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地域交通の復興を願って~のんびり北海道旅 JR 札沼線(学園都市線)ロイズタウン駅~

0.はじめに


私の地元は北海道なのですが、北海道では近年、モータリゼーションの影響や人口減により公共交通機関の利用者が減少しています。その結果、鉄道やバスが廃止・縮小されてきています。モータリゼーション自体は日本全国で発生している現象ですが、面積が広く、新幹線などの高速移動手段が本州ほど発達していない北海道はかなりの車社会になっています。
これらの事情から、現在北海道では駅前商店街の衰退、買い物難民の増加、地域外への地元資金流出などが発生しています。

もともと趣味で旅行していた私ですが、様々な地域を見ているうちにこうした社会問題についても考えざるを得なくなりました。あくまで北海道の事例ですが、他地域においても参考になるかと思い、当記事を執筆いたしました。今回は北海道札幌市の近郊区間に位置するJR札沼線(学園都市線)のロイズタウン駅を紹介します。その前段階として、先述した社会問題の所在についてまず説明しようと思います。長いですが、この問題を認識しないと公共交通の未来が危ういので、少々お付き合いください。

1.「自分は車を運転できるから関係ない」という誤解


さて、公共交通廃止・縮小の際、しばしば聞かれる言説として、「自分は車を使うから関係ない」とか「誰も乗らない鉄道を廃止しても悲しむのは鉄道ファンくらいで、一般の人には関係ない」というものがあります。廃止・縮小の理由として最も挙げられるのは「採算が取れない(赤字)」というものでしょう。
結論から言えば、これらの考えは非常に近視眼的で、将来を見据えていないものだと言えます。

まず「車があるから関係ない」という意見ですが、昨今の高齢ドライバーによる事故が問題化したことでもわかるように、車は生きている間ずっと運転できる性質の乗り物ではありません。高齢による判断力低下だけでなく、怪我や病気、車両故障などにより、若い人でも車が使えなくなることは決して珍しいことではないのです。そして、今まで車があることを前提にした生活をしていた状態で車が使えなくなれば、当然それを補うのは公共交通機関です。しかし、それが廃止・縮小されていて思うように使えなければ、大いなる不便を被ることになります。これだけでも、公共交通の問題は全市民共通の問題と言えるのではないでしょうか。

2.不便な交通機関はますます利用者が減る


次に「鉄道廃止は一部マニアが悲しむだけ」説への反論を試みましょう。
たしかに、鉄道敷設初期と違い、現在では市街地が拡大され、郊外化が進みました。そのため、旧来の鉄道路線ですべての輸送を賄うことはできません(バスなど他の交通機関との組み合わせが必須)。
また、利用客減に伴い、収益が落ちているのも事実です。
しかし、いかに利用客が減ったとはいえ、通勤・通学・通院などで利用する地元住民はいるのです。鉄道がなくなれば、そういった人たちの福祉が十分保障されなくなる恐れがあります。
「バスで代替すればよい」との声もありますが、鉄道と比べて運賃が割高になったり、JR線との接続が悪くなるなど懸念事項はあり、慎重な検討が求められます。鉄道マニアが悲しむのはもちろんですが、それ以上に地域住民が困る可能性があるのです。

鉄道の場合、廃止された路線は第3セクターに移譲又はバス転換されるケースが多いですが、どちらの場合でも運賃の値上げや接続の悪化など利用者にとってはマイナスに働くことが多いです。これは鉄道旅行の魅力がなくなる大きな原因となるでしょう。
たとえば、この度の北海道新幹線開業に伴い、函館本線の小樽-長万部間が廃止、バス転換されることが決定しました。この区間は土日祝限定で利用可能な一日散歩きっぷのエリア内でしたが、今回の廃線でエリア外となることが予想されます。そうなればこの区間は別料金となってしまい、利用者にとっては運賃が高くなり、負担増となります。そうなれば「じゃあいいや」と敬遠されることにも繋がりかねません。これでは利用客が減る一方でしょう。

3.赤字=廃止は本当に妥当か?


また、赤字だから廃止という言葉もよく聞きますが、赤字=廃止なら道路も学校もすべて廃止になってしまいます。交通ネットワークは経済や文化、福祉を支えるインフラであり、採算性だけで判断すべきものではないと考えます。交通会社や住民が知恵を絞って維持すべきものだと思います。
駅前商店街などは単なる商店の集合体ではなく、地域行事や防災などコミュニティの場としても捉えることができます。公共交通の廃止はこれらコミュニティを縮小・解散させてしまう恐れもあるのです。

4.私たちができること~乗り支える~


とはいえ。
このように問題提起したところで、「自分には何もできない」と思う方が大半だと思います。私もそうでしたし、今でもそう思うこともあります。しかし、昨今の北海道の交通機関廃止には危機感を覚えるレベルで、何もせず黙っているわけにはいかない、と思うようになりました。そこで何ができるか考えたとき、一番手っ取り早いのがこうしてネットで情報を発信し、興味のある方に乗ってもらうことだと理解しました。
支援の方法はいろいろあります。クラウドファンディングなどもその一例ですが、個人で行うのは少し煩わしい面もありました。また、支援金が集まっても一過性のものであれば焼け石に水です。
持続可能な交通体系を構築するためには、公共交通に興味を持つ人を増やすこと、及び実際に乗って交通を支えてくれる人を増やすことだと思います。

現在ではウィルスの影響もあり、旅がためらわれる時勢でもありますが、公共交通の未来を支えたいと思う方はぜひ利用していただきたいというところです。今回紹介するのは北海道の駅ですが、北海道でなくても構いません。みなさんの地元の鉄道やバスでも、もし今まであまり使ったことのない公共交通があるなら、ぜひそれを利用してみてほしい、と思います。
もちろん、北海道に来て今から紹介する路線に乗っていただくことができれば、私としてはこれ以上ない喜びであることは間違いありませんが…。

5.周辺には大きな工場と一面の銀世界


さて、それではようやく駅紹介に移ります。
今回紹介するのはJR北海道 札沼線(学園都市線)のロイズタウン駅です。
道外の方向けにアクセスルートも説明しておきます。
新千歳空港から快速エアポートやバスで札幌駅に向かい、学園都市線という路線に乗車します。当別行、北海道医療大学行などと表示されていると思います。その列車に乗ってください。小樽や函館から来た方も札幌駅を目指せば大丈夫です。
それでは駅を見てみましょう。


ロイズのロゴが入ったおしゃれな駅舎



駅名標


発車時刻表。本数はそこそこ


駅周辺マップ。ロイズ工場までは徒歩5分程度で、無料シャトルバスも運行中。


駅前通り


最寄りの国道337号(小樽市~千歳市を結ぶ)

肝心のロイズふとみ工場の撮影を忘れてしまい、申し訳ありません…。
中ではロイズのチョコはもちろん、パンなども買えます。工場見学も行っているようです。ロイズの工場は日本全国にあると思いますが、一面の銀世界を歩きながら、チョコを探す旅に出てみてはいかがでしょうか。国道から近いので車でも行けますが、ぜひ鉄道でお越しいただけると幸いです。

6.おわりに

というわけで今回の記事は以上です。
最近は書きたいことを書いているブログになってしまっていますが、
今後はこうした「北海道旅行」、最近書いた「サブカル・ゲーム関係」、当初予定していた「本の要約・解説・紹介」あたりの3本を主軸としながら記事を書いていこうと思います。
皆様におかれましては、興味のある記事を読んでいただけると私としても嬉しいです。
今回もご精読ありがとうございました!

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