膝枕外伝 実況!膝枕ダービー5

こちらは、脚本家・今井雅子先生の小説「膝枕」の2次創作です。お馬さん擬人化はアニメ入り(ほんの最近ゲームも始めました)、原作にわかなので間違っている箇所もあるかと思いますが許してください。今回も長いので、『本編』の『本膝場入場』は省略いただいて差し支えありません。何度も言いますが、ハリボテエレジーは出ません

今井先生のエピローグ
それからの膝枕(twitterの画像をご覧ください)

下間都代子さんによる朗読

Noteに投稿されたスピンオフ
下記のマガジンをご覧ください。

Note以外に投稿されたスピンオフ
藤崎まりさん作
(stand.fm)今井雅子作・膝枕 アレンジバージョン

やがら純子さん作
落語台本「膝枕」

下間都代子さん作
ナレーターが見た膝枕〜運ぶ男編〜
(Youtube)大人の朗読リレー「膝枕は重なり合う」(朗読:下間都代子さん、景浦大輔さん)

kana kaede(楓)さん作
「単身赴任夫の膝枕」

賢太郎さん作
「膝枕ップ」

松本ちえさんも「からくり膝枕」をお書きになりました。
(限定公開のようでしたので紹介に留めます)

登場人物

・実況
・解説……大川久次郎ひさじろう(男性) または 細江ヒサ子(女性)
・リポーター……蒼状あおさま美姫みき(女性) または 朝倉あさくら彪太ひょうた(男性)
・場内アナウンス(性別不問)
・インタビュアー(リポーターが兼ねてもよい)
・膝枕関係者……西、膝本、礼須、葉児、岩下、鎌倉(性別不問)

注1 別の名前でもいいですし、複数人での掛け合いの場合は全員本名でもかまいません。
注2 解説・リポーターについては、原稿上の呼びかけは左側の名前で書いていますので、適宜書き換えてください。

アクセントに関する注意
《パチパチデスワ》は頭高。

本編

実況!膝枕ダービー
有膝ありひざ記念、芝2500M〜

オープニング

今年は史上最高の有膝ありひざ記念となった。
8人のGⅠジーワン膝が参戦する。
GⅠタイトルは合わせて13を数える。
どの膝が勝ってもフロックではない。むしろ、ロックだ。
年の瀬の中山、みどりの舞台に役者はそろった。
ひざ、勝負!
第69回有膝ありひざ記念。

パドック

膝高鳴るメンバーがそろいました。第69回有膝ありひざ記念のパドックであります。実況は〇〇〔ご自身のお名前〕、解説はおなじみの大川久次郎さんです。よろしくお願い致します。

解説 よろしくお願いします。

さぁそれでは豪華な14膝を番号順にお伝えして参りたいと思います。

中山第9レース、第69回有膝ありひざ記念(芝、2500メートル)の出走表

1枠1番の《パチパチデスワ》。「僕の話、面白い?」
めくって参りまして、2ふた2ふた番《センリュウポポン》。
どんどん参りましょう。3枠3番は《アイアムヒッザヒザ》です。
そして1年ぶりに帰ってまいりました、3枠4番《トウクダテイオー》。4番人気です。
年の瀬に良い夢を見せてくれるのでしょうか、4枠5番《ヒザハマノユメ》。
4枠6番《マサコヒザザンマイ》、最近はラップにも傾倒中。
5枠7番《ストーンピロー》、アメジストのチャームをつけています。
5枠8番《マチカネダンスワニ》、賞金よりも投げ銭で稼ぐと話題です。
『ヒザパンカップ』の覇者、6枠9番《コレガニーワールド》、2番人気です。
叩かれ2戦目《エルボーニー》は6枠10番、エロボではありません。
そして優駿ゆうしゅん膝、7枠11番《コバノゲートイン》が3番人気。
今日こそはブロンズコレクターの称号を返上したい、7枠12じゅうふた番《スネイチャコラ》。
聴徳きくとく賞』膝8枠13番《ビワカタリベ》が1番人気です。
そして昨年の覇者、8枠14番《ヒザストリー》。今年も大逃げの歴史を作るのでしょうか。
以上が14膝の紹介でありました。さぁそれではGⅠ膝をここで見て行きたいと思いますが、まずは3番《アイアムヒッザヒザ》から行きたいと思います。まず開発者の西にしゆたかさんのインタビューを撮ってありますのでそちらからお聴きください。

インタビュアー 目標にレースの中でする膝っていうのは。

西 いやーもうそういう膝ばかりなんでね。うーん、あんまり、何て言うんですか、割と、本当どんなレースでもできる膝なんで、まぁゲート開いてみて、まあ一番いい走り方をしてほしいですけどね。

大川さん、最近の有膝ありひざ記念ではなかなか御三家はね、勝てないんですけれども、どうでしょうか。

解説 そうですね。あの〜この14膝の中に入りまして全体見渡しますとですね、あの体がやはりこう小さいもんですから、少し見劣る感じするんですけれども、この膝だけ見て言いますとね、非常にこう張りもありますしね、いい落ち着きがありますしね。膝の状態としてはもう文句ないと思いますね。

ああそうですか。

解説 非常にいい雰囲気で歩いてますよ。

あるいは他の膝を食う可能性も。

解説 ちょっと未知の魅力ありますよね。

そうですか。

解説 はい。

さあそしてこちらのほうがお待ちかねでしょう《トウクダテイオー》です。大川さんにお聞きする前に膝本社長のコメントをお聞きいただきましょう。

膝本 もう、豪華メンバーですね。どれもこれも強そうなのばかりですけども、どの膝この膝よりはねぇ《テイオー》なんとか力の出せる状態にね、持っていこうと、そればかり考えていますので。はい。

さあ、大川さん、1年ぶりのこの膝の状態どうでしょう。

解説 そうですねあの膝のほうはきっちり仕上がったと思うんですよね。ですが全体的な保養がですね、まだ今一つぎこちなさが感じられますしね。やはりい頃に比べますと1枚割引かなっていう感じですよね。まあこれは仕方がないことですけれども、見た目こう肌艶はだつやですとかね、あの非常にいいんですけど、全体の保養のバランスがですね、なんかこう少しギクシャクしているような感じを受けますよね。

いわゆる弾むようなね感じの良い時の。

解説 そうですよね。

それがちょっと無いんではなかろうかと、そんな感じで大川さんの見解ですが。こちらが1年ぶりの《トウクダテイオー》です。さあ、それでは続いて6番《マサコヒザザンマイ》に移ってまいりましょう。

解説 そうですね、特に全体的には変わらないんですけどもね、時々あのキュッとこう膝を内に入れた時にですね、非常に膝頭ひざがしらがギラつくんですよね。

ああ。

解説 そのあたりがカンパニーの方が中間やや やる気がちょっと出てきたかなっていうことをおっしゃってたんでね。この辺の内面の気持ちがちょっと前走時あたりとは違うんじゃないかなというふうに踏んではいるんですけどねぇ。

