DailyINPUT|コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法
高橋広野です.本日はこちら.
建築設計の“前”からデザインしたい.現在所属する建築設計事務所も,建築の“前”からデザインすることを積極的に取り組んでいる.
ひとつは,不動産仲介.もうひとつは,コンサルティング業務である.
最近は建築界隈でも,コンサルに限らず,“ブランディング”などへ手をのばす業態も多いように思う.
“ブランディング”に関する書籍はいくつか学んだが,“コンサル”については,あまり触れたことがなかったので,この機会に触れておきたい.
はじめに
二一世紀のバリューを創っていくのは、問題解決のプロではなく、価値の真善美の「善」に基づき判断できる人だ.
・コンサルタントとは,まずは,「問題解決請負人」と定義できる.これに加え,「機会発見請負人」「機会の最大活用請負人」「成長の請負人」「価値創造の請負人」として姿が,本来あるべき姿だ.
1.コンサルの基本技
「問題解決」は、いわば総合芸術
・クリティカル・シンキングやロジカル・シンキングは頭の使い方のひとつ
あらゆる角度からロジカルに考える。そして、最後は論理を超える。
・「分析力」と「構築力」
丸ごとでは処理できない課題を、どんどん要素分解していくことによって、問題の本質に迫っていく。
・問題解決の基本は,MECEに分ける,ロジックツリーにする,「WHY?」を五回など.
問題の特定はAIにも可能な「自然科学」の世界だが、その先は「心理学」の領域だ。
・マッキンゼーのファクトベース.総合芸術である問題解決がただの分析にとどまりがちになる.
「いま、解こうとしているのは、本当の問題ではないはず」
・ボスコンは,最初から答えを示すのではなく,相手が自分で気づくように上手に導く.(相手を受け入れさせる心理学)
問題解決の流れ
1.問題を定義する
2.問題を構造化する
3.優先度をつける
4.分析方法を設定する
5.分析を実施する
6.発見内容を統合する
7.問題解決法を提言する
・最も重要なのは,1と2.
何が本質的な問題なのかをきっちりと見極める「課題設定」
・チョークポイント:本当の根っこの部分
「イシューからはじめよ」
必ず仮説を持ったうえで、現象を観察する
WHY NOT YET?を追い詰める
1.WHAT?:何が問題なのか?
2.WHY?:なぜ,それが問題なのか?
3.WHY NOT YET?:なぜまだそれができていないのか?
4.HOW?:それができるようになるにはどうすればいい?
重要なのは、問題を成長機会に変えること
・「空,雨,傘」→観察や予想を踏まえて「外に出るなら,傘を持て.」
まず「デイワン(Day1)仮説」を持て
・ズームインとズームアウト,既顧客ではなく、未顧客
「仮説を持つ勇気」と「仮説を壊す勇気」、その二つが仮説思考のポイントである。
・イシューはサブイシューに細分化する
・MECEな切り口に沿って,ロジックツリーを作成する
・思考を止めず,できるだけ多くのロジックパターンを書き出す
・ロジックツリーからの漏れを確認し,重要なものに光を当てる.
・イシューをMECEな軸でサブイシューに分解して,仮説を立てる
・生産現場ではQCD,市場把握として,3Cなどの切り口
・仮説が間違っていれば,「ずらす」
・PEST分析は,マクロ環境を整理するフレームワーク
・SWOT分析は,単なる整理学ではない.「弱み×機会」と「強み×脅威」に注目.
・3C分析は,顧客,競合,自社の三者の重なりと動きが重要.
・5F分析は,あくまで現状の整理.いかに「共創」するか.
・バリューチェーンは,顧客や産業全体の視点から.そのうえで,「足すもの」と「引くもの」,「自らやること」と「他人に任せること」
・アンゾフの成長マトリクスは,市場と商品を二軸にとり,それぞれ既存と新規を二分することで,マトリクスを形成する.(3×3も)
・マトリクスは,構造化の出発点に過ぎない.
「フレーミング」(構造化)は、問題解決の出発点である
構造にしばられず、いかに「ずらす」かが問題解決の主戦場となる
ファクトはありものを使うのではなく、新しくつくる。
シンプルに削ぎ落とすことで、本質が見えてくる
2.超一流コンサルのスゴ技
・左脳(ロジカル)と右脳(クリエイティブ)の連結,森羅万象の連想力,究極からの逆算力→全て「ずらし」の力
・何が善かを見極める力こそが,人間がAIに勝ちうる
・これからの先の見えない非線形の時代では,つねに新しい価値や意味を再構築し続ける.
・脱構築には,深化,伸化,進化の三つの方向性がある.
3.コンサルを目指す コンサルを超える
・コンサルになるためには,「左脳(ロジカルシンキング」「右脳(パターン認識)」「原体験(知的好奇心)」の3つが必要.
・るつぼ体験に代表される「原体験」が重要
・コンサルを超えるためには,洞察力・共感力・人間力を磨く.
・セレンディピティ(予期せぬ出会いや偶然性)が必要.
・「インプット時間の規定」「インプットタスクの絞り込み」「プロダクティビティの向上」により,個人の成長限界を突破する.
・ゼロベースから新しいことにチャレンジする.
・社会課題との対峙がこれからのフィールド.
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