付き合い頂きありがとうございました!

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