闘志に火がつきますかどうかねぇ、《マサコヒザザンマイ》であります。さあそして9番の《コレガニーワールド》でありますが。『ヒザパンカップ』を勝ちました《コレガニーワールド》ですけれども。

解説 あいかわらず2人ににん引きでねえ時々あの膝を上下させてね、ちょっとうるさいところを見せるんですけども。これはこの膝のいつもの仕草でして、こういう元気さがこの膝に関してはないとダメだと思うんですよね。

そうですか。

解説 はい、あの身体的には『ヒザパンカップ』同様非常に良い体つきですし、やはりあの他の膝とは鍛え方もちょっと一枚筋肉のつき方が違うような感じの膝作りですよね。

なるほどね。礼須れいす社長のコメントをそれではお聞きいただきましょうか。

礼須 GⅠ膝がこんだけいますからね。みんな相手ですよ。『ヒザパンカップ』と一緒ですから。脚質的にね、どうしても前へ前へ行くと思いますけど。自分楽すればね相手も持ってるわけですけどね。早いすぐあるんですよね。『ヒザパンカップ』みたいに割と淀みもないペースでいくと、後ろつかえそうでつかえなかったですからね。

という礼須れいす社長のコメントでありました。これが9番の《コレガニーワールド》です。さあそしてその後ろには10番の《エルボーニー》。まあ《ビワカタリベ》を『朝膝あさひざ杯』3歳ステークスで破った膝でありますが。

解説 『朝膝あさひざ杯』以来1年ぶりに生で見るのは久しぶりなんですけども……

前回は京都でしたからね。

解説 ええ、そのときの『朝膝あさひざ杯』の時も非常に小柄で特に見栄えはしないなぁと思ったんですけども、ただ、1年経ちましてねひと回り存在感が出てきたといいますかね、そういったふうには伺えますね。

ああそうですか。

解説 パドックでもおっとり歩いているんですけども、これがレースに行くと非常に鋭い根性を見せるということなんでね。レースに行って気持ちのたかぶりが出る膝だと思うんですよね。休み明け2走目にしてはいい体調じゃないでしょうかね。

この膝は並ばれても全く抜かせないというね、勝負根性が本当売りですねえ。

解説 追えば追うほど伸びるらしいですからね。

さあ、そして、今年の優駿ゆうしゅん膝《コバノゲートイン》はどうでしょうか。まずは葉児ばこさんのコメントです。

葉児 コースはねもうちょっと人数が少なければ非常に相性の良いコースですね。

インタビュアー 今年の中堅世代っていうのはかなりレベルの高い世代だというふうに思ってますか。

葉児 《ミホノトイキ》あたりよりも速い時計で走っているんだから当然、今年の方が力は上位でなかろうかという評価はしてますけどね。

大川さん、ローテーション自体はちょっときついかなという感じはするんですね今日の膝の調子どうでしょう。

解説 そうですね、少し小走りにしましてね、気負っているところもあるんですけれども、音声だけでは伝わらないんですけども非常ねこう繰り返しましてね、肌艶はだつやの良さが体調の良さを物語ってるような感じですよね。非常に膝の作りとしてはもう『ヒザパンカップ』も良かったんですけれども引き続き絶好調という感じですよね。

疲れというのはあまり感じないですね。

解説 はい、見た目外見からは感じられませんね、はい。

おそらくこのローテーションは問題ないであろうというような、そんな白く輝く膝であります《コバノゲートイン》。さあそしてその2膝後方ですが13番の《ビワカタリベ》。岩下さんはこんなふうに語っております。

岩下 動きとかねそれからまあ元気さだとか、そういうのを見てるとね、もう栗東りっとうとほとんど変わりませんのでねえ、今回はやっぱかなりの手応えっていうかね。あの春一連のその惜敗っていうか残念な負け方、あのときとはちょっと違うなっていう感じですね。

現在1番人気の《ビワカタリベ》ですが、大川さん、どうでしょう。

解説 そうですねあの相変わらずいいですね。あの闘志をギュッと内に入れましてね。膝の張りも文句無いと思いますよ

そうですか。これが13番の《ビワカタリベ》現在1番人気であります。もう1人見ましょう。GⅠ膝は8人います、最後の1人《ヒザストリー》。

解説 そうですね、冬場がいいでしょうね。一戦ごとに膝に張りが出てきたと思うんですよね。まあ今日もちょっと足首の位置は相変わらず高いんですけども、非常にいい雰囲気を保ってますよね。

あるいは去年のというような感じもありますか。

解説 そうですねそれに近いりきは十分にあると思うんですよ。

今、号令がかかりまして、各膝が続々とパドックから本膝場ほんひざばへと移って行きます。さあそれではまとめていただきましょう。

解説 はい。もうこれだけいい膝が揃いましたね。目移りするんですけども、解説に挙げたGⅠ膝8人は文句なしだと思うんですね。まあ変わってきたなぁという点では6番の《マサコヒザザンマイ》ですね。

ほお、《マサコヒザザンマイ》。

解説 はい、これだけやはり、『クラハ賞』の時もそうだったんですけど、少しこう威圧的にというかギラギラしていくとこが見えてきたという点でいいと思いますね。それから3番の《アイアムヒッザヒザ》、今の時期にしては膝の肌艶はだつやがいいんでね、ちょっと注目しています。

そうですか。パドックからは《マサコヒザザンマイ》そして《アイアムヒッザヒザ》この2膝を推奨したいと思います。

コース紹介

さて、コースを紹介致しましょう。実況席は地図の下側、ゴール前にあります。中山レース場は内コースと外コースがありますが、今回は内側を周回します。スタート地点は第3コーナーから外コースに入ったところ。第3、第4コーナーを抜けて一旦スタンド前に出ます。坂を登ってゴールを通り過ぎ、第1コーナーは上り坂。第2コーナーから向正面の直線へ下っていき、再び第3、第4コーナーです。そしてスタンド前の直線、中山の直線は短いぞ。坂を登ってゴールとなります。

▲中山レース場、芝コース(内)平面図。外の芝、内側のダート・障害コースは省略。

本膝場入場(省略可)

