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DailyINPUT|人工知能は人間を超えるか

高橋広野です.本日はこちら.

本書を読むにあたって

「AI(Artificial Intelligence)」:人工知能.この言葉の誕生は,1950年代にまで遡る.「AI」はこれまでに何を変えて,これからは何を変えるのか.

0.広がる人工知能ー人工知能は人類を滅ぼすか

・人工知能の進化
プロ棋士に勝利,クイズ大会の優勝,新レシピの提案,東大合格判定「A判定」,自動運転,小型無人飛行機,高速検索エンジン,広告の最適化,金融における高速トレード,司法のドキュメントレビュー,SF作家化,スマート家電,iPhone の「Siri」…

・シンギュラリティ(技術的特異点)
人工知能が十分に賢くなって,自分自身より賢い人工知能をつくれるようになった瞬間,無限に知能の高い存在が出現するというもの.人工知能が自分より賢い人工知能をつくり始めた瞬間こそ,すべてが変わる「特異点」となる.→人類の終焉を意味するか?

1.人工知能とは何かー専門家と世間の認識のズレ

・人工知能はまだできていないという事実
いま世間で「人工知能」と呼ばれている技術は,人間の知的な活動の一面を真似している技術にほかならない.人間のように考えるコンピュータはまだ実現していない.この「人間のように考える」にあたる自分たちの脳の仕組みが,未だに解明されていないのである.(人間原理)

・人工知能が「できないわけがない」
人間の脳は電気回路と同じである.人間の全ての脳の活動,思考・認識・記憶・感情は,すべてコンピュータで実現できる.

・人工知能とは(専門家として)
「人工的につくられた人間のような知能」であり,「気づくことのできる」コンピュータである.

・人工知能とは(世間として)
ごく単純な制御プログラムとしての「人工知能」,パズルを解く,あるいは診断プログラムのような,答えを提示するものとしての「人工知能」,機械学習を行い自らが学習するものとしての「人工知能」,ディープラーニング「特徴表現学習」を行うものとしての「人工知能」.

・「強いAI」と「弱いAI」
「心を持つ」とする立場の「強いAI」

2.「推論」と「探索」の時代ー第一次AIブーム

・第一次AIブーム:1950年代後半〜1960年代
コンピュータで「推論・探索」をすることで問題を解く研究が盛んに.

・第二次AIブーム:1980年代
コンピュータに「知識」を入れる

・第三次AIブーム:2000年代〜現在
機械学習と特徴表現学習(ディープラーニング)

3.「知識」を入れると賢くなるー第二次AIブーム

・知識をいかに記述するか
オントロジー(存在論)研究(知識の仕様書をいかに設計するか),フレーム問題(あるタスクを実行するのに「関係ある知識だけを取り出してそれを使う」ことの難しさ),シンボルグラウンディング問題(記号をそれが意味するものといかに結び付けられるか)

4.「機械学習」の静かな広がりー第三次AIブーム①

・「学習する」とは「分ける」こと.
「分け方」が重要になる.最近傍法(一番近いデータのカテゴリに当てはめる),ナイーブベイズ法(データの特徴ごとにどのカテゴリに当てはめるのかを足し合わせる),決定木(ある属性がある値に入っているかどうかで線引する),サポートベクターマシン(マージンを最大化するように分ける),ニューラルネットワーク(人間の神経回路をまねる)

・シニファン:概念,意味されるもの
・シニフィエ:名前,意味するもの

5.静寂を破る「ディープラーニング」ー第三次AIブーム②

データをもとに、コンピュータが自ら特徴量をつくり出す。

・「グーグルのネコ認識」:コンピュータが概念(シニファン)をつくる

ディープラーニングの登場は、少なくとも画像や音声という分野において、「データをもとに何を特徴表現すべきか」をコンピュータが自動的に獲得することができるという可能性を示している。

6.人工知能は人間を超えるのかーディープラーニングの先にあるもの

1.画像特徴の抽象化ができる
2.マルチモーダルな抽象化ができる
3.行動と結果の抽象化ができる
4.行動を通じた特徴量を獲得できる
5.言語理解・自動翻訳ができる
6.知識獲得ができる

人工知能は、本能を持たない

・「4」以降の能力を身につけることで,人工知能は創造性をもつ.

・シンギュラリティは本当に起こるのか
人工知能が自分の能力を超える人工知能を自ら生み出せるようになるのか.

・人工知能の生命化
ロボット,ウイルス,人工生命…

7.変わりゆく世界ー産業・社会への影響と戦略

人工知能は人間を超えるのか。答えはイエスだ。「特徴表現学習」により、多くの分野で人間を超えるかもしれない。そうでなくても、限られた範囲では人間を超え、その範囲はますます広がっていくだろう。そして、こを生かすも殺すも、社会全体を構成するわれわれ自信の意思次第だ。

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