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【Life】僕の育休について

令和6年4月末の某日、第一子である娘が誕生した。
それに伴い、僕ら夫婦はほぼ1年間の育休を取得した。育休を育児のための仕事期間と取れば無休で働き続けるわけだが、もっと楽観的に見るならば300日超の人生最長の休暇が爆誕したわけである。

今回はそんな育休の取得から、期間中の暮らし、育児に対してのちょっとした考え方まで書いていたい。


育休と仕事

育休の取得について

妊娠が発覚したのは2023年の9月末ごろ。この時には、妊娠の高揚感と漠然とした不安から、育休については殆ど考えていなかった。更に、妊娠初期は流産をはじめとしたリスクが高く、自分たちの気持ち的にも具体的な予定について考えている余裕はなかった。
そして本格的に育休について考え始めたのは同年12月ごろからだ。

当初はネットの記事を参考にして、だいたい3か月くらいの取得を考えていた。(この3か月という期間に具体的な理由はない。)
ただ、後ほど書いた理由を考慮し、妻や上司とも相談した結果、2024年1月ごろにはほぼ1年間の育休取得をすることを決めた

具体的な期間は以下の通り。
①2024年4月末(出生日)~同年5月頭
②2024年6月頭~2025年4月末(出生日前日)

まず①は産後パパ育休という、生後8週間までの間に合計で4週間取得できる期間の分だ。これは2回まで分割可能で取得でき、僕は生後すぐ2週間、1か月の就労期間ののち、もう2週間取得した。
ちなみに②はその後半の2週間と、育休分を連続取得した期間であり、日数にして322日、週数にして46週に及ぶ。

1年間取得の理由

育休と育児について調べていくにつれ、様々な点で長期の育休を取ることによるメリットが浮かび上がってきた。

  • 乳幼児期の愛着形成の重要性、そしてそれに関われること

  • 良好な夫婦関係を築けること

  • 仕事に(そこまで)影響しないこと、等

乳幼児の発達についての本を読んでいると、2,3歳までに完成する愛着形成が、その後の成長に大きく影響するらしい。素人ながら、安定した親との関係がその後の人間関係において重要な役割を果たす、というのは十分に理解できる。
そのうえで、母親が果たす役割はとても大きい。なんてたって子供をつくり、産み、大きく育てることができる唯一の存在が母体である。この場合の母親である僕の妻は人間的にも尊敬でき、だいたい何でもうまくこなせる人間なので、子育てについて特段不安はなかった。ただ育児という未知の仕事に取り組むうえで、周りの助けが多いに越したことはない

そこで支えたりうるのが父親の育休である。子供と多くの時間触れ合うことで直接的に愛着形成に関わることができ、母親である妻の支えにもなれる。ひいては今後の安定した夫婦関係をより確実なものにできる。夫婦関係を良好なまま維持したい、子供に健康に育ってほしい、そう思わない父親が果たしているだろうか、いやいない(そうであってほしい)。

仕事との兼ね合い

働く男性にとって、仕事こそが育休取得を妨げる一番の要因だろう。ネットにあまねく様々な記事を読んでも、男性が考える育休取得の懸念理由のほとんどが、仕事にまつわるものだ。詳しくは、下記のリンクを参考されたし。

僕の場合は、これらに書かれている「育休を取得しづらい雰囲気」「職場、顧客への影響」「キャリア、収入への不安」は殆ど感じなかった。周りには1年とはいわずとも半年は育休を取っている社員がいたし、自分一人で抱えている仕事もなく(そもそも大した仕事ではない)、給料はそんな高くないし別にキャリアアップも望んでいない。あと、子供が好きだ。

これらの理由が1年間の育休取得に舵を切った理由なのだが、ただ人によって状況は千差万別だろう。エリート街道まっしぐらでキャリアアップガチ勢、ガンガン稼いでいるサラリーマンとなればそうはいかないはずだ。僕の場合は、たまたま1年間の育休をとることを妨げない環境にいただけ。とはいえ、これからの時代は育休をとる男性も多くなってくることだろう。常識はあれよあれよという間に変わるものだ。

育休中の暮らし

1日の流れ

起床や睡眠のタイミングは日によって異なる。なので、生後4か月時点での我が子の平均的なタイムスケジュールを記す。

4:30 起床、授乳
5:00 就寝
7:00 起床、授乳
7:30 就寝
9:30 起床、授乳、遊ぶ
13:00  昼寝
14:00  起床、遊ぶ
16:30  授乳、遊ぶ
19:00  入浴
21:00  授乳
22:00  授乳の流れで就寝
※おむつ替えは1日10回ほど。
※完母を目指しているが、外出時などにはミルクをあげることもある。

1日詰まっているように思えるが、意外と空き時間はある。これらの空き時間を活用し、自分たちは食事をとったり運動、読書などをしている。育休を取りずっと一緒にいることで、父親である僕にも人見知りすることがない。なので、妻が長時間外出していてもグズらないのでとても助かっている。

家事の分担

我が家ではもともと厳密な家事の分担はしていなかった。なので、子供が産まれた後もかっちり決めず、できる方ができるときにやるというスタンスを貫いている。ただ、それぞれ向き不向きや、完母ということもあり妻が動けない時間も多い。なので、事実上下記のような分担が出来上がっている。