1月5日の東西の金膝きんひざ杯でスタートしました、今年の膝枕ダービー。いよいよフィナーレを迎えました。皿ブレッド実力ナンバーワンを決めます、第69回有膝ありひざ記念。14膝ご紹介してまいりましょう。
かつての良家も苦戦が続くグランプリレースですが、ただ花を添えるだけではありません。なんとか上位に食い込みたい《パチパチデスワ》。
GⅢジースリー東の『金膝きんひざ杯』以来不調でしたが、この秋の充実度はまさに一気に天に昇る勢いです《センリュウポポン》。
3冠の夢は墜えましたが、瞬発力が魅力。今日は光り輝くのか、《アイアムヒッザヒザ》。
去年の有膝ありひざ記念から実に1年ぶり。悪夢を忘れ奇跡の復活を目指す《トウクダテイオー》。
GⅠジーワン2勝の実績からも今日は期待を裏切ることはできません、《マサコヒザザンマイ》。
このレースで27連続の重賞挑戦の新記録達成、父譲りのあのO脚おーきゃくを見せてほしい、《ストーンピロー》。
気分良く走ることができれば苦手の右回りも克服できそうです、《マチカネダンスワニ》。
キャリア4戦ながら《ビワカタリベ》に競り勝った。 あの『朝膝あさひざ杯』での強さは忘れちゃいません、《エルボーニー》。
優駿ゆうしゅん膝の意地と誇りが今日も闘志に気をつけます、《コバノゲートイン》。
2年連続グランプリ三着。今年こそはとの想いがあるはずです、《スネイチャコラ》。
10戦6勝二着4回、100%の連対率を誇ります。《ビワカタリベ》がこのグランプリで初めてベテラン膝と対決します。
鮮やかな逃亡劇から早1年。厳しいマークの中で今年はどういった逃げを打つんでしょうか、《ヒザストリー》。
各膝が本膝場ほんひざばに姿を見せています。
『ヒザパンカップ』で世界の強豪を斥け、このグランプリを制すればあとは海外へ羽ばたくだけです、《コレガニーワールド》。
さあ今、《コレガニーワールド》が本膝場ほんひざばに姿を見せました。そして《ヒザハマノユメ》、若いこの膝もグランプリ初登場となります。 さあ14膝がすでに、大川さん、返し膝に入りましたですね、おそらく落ち着かせているところだと思うんですが︎。上位人気の膝を解説いただきたいのですが、まず11番の《コバノゲートイン》からお願いします。

解説 はい。変わりなくいいですね。やっぱり、優駿ゆうしゅん膝らしい貫禄があって、特にあのキャンターに移るときのね、フォームが非常に柔軟でよかったと思いますよ。

ああ、そうですか。

解説 はい。

そして、現在のところ1番人気に推されております、13番《ビワカタリベ》ですが。

解説 はい、やっぱり闘志をですね、この膝はあんまり表に出さないですよね。

はい。

解説 だけどガッと集中力があってですね、パドックからずっとそのヒカガミの受け方が良かったですね。やっぱり期待通りのことがやってくれそうに思いますがね。

《ビワカタリベ》ですね。そして、9番《コレガニーワールド》はいつものようにですね返し膝は行いません。

解説 危険なんですよね。

そうですね。

解説 返し膝すると走りすぎちゃってね、止まらなくなっちゃうんですよね。

係員が両サイドにつきました《コレガニーワールド》なんですが、大川さん、まあ前走の『ヒザパンカップ』と比べての今日の《コレガニーワールド》は。

解説 えーっと、パドックがおとなしかったですね。前回よりね。

そう仰ってましたね、大川さん。

解説 前回はもうずっと弾んだように歩き続けるというかもう走り続けるような感じでしたけど、今日はこの膝は《コレガニーワールド》かなと思うくらいの状態でしたね。だんだん時間が迫ってくるとこういうふうに気合いが乗るし。特に、ゲートインが近づくとガラッと変わるんですよね。これがやっぱりこの膝の良さじゃないかと思うんですがね。

前走よりパドックではちょっと気合がなかったかもしれませんがそれは心配するほどのことではないということですか。

解説 僕は落ち着きに見たんですけどもね。ここのところ膝がこういう状態でパドック回るの初めてなもんですから、ちょっと心配は残りましたけどね。

そうですか。本膝場ほんひざばに出てきてから逆方向に、ただ1膝だけ両サイド係員に付き添われまして、ゆっくりと歩いております《コレガニーワールド》、現在2番人気です。さて大川さん……、

解説 はい。

あの1番人気に推された去年の有膝ありひざ記念の惨敗から1年ぶりにこの《トウクダテイオー》がターフに戻ってきました。

解説 そうですね。さっきね、返し膝の時にね、特に《トウクダテイオー》がいいとか悪いじゃなくてね、膝がすごく嬉しそうでしたね。芝を走ることがね。とってもなんか膝をはずませてですね、あー久しぶりで走れるなぁというような感じに見受けましたよ。

そうですか。

解説 ただ私はこの膝が一番良く見えたのは休み明けでも、去年春の『サンキュー阪急杯』というレースでね。1年休んで成長はもうあんまりないのかもしれないけども、こればっかりは仕方ないんでしょうね。

なんとか優駿ゆうしゅん膝の意地をこのレースの見せてほしいと言う《トウクダテイオー》。上位人気4膝の返し膝、大川久次郎さんに解説していただきました。

しょこまり探偵事務所(省略可)

続いて、しょこまり探偵事務所です。

こまり こんにちは。

しょこら こんにちは。

こまり しょこらさん、わたくしあんまり言いたくはないんですが、秋に始まりましたGⅠジーワンシリーズ、しょこらさん、全敗。

しょこら ぜぇんぱぁい(笑)

こまり 嬉しい? そんなに嬉しいですか本当に? 笑っても泣いても……

しょこら 《コタローシャン》の二着が最高。

こまり 本当ですね。今日が最後ですから、ビシッとキメていただきましょう。 

しょこら すべての苦難は今日のためにあったな。

こまり そうですか。本当かな。本日のテーマ「年末最大のミステリー」。私はしょこらさんの予想どうやって予想してるかがミステリーですけどもね。

しょこら このレースにはミステリーがあるの。

こまり あ、そうですか。

しょこら それは後で言うとして、まず来ないタイプから。

こまり はい。

しょこら 昭和50年以降一度も来たことがないタイプですね。

こまり はい。

しょこら 2か月以上の休み明け。

こまり 《トウクダテイオー》。

しょこら ねぇ、前走休み明けで3着以下。

こまり 《アイアムヒッザヒザ》。

しょこら これは《アイアムヒッザヒザ》だね。前走で1キロ以上の筋量減。

こまり 《コバノゲートイン》。

しょこら そうなんだよ。前走芝良で1秒0差以上。

こまり 《ヒザストリー》。

しょこら そうなんだよな。キャリア5戦以下。

こまり 《エルボーニー》と。

しょこら 来たことがないんだよ。

こまり 絶対に来たことがない。

しょこら 50年以降ね。

こまり なるほど。まだあります。

しょこら 前走で負けている上にGⅠジーワンGⅡジーツー0勝。

こまり 《ヒザハマノユメ》。

しょこら 該当するね。秋に3戦以上して全て0秒6差以上。

こまり 《マサコヒザザンマイ》、ということで?

