勉強中の音楽は脳の働きを鈍らせる!
今回の記事を見てほしい人
・音楽を聴きながら勉強している人
・勉強中に音楽は聴いていいのかと疑問に思っている人
皆さんは勉強中に音楽は聴きますか?また聞いていたら、どんなジャンルの音楽を聴きますか?
この記事を読めば、皆さんの勉強がよりはかどったり、音楽と勉強の関係性についても学ぶことができます。
勉強中に音楽を聴くのは一般的に行われる行為だと思います。好きな音楽を聴いていると勉強がはかどった気分になることもあるでしょう。
しかし、残念ながら、これは科学的観点から見ると間違った勉強方法なのです。
勉強中のBGMは効率を上げるどころか、勉強の邪魔にしかならないのです。
グレスゴー・カレドニアン大学の実験では、被験者を4種類の部屋に入るように言いました。
1 テンポの速いBGMが流れている部屋
2 ゆったりしたBGMが流れている部屋
3 環境音(話し声や周囲の音)が流れている部屋
4 完全な無音の部屋
その状態で全員にテストを行ったところ、BGMを聞き流しながら回答した被験者は成績が大きくダウンしました。
テンポの速い曲ほど頭の働きがにぶったのです。
能力の低下がみられなかったのは、完全に無音の状態で問題に取り組んだグループだけでした。
このBGMで脳の働きが下がってしまう研究はほかにもあり、どのような曲でも学習には悪影響が出てしまうという結果になりました。
結論、どんなに好きな曲を聴いても、テストの成績が下がるため、結局は無音状態がベストなのです。
この現象を専門的には、「無関連音効果」と呼ばれているのです。
目の前の作業とは関連がない音が耳に入ると、あなたの脳はそちらのほうへつい引き寄せられ、メロディやリズムのパターンを理解しようと頑張り始めてしまうのです。
この時の脳は二つの情報を同時に処理しようとしてしまい、負担が増えすぎて学習の能力が下がってしまうわけなのです。
これは、読書の時も同じで、読書と音楽は相性が悪いのです。
歌詞がある曲が特に影響力が強く、メロディ、歌詞、本の内容という3つの要素を同時に処理できず、作業効率が下がってしまうのです。
このようなことから、読書中のBGMもやめたほうがいいでしょう。
このような結果を得ても、すんなりと納得できない人が多いかもしれません。実際、実体験で、「音楽を聴きながら勉強をしたら、はかどります!」と思っている方は少なくないと思います。私自身もそうでした。
なぜ、このように音楽を聴きながら勉強をするのでしょうか?
答えは単純で、音楽はあなたの気分を改善するからです。
好きな曲を聴くと、ヒトの脳内にはドーパミンやアドレナリンといった物質が増加します。どちらも、人間のモチベーションや活力に関わる脳内ホルモンで、私たちのテンションを一気にポジティブな気分に変えてくれるのです。
しかし、この段階では、ただ単に気分が良くなっただけなのです。
脳の働きまで向上したわけではなく、前向きな感情になっただけで、まるで作業効率まで上がったように勘違いしてしまったのです。
ここまでは勉強と音楽の関係性は悪いいっぽうですが、一つだけ解決する方法があります。
イギリスのウェールズ大学が編み出した、「ミュージック・ウォームアップテクニック」というものがあります。
1 勉強の10分前までに好きな曲を聴く
↓
2 音楽をやめて勉強を始める
↓
3 勉強の休憩中にまた好きな曲を聴く
この繰り返しで勉強を行えば、音楽のメリット最大限に生かすことができます。勉強の直前まで好きな曲を聞いたせいで気分がポジティブになり、その勢いを保ったまま作業に取り組むことができるのです。
また、周囲の音が邪魔と感じて、勉強に集中できないのであれば、ノイズキャンセリングイヤホンをつけて、環境音も完全にカットしながら、作業をしてみてもいいでしょう。
私もノイズキャンセリングのイヤホンを使ったことがありますが、本当に何も聞こえないのです。目の前の人が話している言葉すらも聞こえません。その時は感動しましたね。
最初は音楽がなくて、物足りなくなってしまうかもしれませんが、慣れればあなたの集中力は確実にアップして、吸収率も上がるでしょう。
どうしても、音楽を聴きながら勉強をしたい人は「自然音」を聞いてください。
じつは、「自然音」だけは例外なのです。
自然音を聞いた被験者にはすぐにリラクゼーション反応が起きて、集中力のテストの成績も上がったという研究もあります。
勉強前にイライラしたときや、ストレスを感じている人には自然音を流したほうが集中力が上がるので、お勧めします。
自然音を聞けるアプリや、動画、などは無料であるので、ダウンロードして使ってみてもいいでしょう。
まとめですが、音楽を聴きながらの勉強は学習効率を下げる。無音の状態、または自然音などを聞きながら勉強する環境が大切なのです。
以上のことを踏まえて、普段の勉強や仕事などに生かしてみてください。
最初は難しいかもしれませんが、皆さんの集中力が上がることは間違いありません。一緒に頑張りましょう!
( 引用: 超効率勉強法 メンタリストDaiGO著 )