自分…料理、皿洗い、洗濯、掃除、片付け
妻 …授乳、寝かしつけ、子供関係の書類申請
共通…おむつ替え、備品補充、子供との遊び

大まかにはこういった分類になる。ただ、先ほども書いたように、できる方ができるときにやるスタンスなので必ずしもこの通りではない。

育児以外のこと

二人で育休に入ることのメリットのひとつとして、それぞれの時間を作ることができる、ということがあると思う。
一人ではそれこそ子供に忙殺されてしまう。それに加え、普段から子供と関わっっていない父親が家にいたとしても、子育ての戦力としては頼りない。それが、父親が普段から家にいて子供と関わっていることで、単純計算で戦力は2倍、それぞれの負担は1/2となる。それで余った時間を、お互いの好きなことに使えるのは非常に有意義なことではないだろうか。

まず自分についていえば、まず読書に没頭することができている。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』という自己矛盾的な新書が話題となったが、322連休の自分にとっては高みの見物だ。地元の図書館に通い、育休取得からの3か月で25冊の本を読んだ。(もちろん子供の面倒を見ながら読むこともある。抱っこ紐で家中を徘徊しながら本を開くなど日常茶飯事だ。)また、前々から取り組みたいと思っていた英語の勉強も始めることができ、つい先日TOEICの試験も受けた。他には、趣味だったランニングに本格的に取り組むことができ、初めて月間走行距離が200㎞を超えたなど、普段以上生活が充実している。
そして妻は、駅前のヨガスタジオに週1,2回ヨガに通っている。1回あたり2時間ほどで、たっぷり運動して汗をかいて帰ってくる。他には趣味のカフェ巡りや、気になるお菓子屋さんに通っている。また出産で崩れた体のために整骨院に通ったりなど、おそらく充実した生活を送っている(だろう)。

保活について

ちなみに、保活についても少し述べておきたい。保活=保育園活動、つまり保育園を探し、それに応募するという一連の作業を指す。1歳以降も家で子育てをする方には関係ないかもしれないが、我が家は来年から共働きに戻るので、なんとか来年の4月から入園できる保育園を探さねばならない。

0歳は保育士1人当たりが見ることができる子供の数が3人と決まっており、それ以上の年齢に比べ定員が少ないところが多い。自分たちの住んでいる自治体は待機児童は少ないようだが、それでも希望通りの園に入れるという訳ではない。ただ園の希望は提出するので、市内に数ある保育園を見て回りその雰囲気や待遇を比較するだが、いくつも見学して検討するのは容易ではない。それぞれの保育園に電話し見学の予定を取り付け、当日は懸念事項をもれなく聞き出す。申請するとなっても、用意しないといけない書類が山のようにあり、既に嫌になっている。

育休のデメリット

ここまで育休取得に対して良い面だけを述べてきたが、もちろんデメリットもなくはない。ここからは、育休を取得してから気づいたデメリットについて書いていく。

収入が減る

当たり前だし、もちろん分かっていたが、やはり収入減は育休に関わるうえで一番大きなデメリットだった。詳しくは、分かりやすくまとめてある下記のリンクを参照していただきたいが、だいたい手取りの6~7割になる。育休取得から180日を超えてからは更に下がる。

これに伴い、それまでの水準のまま生活することは難しくなる。もともと自分たちは趣味や旅行に使うお金が多かったので、収入が減るとなるとそれらは我慢しなければならなくなってくる。
また普段の生活の中でも、それまで以上に食費、光熱費、交際費などを切り詰める必要が出てくる。それ以前の水準を維持しようとするなら、ある程度の貯金が必要となるのは言うまでもない。

ただ現に収入が減ったいま、何もできないかと言えばそうではない。生活が大きく変わり、旅行だったり趣味だったりに時間を割くこと自体ができなくなるので、金銭的にも抑制される。また行動範囲も狭まるので、お金を使うイベント自体が少なくなり、結局収支は変わらなくなる印象だ。

社会とのかかわりがなくなる

育休を取る男性の多くが懸念しているのがこのデメリットではないだろうか。会社員として毎日のように職場に出ていると、否が応でも誰かと話すし、ある程度広い社会の中で生きることになる。それは、人によるかもしれないが、人間として喜びの一つだろう。(もちろん狭いコミュニティが好きな人は一定数いて、そういった人は他人と関わらなくていいことを喜ぶだろうが。)

確かに、自分も一抹の寂しさや、社会から置いていかれるような感覚は多少なりはあった。とは言え、落ち着いて考えてみるとたったの1年だ。自分が働いているときの1年を思い返してみると、あっという間すぎて経ったことにすら気づかないほどだ。(個人差はある。)

それよりも先ほどの段落で書いたように、二人で分担することでそれぞれのやりたいことをやれているという充実感が勝るのではないかと思う。それだけでなく、可愛い我が子と1日一緒にいて、些細な成長を一緒に喜べることの方が、生物として本能的かつ最も強い喜びを感じられるのではないかと思う。

まとめ:誰だって育休をとろう

家族は大切だ。
そんなこと人に言われなくてもわかっていると思うが、改めて子供を見ているとそれを実感する。自分の生まれ育った家庭環境にトラウマや不満がある人もいるかもしれないが、それを反面教師として理想的な家庭を築くことができるというのは、何よりの自己実現になるのではないかと思う。

それに加え、子供はあっという間に大きくなるし、思いのほか正直で、嫌なほど親に似る。そんな子供に対して、仕事をしながらの片手間でいていいものだろうか。

自分しかできない仕事がある、仕事が自分の生きがいだ、仕事で名をあげることが自分の人生を成就させる。そういう意見があるのもわかるし、たまたま自分がそうでなかっただけで、会社や役職によってはそう思っていた可能性もある。

ただ、今この立ち位置で、こういった状況に置かれたからこそ、育休取得は誰にでも必要であると改めて実感している。子供は宝だと思う。その宝を磨き上げるのも、自分にきらめきを与えてくてるのも、どちらも自分自身の貢献次第なのだ。

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