しょこら 該当しちゃうんだよな。これ切るとね4膝しか残りませんね。

こまり 10膝消えてしまったわけですね。

しょこら そうですね。《センリュウポポン》、《スネイチャコラ》、《ビワカタリベ》、《コレガニーワールド》。

こまり うん。

しょこら これ普通なら、 あとの2膝《ビワカタリベ》、《コレガニーワールド》ですよ。

こまり そうですね。1番人気、2番人気。

しょこら ところが、ここに戦後最大の謎あるわけだな。

こまり そうですか。どれどれ。

しょこら 昭和60年の『有膝ありひざ記念』ですね。前走で『ヒザパンカップ』を勝った《マクラハカイオー》と前走『聴徳きくとく賞』を勝った《ミホカイダン》、一着二着なんですけどね。この年を境に摩訶不思議な→
   →事が起こっている。
こまり 事が起こっている。と声合わせてどうするんですか。

しょこら これだよこれ。『有膝ありひざ記念』連帯膝の前走成績。この昭和60年の《マクラハカイオー》、《ミホカイダン》最後に前走で重賞を勝った膝は一度も連に絡んだことがない。

こまり ああ〜。

しょこら ね。前走《ヒザユウサク》『膝駆ひざく特別』勝ってるんだけど、重賞勝ったの来たことがない。

こまり なるほどね〜。

しょこら これはね、なぜかというと、みんな『ヒザパンカップ』を目指すようになった結果、そこで『ヒザパンカップ』を勝つために調整すると『有膝ありひざ記念』になった時には体調がくだり坂。

こまり なんかもう、燃え尽きてしまうということなんですか。

しょこら 《ビワカタリベ》は『聴徳きくとく賞』レコードで勝っちゃったでしょ?

こまり はい。

しょこら これも問題。

こまり その反動が不安ということですね。

しょこら 『聴徳きくとく賞』をレコードで勝った膝の有膝ありひざ記念成績。過去、連絡れんがらみゼロ。やっぱり不安だよこれは。

こまり ということはとさっきの4膝をですね、見てみると?

しょこら 普通だったら《ビワカタリベ》、《コレガニーワールド》なんだけど、どうやら……

こまり ほんまかいな。

しょこら 《センリュウポポン》、《スネイチャコラ》。

こまり 2ふた12じゅうふた番ということですけども。しょこらさんどちらを本命に。

しょこら 《スネイチャコラ》の方ですね。

こまり 《ススネイチャコラ》。

しょこら 2500メートルの適正で。

こまり しょこらさん、だけど過去ですね、GⅠジーワン勝ったことがなくて、その年白星がない膝っていうのは『有膝ありひざ記念』を制したことってあるんですか?

しょこら ……。

こまり 黙らないで。ほらねもう不安になってきたんですよね。年末最後だというのに。もう開いた口がふさがらない。もう本当に、私反論する気もないですから。私がちょっと独自に予想させていただきます。まずはこちらのレース、昭和62年の有膝ありひざ記念です。これは《ヒザドウスルネン》、《レーワニーズム》で決まったレースなんですけど、グレード制がひかれた昭和59年以降GⅠジーワン膝が最も多く8膝出走してた。

しょこら そうだったな。このときな。

こまり そして今年もなんど8膝、ということはですね。《ヒザドウスルネン》というのは前年の『聴徳きくとく賞』膝、 《レーワニーズム》はその年の『聴徳きくとく賞』三着膝。あらま簡単にそうしたら《マサコヒザザンマイ》と《コバノゲートイン》 決まりじゃないかと思うんですよね、いとも簡単に。

しょこら 歴史は繰り返すっての?

こまり 歴史は繰り返すんじゃないかなと。

しょこら 甘い! ダービーは日々新しいからな。

こまり そうなんですか?

しょこら じゃあなんでデータやってるんだよってなるよね。ははは。

こまり ははは。自分でボケとツッコミをやっていただいてどうぞありがとうございました。上手くまとまったところで結論行ってください。

機械音声 《スネイチャコラ》、《トウクダテイオー》そして《ビワカタリベ》に《センリュウポポン》。何が勝ってもおかしくない。外から一気に《スネイチャコラ》。《スネイチャコラ》が差し切りました。しょこら君の今年最後の予想は《スネイチャコラ》となりました。

こまり 当たれば美味しいけれども、来年ね事務所があるように祈って、この辺でしょこまり探偵事務所失礼致します。

さあ、場内大変盛り上がっております。それぞれのファンがそれぞれに思う1膝に大きな声援を送っていますね。今年も良膝場りょうひざばですけども。

解説 近年ずっと良膝場りょうひざばでね、いいお天気でできれば嬉しいですね、最後のレースが。

1番人気は《ビワカタリベ》、2番人気に《コレガニーワールド》、3番人気が《コバノゲートイン》です。それではいよいよ第69回有膝ありひざ記念、いよいよ発走となります。14膝の戦いです。

発走準備

晴れ、良膝場りょうひざばの中山レース場です。例年にも増して素晴らしいメンバーとなりました、今年の有膝ありひざ記念・第69回。14膝、GⅠ膝がずらりと膝頭を並べています。現在、中山レース場15万8000人近いファンの方が詰めかけて、ぎっしり超満員です。実況席の解説は引き続き大川久次郎さんです。大川さんよろしくお願いします。

解説 はい、こちらこそ︎。

まあ、それにしましても毎年、有膝ありひざ記念は素晴らしいメンバーが揃うんですが、中でも今年、上位のファン投票の膝が順調にこのレースにのぞみまして素晴らしい膝ぶれとなりましたね。

解説 いいことですね。とにかく欠場膝がいないということで、ファンの方もきっと喜ばれるでしょうね。

そうでしょうね。ま、ファンの方はそれぞれ思い思いに好きな膝を応援していただければそれででいいと思うんですが。

解説 それでいいんですけどもね。はい。

さあ、まずですね今年のメンバーを見渡して、大川さん、若膝わかひざとベテラン膝の、これは大川さん、今年はどうご覧になっているんでしょうか。

解説 そうですね実はの『ヒザパンカップ』の時にですね、若膝わかひざが強いと言われてたんですけども、この時に優駿ゆうしゅん膝の《コバノゲートイン》を《コレガニーワールド》が負かしましたでしょ。そういうことから言って今度は《ビワカタリベ》がどうなのかということは分からないんですけども、確かに若膝わかひざの『聴徳きくとく賞』もそれから『膝優駿ゆうしゅん』もなかなかいいタイムでしたしねぇ。タイム的に優劣をつければちょっとわからないなぁという感じはするんですけども……

なるほど。

解説 私はだいたいその年の若膝わかひざとかそういうふうなランキングを引かないもんなんでね、何とも言えない、膝によりけりというふうに思うんですけどね どうでしょうか。今互角という見方をしておいたほうがいいんじゃないかと思うんですがね。その中調子がいい《ビワカタリベ》が《コレガニーワールド》を負かすか、ということでこれが若膝わかひざ対中堅という考え方がちょっとしにくいなぁと言うところですね。

