DailyINPUT|風景資本論
高橋広野です.本日はこちら.
お世話になっている先生の書籍である.
「風景」はある土地の姿である。ただし音風景という言葉があるように、視覚に限らず聴覚、嗅覚、触覚、味覚として土地の成因から人間が受け止める事物を含めて、風景の解釈を拡げる。
子供の頃から日本の風景に違和感があった.宮城県仙台市のはずれ,小さな丘の分譲団地で少年期を過ごした.一見,きれいに整えられた団地は,もとの山の自然風景が残る「理想」の団地だったのかもしれない.
しかし,そこに「風景」はあったのか.子供の頃は,よく団地の公園を抜け出し,まだかろうじて人の手の届いていない山の中で遊ぶことが多かった.
山を禿山にし,人間の都合で人間の都合良いように創られた団地には,見せかけの「風景」しかなかったように思う.
玄関を開けるたびに,向かいの山もまた,日に日に禿山になっていく姿を毎日のように眺めていた.人間都合の「便利さ」と引き換えに,「風景」を失っていく様は,見ていて悲しい.
1.風景という資本
風景への「投資」が,住み続けられる「持続性」を生み出す.
風景に備わるいくつもの意味のなかに人々の地縁が含まれる
2.風景資本の構成
地域ごとに地形、地質、気候が定まり、それらの「環境条件」に合った生物が棲みついて、微生物(Microorganism)から乳類(Mammalia)までを含む生態系(ecosystem)が生じた。
その土地に則した土木・建築,集落・都市の時代から,その土地を無視した均一世界へ.
「地域の色彩は、本来的に土地の鉱物と植物に規定されている。」
( jan-Philippe Lanclos )
3.風景資本の内容確認、管理と充実
ex.飛騨市古川町「朝霧たつ都」
「風景がなぜそうあるのか」
4.実践
経済学者シューマッハーは、人間の経済を自然の物資循環系の中に置く一つの方法として「中間技術( intermediate technology )」を挙げた。
土地の様態、姿である「風景」を指標とした自然と社会の関係の把握.その上での公益性の評価と,長期的な経済をとらえた中間技術の地域的探求を図ることが,持続可能な地域経営につながる.
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