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【まとめ】「令和の日本型学校教育」を担う先生の資質・能力に関する議論終了〜免許更新制度の議論などいろいろありました〜

2021(令和3)年12月10日に第129回中央教育審議会が開催されました。
ここでは、「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について議論した結果がまとめられています。
特別部会の名前が長いのでわかりづらいのですが「教員免許更新制度が廃止になる」と話題となった議論結果がまとまっています。(「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会)

筆者も何度も取り上げた話題となりますが、記事としてバラバラでしたし、議論がひと段落したので、一度まとめたものを作成しておきたいと思います。

1.議論開始から議論終了までの流れ

■令和3年1月26日
・中央教育審議会が答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」を公表する。
・社会の在り方が劇的に変わる「予測困難な時代」が到来する中で、2020 年代を通じて実現を目指す「令和の日本型学校教育」の在り方を「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」と定義した。
・「令和の日本型学校教育」を実現できるかどうかは、時代の変化に応じた高い資質能力を身に付けた教師を確保し、教師が生き生きと活躍できる環境を整備することができるかどうかにかかっているとされた。

■令和3年3月12日
・文部科学大臣が、「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」と題する諮問を中央教育審議会に行った。
・「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会が発足。
・特別部会の中に「教員免許更新制小委員会」を発足(令和3年4月27日)。

■令和3年12月10日
・「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて 審議まとめを中央教育審議会に提出

文部科学省HPより筆者が作成

2.「審議まとめ」の概要

特別部会では、以下の内容について議論することが求められました。

①教師に求められる資質能力の再定義 
②多様な専門性を有する質の高い教職員集団の在り方
③教員免許の在り方・教員免許更新制の抜本的な見直し 
④教員養成大学・学部,教職大学院の機能強化・高度化
⑤教師を支える環境整備

上記5つの議論結果をまとめた結果、以下のような審議まとめになりました。

「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて 審議まとめ 概要より

特別部会で議論されていた内容詳細は、以前筆者が投稿した記事に掲載していますので記事をまとめておきたいと思います。
タイトルに「教員免許更新制度」というものが多いですが、免許更新制度のあり方を議論しながらも「令和の日本型学校教育」を担う先生方に必要な資質・能力について議論されていましたので、今回の「審議まとめ」についての内容についても多く触れています。

どうなる?教員免許更新制度! 〜検討委員会発足〜(2021年5月2日投稿)

教員免許更新制度の「発展的な解消」について報道に振り回されないように自分で読んでみた。(2021年8月29日投稿)

教員免許更新制の情報がわかりやすく整理された〜「廃止?」「有効期限は?」〜(2021年11月21日投稿)

筆者関連記事より

3.今後は、より具体的な内容に踏み込んだ検討が行われる

実は、よく読んでいくと今回の特別部会で議論されていたのは、「令和の日本型学校教育」を実現するにあたっての教員の資質・能力の定義づけや、制度の問題点の洗い出し、今後の大まかな方向づけをおこなっただけにとどまっています。議論の粒度としては、まだまだ粗いといっても良いでしょう。

この粒度を細かくしてより具体的な議論を行う「令和の日本型学校教育」を担う 教師の在り方特別部会 基本問題小委員会が令和3年11月17日に発足しました。
例えば、新たな教職課程の「目標・科目・内容」など、先生の養成・採用・研修等に関する具体的方策を議論していくようです。
令和4年夏頃にはその方向性が示される予定とのことでした。
「審議まとめ」でひと段落した議論ですが、まだまだ目が話せなそうです。

中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会 検討の方向性【概要】より


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