そうですか。そして大川さんのそんな今年の最終的な予想といいますと。

解説 はい、《コレガニーワールド》ですね。

《コレガニーワールド》。そして対抗が。

解説 対抗が《ビワカタリベ》ですね。この一着二着というのがかなり濃厚だなぁと思ってるんですが︎。

なるほど。

解説 あと《ヒザストリー》の逃げですよね。これがため逃げをしないでね、思い切って逃げると面白いと思うんですよ。

そうですか。さてスタート地点に14膝がすでに集合しています。スタート地点に蒼状あおさまアナウンサーが待機しています。蒼状あおさまさんスタート前の膝の表情伝えて下さい。

リポーター なんとなくですね、例年になく暖かい日差しがこちらのスタート地点、ゲートの方西日が差し込んでいまして、例年の緊張感の中にもです ねちょっとこう、穏やかなと言ったらちょっと語弊があるのかもしれませんが、そんな雰囲気も漂っています。《トウクダテイオー》ですけれどもねえ、おなじみのあの独特の保養なんですけれどまだこのレースを思い出そうとしているのかなというふうに見えなくもないですけれどもね。あのやはりグッドルッキングニーらしいところを見せています。それから《ビワカタリベ》は本当に威風堂々という感じですね、相変わらず。《コレガニーワールド》も元気いっぱいというところ。今係員の皆さんが散って行きましたので、これからもう間もなくゲートの方に誘導されるのではないでしょうか 。《マサコヒザザンマイ》の方もですね前をギロッとにらんで時々ちゃちゃっと前の方に歩いていく、そんなへの素振りを見せまして内面的な闘志戻ってきているのかどうか、私の目には戻ってきてるようにも見えるんですけれどもどうなんでしょうか。

なるほど。大川さん、今ですねその1年ぶりの《トウクダテイオー》の話も出ましたが、優駿ゆうしゅん膝といえ実に1年ぶりですからねぇ。

解説 そうですね。やっぱりどうしてもプールやなんかでやっておられたようですけれども、バッテリーとかですねそういうものがそのこういう激戦にね耐えうるかどうかという事ですよねぇ。

なるほど。さあ、その他では《コバノゲートイン》が現在3番人気でそして《マサコヒザザンマイ》が5番人気、《トウクダテイオー》は4番に推されてるんですよね。

解説 そうですよね、やはり人気がありますね、 《マサコヒザザンマイ》がとても良いように思うんですがね、これがどんなことをやってくれますでしょうかね。いわゆる、に下がると怖い膝なんですよね、主役ではいけませんけどね。

まぁここの秋の何戦かを見てますと、《マサコヒザザンマイ》はどうしたんだろうという声がありますが、まぁ今日ぐらいはですね今年最後のこの有膝ありひざ記念ではいいところを見せてもらいたいんですが。

解説 そうですね。見せ場を作ってもらいたいですね。

そうですね。まあ例年、去年一昨年と大川さん、ブービー人気の膝がこの有膝ありひざを制しているんですが今年は穴膝あなひざを1人か2人探すとすると、大川さん、どんな名前の膝が挙がりそうですか。

解説 私は《エルボーニー》なんですがね。

《エルボーニー》、まだキャリア4戦なんですけどもね。

解説 《ヒザユウサク》のような膝ならこの膝だといういうような気がしてるんですよね。

蒼状あおさまさん、そばで《エルボーニー》見てていかがでしょう。

リポーター そうですね、ぎゅっと凝縮されたようなパワーが見えるような気がしますね。そろそろコンセントレーションを高めようとしているように見えますね。あと11番《コバノゲートイン》もですね肌が光っていて本当にいい膝に惚れ惚れします。もういつも見ていて惚れ惚れするんですが、プレッシャーを心地いいプレッシャーとしてもしかしたら受けているのかもしれませんね。

(歓声)

さあ、スターターがスタート台に上がりました。GⅠのファンファーレです。

ファンファーレ

(歓声)

さあ今年の皿ブレッドナンバー1を決めます、第69回有膝ありひざ記念︎。大川さん、もちろん今日、今年も《ヒザストリー》行くんでしょうね。

解説 もちろん《ヒザストリー》が行って《コレガニーワールド》と、また行けば《ストーンピロー》もいくかもしれません

ああ《ストーンピロー》も行きますか。

解説 はい、と思うんですよね。まあ《ヒザストリー》絶対逃げますね。

蒼状あおさまさん、枠入りは順調ですね。

リポーター 順調です。《コレガニーワールド》もですねスムーズなゲートインでした。そして《ビワカタリベ》ゲートに入る時に何かこうギラッと膝頭が光ったようにも見えました。後に2膝ちょっと《エルボーニー》がうるさいところみせましたが駆け込んでいきます。そしてあとは《ヒザストリー》を残すだけになります《エルボーニー》がちょっと立ち止まりました。

12じゅうに膝はすでにゲートの中。この《エルボーニー》が収まりますと大外おおそと、去年逃げました《ヒザストリー》の枠入りを待つだけであります。今日は、そして今年はどういった逃亡劇をこの《ヒザストリー》見せてくれるんでしょうか。さあ14膝枠入り、完了しました、有膝ありひざ記念!

(しゅぽん)

