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クライマックス

いよいよ明日から選手権が始まる。
高校サッカーに没頭するサッカー小僧なら誰もが憧れを抱き、夢見る舞台。


この25人で全国の舞台へ行きたい。
その思いだけはずっと変わらない。


ところで、今、俺は何をしているのかいうと、まだ足首の怪我から復帰できていない。
もどかしいという言葉で表せないくらいにもどかしい。
そして、何よりも悔しい。
試合に絡んでいる人は、沢山のエールを受け、決戦の時を今か今かと待ち侘びている。
怪我に関しては誰の責任でもなく、間違いなく自分の責任である。
でも、だからこそ、そういう境遇にあるみんなのことを羨んでいる自分がいる。


なんの根拠もなく「選手権の主役は俺」と思っていたはずの選手権で、自分では無い、これまで苦楽を共にしてきた仲間が主役になろうとしている。
そして、プレーすらできずにくすぶっている自分がいる。
その現実を眼前にすると、悔しさしかこみ上げてこない。
自分をサポートしてくれている人を思い浮べると尚更だ。


正直なことを言うと、選手権の舞台でハツラツとプレーをし、点を取り、喜びあっている、そんな仲間を見て100%同じ気持ちで喜べるかどうか不安ではある。
悔しさが邪魔をしてしまうかもしれない。


しかし、そんなことで下を向いている暇はない。
何を思い、何を考えようと明日には選手権が始まる。
チームのために、俺にしかできないことがあるはず。
今はそこに200%尽力するしかない。
それができなければ、今まで積み重ねてきたものも意味を成さない。


夏に比べれば、チームメイトに対する信頼も厚くなった。
「こいつなら、こいつらならやってくれるだろう」
そう思える仲間が増えた。
その仲間に全てを託す。


人生はそう上手くはいかない。
思っている通りに進む人の方が稀である。


壁というのは、できる人にしかやってこない。

超えられる可能性がある人にしかやってこない。

イチロー

そう。この壁を乗り越えられないはずがない。
乗り越えてやる。


まずは、大阪予選の一戦一戦を大事に戦い抜き、全国への切符を手に入れる。


そして、復帰したその先に絶対明るい未来が待ってると信じる。


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