見出し画像

演技レッスン #4「自己認識」

柴田です。

本日のテーマは「自己認識」です。

俳優は様々な役柄を演じます。その中には「普段の自分」とかけ離れた人物もいることでしょう。

在り来たりで陳腐で捻りのない喩えで心苦しいのですが、

人を殺した経験がない人が殺人鬼を演じます。

もう一度言います。俳優はどのような設定も演じ切らねばならない。

年齢が違っても、性別が違っても、地球外生命体でも、生命体でなくても!!

それはそうとして、です。

正論は置いておいて、です。

俳優は自分をひとつの商品として考えねばなりません。

「客観的に自分がどう見えるのか?」
「どんな役にキャスティングされがちなのか?」

という事を認識しておくことは、自分の商品価値を上げる為に、必要な要素だと考えています。

それを把握した上で、それ以外の幅も広げる事が出来たら、それは俳優としての強みになるのではないでしょうか?

売れている俳優さんや女優さんは、どんな役でも演じ分けますよね?

でも、最初は「ストロングポイント」というか、似たような役で顔を売っていたりするものです。
そこから、新たな一面を見せていく。それが出来る人は残って行き、出来ない人は消えていく。

「石原さとみ」さんは、初期は素朴でドジなヒロイン役が多かったですよね。

「吉高由里子」さんはスクールカースト高めで、きつく見えるけれど何か抱えていて〜みたいな印象。

「綾野剛」さんなんかは、長髪でアーティスティックなヒモ男、DV野郎。

少しズレますけれど、「遠藤憲一」さんはヤクザだったし、「菜々緒」さんはドSですよね。

もちろん、皆さん幅広い役柄を演じる事が出来る素晴らしい俳優さんたちです。

この人たちでもそうだったんです。

入り口を切り開く為には、「それ」を知っている人は強い。

「売れている」と言えない役者さんでも同様です。

バーターとしてキャスティングされるのはどんな役柄か?

オーディションに呼ばれやすいのはどんな役柄か?

自主映画とか小劇場のキャスティングも同じではあるのですが、アマチュア丸出しの団体だとキャスティングもハマらない場合が多いですね。

さて、本題に入ります。

自分を客観視する。

さて、自分の外的要素をを客観視していきましょう。

役作り、CG、衣装、メイクなどで印象を大きく変える事も可能ですが、今回はそれらの要素は抜いて(現在来るであろう現実的なオファーの範囲で)考えていきます。

あくまでも、どう見えるか? です。30歳でも作品によっては高校生のオファーはあります。映像だってヤンキーものとかでリアル15歳はなかなかいませんよね。

「性別」「年齢」「体系」「強そうか?弱そうか?」「顔立ちは整っているか?」「声はどんな印象か?」「どんな役が似合うか?」

どんな役が似合うか?

一緒にレッスンを受けている仲間の何人かと一緒に、これを考えて発表し合ってみてください。自分がプロデューサーだとしたらどんな役でキャスティングしたいか? というイメージで真剣に考え合ってください。

普段の印象そのままの意見もあれば、自分でも気づかないような要素が挙がる場合もあります。

なぜそう思ったのか? 細かく考えて話し合う事は、とても有意義な時間になる事でしょう。

一例として、

僕はいつも「もしも学園ドラマのキャストだったら?」というものをやっていました。

レッスンで受け持ったクラスに、30人ぶんの役の設定を書いた用紙を配って、自分が「演じたい役」と「キャスティングそうな役」を考えるというものです。それと同時に一緒にレッスンを受けている仲間にどんな役を演じて欲しいかを考えて来て、発表して貰うというものです。このようなものです。

自己分析「学園ドラマのキャスティング」

生徒の名前を変えていたり、オリジナルの生徒を追加していますが、伝説の学園ドラマをベースにしています。

実際のドラマにはメインの生徒とそうでない生徒がいて、出番にも大きな違いがあります。

このキャスティングは、その辺は平等だと考えてください。あくまでも役の設定と役者から、合う役を選ぶ。

そしてその理由を説明する。それによって、再確認や新たな気づきに繋がるのです。

この自己認識が出来ると、そこからズラす事も可能になってきます。

判で押したような人物ばかりではつまらないですし、真剣に役と向き合えば、絶対にそうはならないのです。

あなたというフィルターを通すことで、役を立体化させてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?