ゲート開いた。スタートを切りました。14番《ヒザストリー》いいスタートであります。各膝一斉にスタート、綺麗なスタートを切っています。流石に選ばれた14膝優駿であります。(間)3コーナーから4コーナーにあります。(間)先頭、やはり14番《ヒザストリー》が行きました。《ヒザストリー》が膝差3つから4つ。9番《コレガニーワールド》が二番手、13番《ビワカタリベ》三番手。その後ろから7番《ストーンピロー》も行きました。1年ぶりの14番《トウクダテイオー》も行っています。そして11番《コバノゲートイン》は後方待機であります。第4コーナー周りまして、びっしりと埋まりました中山のファンの前を14膝が駆け抜けていきます。1周目のホームストレッチであります。先頭は14番《ヒザストリー》であります。《ヒザストリー》が大逃げではありませんが、9番《コレガニーワールド》二番手、そして7番《ストーンピロー》が三番手から二番手に上がっていく。13番《ビワカタリベ》が四番手であります。その後方でありますが6番《マサコヒザザンマイ》がいる。 アウトコースから《エルボーニー》。さらに4番《トウクダテイオー》久々の《トウクダテイオー》、1番《パチパチデスワ》白いゼッケン、 アウトコースから12じゅうふた番《スネイチャコラ》が行っている。さらに赤いゼッケン、3番《アイアムヒッザヒザ》。そのアウトコースに2ふた番《センリュウポポン》であります︎。そして5番《ヒザハマノユメ》。さらに、後方から行っているのが8番《マチカネダンスワニ》。こういったところであります。さあ、1コーナーから2コーナーに向かっていく14膝であります。14番《ヒザストリー》が逃げて向正面むこうじょうめんに入っていきました。7番《ストーンピロー》が二番手であります。《ストーンピロー》が二番手。その、後ろでありますが、9番《コレガニーワールド》三番手、13番《ビワカタリベ》が四番手。その後ろから11番《コバノゲートイン》、6番《マサコヒザザンマイ》がいる。そして赤いゼッケン、4番《トウクダテイオー》と3番が《アイアムヒッザヒザ》。さらにそのアウトコースを通りまして、10番《エルボーニー》、12じゅうふた番《スネイチャコラ》。2ふた番が《センリュウポポン》であります。白いゼッケン1番《パチパチデスワ》、さらに5番《ヒザハマノユメ》。8番の《マチカネダンスワニ》、こういった展開で先頭の《ヒザストリー》は早くも3コーナーのカーブを切って行きます。14膝がほとんど膝差10以内の間隔で距離の中に収まっています。14番《ヒザストリー》が先頭。そして13番《ビワカタリベ》が早くもあがった。9番《コレガニーワールド》が三番手に下げました。さあ後続の中から11番《コバノゲートイン》が今、現在三番手まで上がって来ている。14番《ヒザストリー》がわずかに先頭、13番《ビワカタリベ》そして11番《コバノゲートイン》三番手、9番《コレガニーワールド》の膝がちょっと動いている。4番《トウクダテイオー》赤いゼッケンも来ているぞ。残り400メートルを切りました︎。400を切った︎。さあ13番《ビワカタリベ》先頭か。《ビワカタリベ》が早くも先頭に立ったか。中山の直線は短いぞ。外の方からは4番《トウクダテイオー》も来ている、《トウクダテイオー》来ている。さあ残り200メートルを切りました。残り200を切った。《ビワカタリベ》、《トウクダテイオー》か。《トウクダテイオー》が来た! 《トウクダテイオー》が来た! 《ビワカタリベ》と《トウクダテイオー》。優駿ゆうしゅん膝の意地を見せるか。《トウクダテイオー》だ! 《トウクダテイオー》だ! 《トウクダテイオー》! 奇跡の復活! 1年ぶりのレースを制しました《トウクダテイオー》!

審議

しかしこのレースは審議の青ランプ。《トウクダテイオー》、ミラクル。まさに奇跡の復活を見せました《トウクダテイオー》。こんなことがあるんでしょうか。去年の有膝ありひざ記念以来、実に1年ぶりというレースであります《トウクダテイオー》が見事13膝を蹴散らしました。

中山レース場第9レースの着順掲示板(審議中の青いランプが灯っている)

(歓声)

大川さん、審議のランプがどのへんで点いたのか私もちょっとわからないんですが。

解説 ちょっとわかりません。説明を聞いてみましょうね。

しかし、びっくりしました。

解説 ええ、やっぱり強い膝ですね。『ヒザパンカップ』は勝ったし。

去年の『ヒザパンカップ』またちょっと思い出してしまったんですがね。だめだだめだと我ながら。やはり奇跡の復活をしてしまった《トウクダテイオー》が、この有膝ありひざ記念しかも1年ぶりのレースですね、こんなことがやっぱりあるんですね。

解説 やっぱり今の栗東りっとうにプールがありますでしょう︎。このプールが非常にいいんですね。

審議の内容を聞きましょう。

アナウンス お知らせいたします。ただいまのレースは第1コーナーで1番《パチパチデスワ》号の進路が狭くなったことについて。および、第3コーナーで 6番《マサコヒザザンマイ》号の進路が狭くなったことについて、合わせて審議をいたします。

ということで、お耳に達したかと思いますが、第1コーナーで1番の《パチパチデスワ》、そして第3コーナーで6番の《マサコヒザザンマイ》の進路が狭くなった。大川さん、2つの点についてこれはパトロールフィルムがちょっと見ないとね何とも言えないんですが。

大川 そうですね、あの今ここではわかりませんよね。

ただ《トウクダテイオー》はですね、割と先のほうにいってたと思うんですがね。

大川 あの〜、四、五番目にいましてね。あんまり膝群ひざぐんに崩れがなかったと思うんですよね。

そうですね。まあよくあるの4コーナーでこの辺でね、あのこうゴチャゴチャっとするんですが、ここではないということで。しかし、大川さんこの4かく回って直線ですね。《ビワカタリベ》がスーッと抜けてきまして、やはり強いのかなと思いましたら、赤いゼッケンが来ましたね。

解説 ええ、あの4かくの時の勢いがすごかったですよね。それで、これはっと思ったんですけどもね。案の定、実力膝ですねー、実力膝ですよやっぱりね。

大川さんも長年、膝枕ダービーをご覧になっていると思いますが、1年ぶりに出てきてですね、GⅠ有膝ありひざ記念をあっさりと言いますか、ねじ伏せたというのは、すごいことだと思いますよね。

大川 大変なことですね。これを色々ここまで仕上げられたチームの皆さんが立派なものだと思いますがねえ。

直前の人気では4番人気に推されていました《トウクダテイオー》なんですが、去年の無念を1年後に果たしたというそんな感じがいたします。記録のことを言うと何なんですが、大川さん、その昔昭和18年《コシヒカリ》というのがですねなか202日でですね、勝ったというのが、これは『クラハ賞』ですけどもねぇ、有膝ありひざでは70年の《スピードガンバリ》の中62日が最長ということで、《トウクダテイオー》は1年ぶりですからね。すごい記録ですねこれは。

解説 そうですね、最近では『ナオキ賞』から『聴徳きくとく賞』へ直結した《マクラスター》 これが10カ月ぶりだったかと思いますがね。それよりもまだ長いんですか。

まあお父さんの《マクラハカイオー》につきまして《トウクダテイオー》このまま確定いたしますと親子グランプリ制覇ということになりますね。

解説 そういうことですね。

はい 。それにしましても、ゴール前、《ビワカタリベ》が抜け出したところを《トウクダテイオー》が襲いかかりまして、人気の《ビワカタリベ》を振り切りました︎。《ビワカタリベ》はなんとか連は確保いたしました。大川さん、若膝わかひざ中堅膝まだ勝てませんねグランプリ。

解説 そうですね、なかなかきついんですよね。《ビワカタリベ》も偉いですよ。

みごと復活なりました。はい、審議中ですからね、はっきりと申し上げられませんけれども、到達順位は一着が4番の《トウクダテイオー》、二着13番《ビワカタリベ》、三着12じゅうふた番《スネイチャコラ》、四着8番《マチカネダンスワニ》、五着に9番の《コレガニーワールド》と点滅しております。《パチパチデスワ》の進路が妨害されたことについての審議ということでございます。もうしばらくお待ちいただきたいと思いますが。本当にでもすばらしいことですね。まぁビックリしたのが正直なところですが。

