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日経ヘルスケア12月号「コスト削減・業務改善で生き残る」【感想ブログ】

本日は日経ヘルスケアの内容で気になった内容をピックアップいたします。
更新2022/3

「コスト削減・業務改善で生き残る」ということで、中小病院の実状(売上指標含む)が赤裸々に語られており、医療業界に関わっていなくとも興味をひく内容化と思いますのでぜひご覧になってください。

・医療業界に関係する人
・医療業界に興味を持っている人
・医療従事者の方々の現状を知りたい人

1.コスト削減・業務効率化で生き残るポイント

医療機関、介護施設・事業者の経営環境が悪化している。医療経済実態に基づく調査では、利益率は特定機能病院ですら数%程度であり、もちろんイ一般病院はマイナスとプラスと推移している。

直近の患者対応で病院には補助金が多く支払われ、それにより経営が上向いたところもあるようですが本質的には変わっていません。そこで、特集では大きく2つを掲げている。①組織力の向上②ICT化の推進

組織力向上とは、WHATでやりたいこと。スタッフにも経営的な視点(どう業績を上げるか、どこに課題・改善点があるか等)を持ってもらうことであり、そして、その実現のためにHOWとしての"ICT化"という位置づけのようですね。

ケース編として各病院、介護施設での取り組み事例があり一度は目を通しておくべきものだと感心しました。

・一穂会西山病院グループ(浜松市西区)
地域医療連携センター発足&紹介患者受け入れの迅速化⇒病床稼働率98%

・鶴友会(熊本市東区)
ICTで病院と老健施設の事務統合により職員15人が半減

・社会福祉法人慶成会(浜松市西区)
5Sで水道光熱費を年間3700万円削減

・アオアクア(株)(東京都江東区)
スマホの音声入力で残業が10時間減少

2.徳島県の病院にサイバー攻撃、患者受け入れ停止

徳島県つるぎ町立半田病院(120床)は10月に電カルシステムのサーバーがランサムウェアによるサイバー攻撃を受けたとのこと。直近だとNVIDIAやブリヂストンへの攻撃があったニュースも聞きましたね。

ランサムウェアを受けてしまうと、①暗号化されたデータ修復のため身代金を支払う②(バックアップがあれば)企業側で復元する③データを諦めるの3つの対応になります。

データがもとに戻れば良いものではなく、機密情報や顧客情報であった場合に重大な損失を(社会的信頼の失墜も)被ることになります。「ウクライナ支援の架空サイトからランサムウェア感染」というニュースもあり、セキュリティー関係は今後も企業・病院だけでなく個人でも注意しなければならないテーマになっていますね。

3.介護事業者の科学的介護情報システム(LIFE)

はじめて聞いた名前です。簡単に言うと、「介護に関する入力データをもとに現状の可視化をすることで、介護計画書へ行動として反映させるなどの行動に繋げる(PDCAサイクル)」ことを厚労省が打ち出し、そのシステム名がLIFEとのことです。

厚労省のサイトを見ると、しっかりコンセプトが固められている気がしますし、現場の人たちの役に立つものにできるという思いには共感いたします。まずはただの記録から脱却し、次のアクションに活かすための分析に入れるようにするのは大事ですよね。

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<引用 厚生労働省 科学的介護情報システム(LIFE)について

しかし、"現状"の実態は全く伴っておらず現場の混乱を招いているようですね。

・4月に導入されたがシステム障害が多発
・介護記録ソフトがない施設ではデータ入力の作業が負担
・フィードバックされるのは、集計値の羅列のみ。イメージで掲げるような図やグラフがない。
・12月には厚労省がインターフェースの変更を打ち出し、介護記録ソフトベンダーが対応に追われている。

導入初期なのでこうなることもよくありそうですが、この負担や反発心によりLIFE自体が今後活用されないことにならないと良いですね。

ただでさえデータ、分析と聞くと拒否反応を示す方々もいらっしゃると思いますので、どうしたら役に立ちそうと思ってもらえるか?どうしたら活用が定着していきそうか?を考えていくことが重要だと改めて思います。

以上です。

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