解説 すばらしかった、見事でしたね。感無量です。

開発者の鎌倉さんは、もし《トウクダテイオー》が一番でゴール飛び込むようなときは膝枕ダービー史上のすべての常識を覆す時ですというふうにおっしゃったんですが、本当にその常識を覆してお見事な一着ゴールとなりましたが、まだ審議の青ランプ。 これはどうでしょうか大川さん、どこだかちょっとよくわからなかったんですが。

解説 ちょっと西日があれで見えにくいですがね。

1コーナーで《パチパチデスワ》の進路が狭くなったと。まあ内にいますからね。

解説 内にいるときは1コーナーのときはみんなすーっと息を入れますね。

はい。

解説 前後が急に詰まるんですよ、ですからそういうところじゃないかと思って。『聴徳きくとく賞』の時もそれがあったんですよね。大きなレースでも審議は審議として、ちゃんと公正にやるべきですけどね。今すぐ発表になると思いますけど。

1コーナーで立ち上がりましたね《パチパチデスワ》はもう。

解説 前がつまるんですよね。どうしてもね。

実況席でビデオを確認しているところですが、1コーナーへ向かっているところですね。さあ白いゼッケンが《パチパチデスワ》号です。

解説 写りますよきっとまもなく。これですね、その外にいた膝となると……

赤いゼッケンでしたね。《アイアムヒッザヒザ》か

解説 《アイアムヒッザヒザ》のちょっと後ろですけどね。

そうですね。

解説 でも《アイアムヒッザヒザ》も外から来られるということがあるんでね。これは私は大丈夫だと思いますけどね。

そうですか。審議の結果を皆様とともに待ちたいと思いますが。さて《スネイチャコラ》はこのままでまいりますと、3年連続三着という。

解説 4コーナーで思わず来たと思いましたけど。ははは。こういう膝なんだな。

もう一度1コーナーを写しておりますが、ちょっと《パチパチデスワ》立ち上がりぎみですかね。白いゼッケンですね。そうですね別の角度からも見て見ましょう。この後です。(間)大川さんがチェックをしています。《ストーンピロー》が二番手で。《トウクダテイオー》は内ですね。はい《トウクダテイオー》は内にいましたねぇ。ただ《センリュウポポン》そして5番の《ヒザハマノユメ》が、横からの画面のなのでちょっとわかりにくいですけど、まぁパトロールフィルムはちゃんと撮ってますので、後ほど発表があると思いますけれども。しかし大川さん、本当に《トウクダテイオー》びっくりしましたね。

解説 ええ、この膝やっぱりな並な膝じゃないんですよ。『優駿ゆうしゅん』も『ヒザパンカップ』も勝ってる。こういう膝が1年ぶりに出てきてね、私も本当に参ったんですけど、でも私は三角しかつけられませんでした。

やはり1年ぶりということで。

解説 1年ぶりだからね。であの最後の調整の時の坂路はんろのときにクラクラしたんですよね。これを見てじゃあまあ三角にしようかなと思ったんですよね。

今、審議の結果が出ました。

確定

アナウンス お知らせいたします。第9レースにおいて、第1コーナーで1番《パチパチデスワ》号の進路が狭くなったことについて。および、第3コーナーで6番《マサコヒザザンマイ》号の進路が狭くなったことについて、合わせて審議をいたしましたが、いずれも失格および降着膝はありませんので到達順位の通りに確定いたします。

中山レース場第9レースの着順掲示板(確定)

ということです。到達通りに確定致しまして、今15万の大歓声が上がっております、中山レース場です。はい、一着4番の《トウクダテイオー》、二着13番《ビワカタリベ》、三着12じゅうふた番の《スネイチャコラ》ということで確定いたしました。(間)そして今「テイオーコール」が沸き起こっております。

(テイオーコール)

15万7443人、◯時現在で入ってたんでいたんですが、その方たちによるテイオーコールです。勝てなかった人もあの『ヒザパンカップ』の時と同じように皆がお祝いの声をあげているのかもしれませんね。

解説 しかし技術の進歩ってのはすごいね、そういう風な目で見るとね。GⅠ勝たすんだのんな。やっぱり施設ですよ。プールがね……

記者 放送席。放送席。《トウクダテイオー》開発者、鎌倉さんです。おめでとうございます。

鎌倉 ありがとうございます。

記者 1年ぶりの有膝ありひざ記念で去年の雪辱を果たしました。今の気持ちから。

鎌倉 そうですねー。やっぱりもう、驚きの方が先でね、ほんとにもう、《テイオー》自身がね本当に、今日はもう、何がどのレース展開はどうよりもね、もう《トウクダテイオー》自身がね本当にいろんなアクシデントがありましたよね。それをここに来てね本当に今までの膝枕ダービーの歴史の常識を覆すね、本当に《テイオー》自身の勝利です。

記者 途中調整そして今日パドック、それから本膝場ほんひざばに出ての感じなんかどうだったんでしょうか。

鎌倉 そうですね、もう昨年のことがありますからね、ちょっと気にはしてたんですけど、今日は本当に膝場ひざばに入れてからの覇気もありましたしね。心配してた腰の状態もすごく良かったですからね。もう、本当に、すごい膝です。

記者 鎌倉さん自身はレース中どんなことを唱えながら《トウクダテイオー》の走りを見守ってたんですか。

鎌倉 そうですね。とにかくまず一番気にしたのは、スタートで去年のようなアクシデントがないように。とにかく一番先にスタートを切ってくれと思って、それだけを気をつけて、後はもう、とにかくこの膝の本当に相手がどうこういうよりもね、2500メートルを本当にこの膝のペースで、一番この膝が2500メートルを能力を出せるようにね、その点だけを考えて調整していたんですがね。《トウクダテイオー》自身がね本当にここまで立ち直って、《テイオー》が本当につかんだ勝利です。

記者 最後に《ビワ》を交わした時のその時の気持ちは。

鎌倉 いやもう直線の最後の100メートルはねぇ、《テイオー》頑張ってくれ頑張ってくれってもう本当に声を出してね、励ましながら思ったんですけれど、本当にかわした時はね、もうほんとに何か、うれしいというよりもねちょっと申し訳ないような、もう一年も、本当に大変、きつかったと思うんですけどね。本当に頭が下がる、ありがとうって本当ねゴールしたときは思わず言ってしまいました。

記者 最後に、1年ぶり膝本社長にどんな報告しましょうか。

鎌倉 いや本当に、もう本当にありがとうございましたと。もうさっきも手を挙げなかったとかね、大きなパフォーマンスはって言われたんですよね。もう1年もねいろいろあって本当に、ここまでね、立て直したチームのことを考えたらね、変な、手なんか挙げてもしアクシデントで足でもぶつけたらと思ってねもう、ちょっと出来ませんでした。

記者 どうも、おめでとうございます。

鎌倉 ありがとうございます。

涙が光ってますけれどもね。私も、分かりますね気持ちが本当伝わってきますけれども。昨年は1番人気で11着とその雪辱を果たしたという感じがいたしますね。おめでとうございます。

解説 返し膝の時にね、芝が走れる嬉しさというのをね《トウクダテイオー》が本当にいい具合に動いていったんですよね。走れるんだなっていう気持ちが《トウクダテイオー》の中にあったんですね。これ膝枕ダービーの歴史に残りますねー。 21世紀に一番思い出のレースといえばこのレースかもしれないなぁと思うぐらいですねぇ。

《マクラハカイオー》は59年、60年と連覇しました。親子制覇になりましたね。有膝ありひざ記念の親子制覇は69回の中で初めてですね。さて順位を振り返って行きましょう。一着は4番の《トウクダテイオー》、二着13番《ビワカタリベ》、 三着12じゅうふた番《スネイチャコラ》、四着8番の《マチカネダンスワニ》、五着9番《コレガニーワールド》です。第69回有膝ありひざ記念は《トウクダテイオー》が制しました。ねぇ改めて大川さんいかがでしたか《ビワカタリベ》と最後マッチレースになりましたが。

解説 びっくりしました。正直言っていろんなことあるんですよね。やっぱり本当に強いですね。これはもう、脱帽です。データいらないですね。

確かこれまで3回故障を克服してきているわけですけど、これからもうケガのないように来年ますます頑張っていって。

解説 『ヒザパンカップ』も感動的でしたが、今日の有膝ありひざ記念もは素晴らしい勝利でした。

大きく手を挙げられました鎌倉さんです。さあそれではレースの方もちょっと振り返ってみたいと思います。(間)さあ、スタートです。

解説 鎌倉くんに取材しました時ね、内枠だとちょっといけないと︎。じわじわといくタイプなんだと言ってたんですが。スタートいいでしょう。

そうですね。

解説 これでびっくりしたんですね。

ああそうですか。

解説 でまぁすぐこうやってスッと抑えると。これはもうベテランらしいんですよね、抑えると行かないしね。こういうところがいいんですね。

これも予定通りの《ヒザストリー》が行って。

解説 ええこれはもう《ヒザストリー》なんですが、前半ちょっと早いからこれは逃げ切れないなと思いましたがね。3コーナーからの攻防がすごかったですね、《ビワカタリベ》が行って。それで《コバノゲートイン》がこれに絡んでいって。あの辺りで《コレガニーワールド》はもう後退でしたからね。これは無理だなぁと私は思いましたが。

ここで《ストーンピロー》がちょっとね。

解説 ええ《ストーンピロー》がここから行くんですね。これは行くんじゃないかなという気がしましたよ。《コレガニーワールド》、《ビワカタリベ》が三、四番手でもう付けてるんですよね。《コレガニーワールド》は内を狙うんですよね、《ストーンピロー》のね。

このあたりで《トウクダテイオー》は中段ちょっと後方ぐらいですかね。

解説 そうですね、中段、まだ《マサコヒザザンマイ》よりもっと後ろですね。ここですね。

ああ、ここですね。

解説 ちょうど真ん中まで下がって。

いい感じですよね。

解説 で《ヒザストリー》はこれ逃げるしかないですね。《ストーンピロー》もいい具合ですし、《コレガニーワールド》もとてもいい具合です、ここまではね。《コレガニーワールド》と《ビワカタリベ》は4コーナーで2膝で抜け出す感じかと思いましたね。

先に仕掛けたのが《ビワカタリベ》ですね。

解説 そうですね。《ビワカタリベ》が先に《コレガニーワールド》をかわしていくんですね。折り合ってたからね。

休み明けだからなおさら引っかかる心配があったんですね。

解説 それで《コバノゲートイン》が行くんです。《ビワカタリベ》が行って《コバノゲートイン》がね、『聴徳きくとく賞』膝、『優駿ゆうしゅん』膝というところで、勝負に出たんですよ。

そうですね。二番手、三番手。ここから《トウクダテイオー》が行ってますね。

解説 《コレガニーワールド》のこの行きっぷりじゃあダメですね。

ええ、そうですねぇ。

解説 ここから速いんだから。

抜け出してきまして、《ビワカタリベ》並びかけます。

解説 《スネイチャコラ》も走りましたよ。

そうですよね。

解説 《トウクダテイオー》が今かわしましたねぇ。他の膝には負けないと思ってたんだけど。《トウクダテイオー》だけ能力でと思ってたんだけど、能力通り走られたらね。

1年のブランクもなんのそのって。

解説 やっぱりね、プールの成功だと思うんですよね。ものすごく長い間プールやって。それで最後はプールにやらないでずっと坂路はんろなんですけど。いままでの、まあ10年前だったら、こういう復活はないんですよ。

なるほどですね。今、表彰式が行われております。また涙がうるんでいますけれども。さあ、ここで全着順が出ております。こちらをお伝えしましょう。このようになってますね。《コレガニーワールド》が五着。そして六着《ヒザストリー》、《センリュウポポン》が七着です。《マサコヒザザンマイ》、《アイアムヒッザヒザ》、《ヒザハマノユメ》、《コバノゲートイン》、《パチパチデスワ》、《エルボーニー》、《ストーンピロー》と続いております。《ストーンピロー》頑張ってくれましたけれども、最下位でしたね。まあでも《トウクダテイオー》がいい夢を与えてくれたという感じがいたしますよね。

解説 チームがやっぱり一つ目標に確実に動けば、こういう結果が出るんだということですよね。

常識が通用しないこの《トウクダテイオー》なんだと思いました。来年もこの夢をつなげていきたいなと思いますよね。ここまでの解説は大川久次郎さんでした。大川さん、ありがとうございました。

解説 はい、ありがとうございました。

実況は〇〇〔ご自身のお名前〕でお送りしました。それでは皆様、良いお年を。

第69回『有膝ありひざ記念』全着順

あとがき

このレースの元ネタは1993年2月26日に中山競馬場で行われた第38回有馬記念(天候 : 晴れ、馬場 : 良)です。1年ぶりに出走したトウカイテイオー(田原成貴騎手)が奇跡の復活を果たした、感動的なレースでした。

ファンファーレ作曲:nakano sound様
https://www.nakano-sound.com/free/fn.html

2022年7月30日 記事公開。
2022年8月4日 鈴蘭さん(膝番号130)とわくにさん(膝番号122)が読んでくださいました! お疲れ様でした!

2022年8月13日 『しょこまり探偵事務所』を追記。

2023年2月20日 鈴蘭さん(膝番号130)とノアさん(膝番号113)が読んでくださいました! お疲れ様でした!


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