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D2Cの考え方を学び、老舗パン屋の運営で活かせるところをコピーする

5月くらいからWebディレクションで参加している案件で『D2C』というキーワードが出てきました。

『D2C』。なんとなく言葉は聞いたことがあるが、よく意味がわかってないワード。ちょっとこのままだとプロジェクト参加してても話通じなくなっちゃうな、まずいな、ということでこちらの本を読みました。

『D2C「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』

D2Cって何?っていうところの大枠を理解するのに良い本でした。今勢いのあるD2Cブランドの事例なんかも豊富に書いてあってわかりやすいです。

一方、現在の小売業者は全てが全てD2Cになった方が良いかと言われると、決してそんなことはないなというのが正直な感想です。D2Cの良きところはどんどん取り入れていき、その上で現在のBtoCなりCtoCを極めていくのが良いのではないかと思います。

こういう時の考え方としては、甲本ヒロトのこの言葉を思い出します。

ギターのテクニックをコピーするんじゃなくて、
アイツがあの音を鳴らす時の"気持ち"をコピーするんだ。

上部のテクニックを真似するのではなく、実行している店舗の感情をコピーすることが大事。


ということで、今お手伝いしているスイートさんで何か活かせないかしら、取り入れられそうな点をちょっと考えて実行してみました。


「プロダクト」ではなく「ライフスタイル」を売る

D2Cブランドはプロダクト「だけ」を売っているのではなく、そのプロダクトを利用して何ができるか、というストーリーを売っています。

例えばマットレス販売のGasperの場合。
単純にマットレスだけを売っているのではなく、Gasperのマットレスを利用することにより素晴らしい睡眠を得ることができ、素晴らしい睡眠を得ることでどのような素晴らしい生活をおくることができるか、までを提供しています。


🍞スイートではどうするか?🍞

パンを買う事でどんなライフスタイルを提供できるか考えてみます。パンは買ってそのまま食べるのが普通だと思いますが、買った後どう食べるのかの提供をしてみようと思います。

例えば食パン。食パンの食べ方のバリエーションを伝えます。スイートでは食パンを使ったアレンジレシピを動画で公開しています。

買った後お客さんにどうしてもらいたいか、を考えながら動画作りました。ぜひご覧ください。



過剰なまでの透明性と環境配慮

サンフランシスコ発のD2Cアパレルのスタートアップ「Everlane」では、『過剰なまでの透明性』と『徹底した環境配慮』というメッセージを掲げています。

アパレルの場合、売れ残った服は通常廃棄されるようなのですが(日本でも10 - 30億着/年 が廃棄されているそう。)
また、環境問題でもマイクロプラスチックや染料を下水に流している等様々な問題を抱えている。

Everlaneでは、商品画像の下に工賃や材料費など商品の原価を示した「transparent pricing」というイラストが表示されています。(画像参照

また、See all factoryというページがあり、工場の様子を見る事ができます。

https://www.everlane.com/factories/tees-sweatshirt

廃棄問題については、「Choose What You Pay」という取り組みで、売れ残った商品を販売しています。

物が溢れている現代では、「何を買うか」よりも「どこで買うか」が重視されている気もします。似たものであれば、より環境に良いもの、世のためになるものを選ぶのも当然ですね。

🍞スイートではどうするか?🍞

スイートも環境問題には取り組んでおり、パンの包装紙はエコな素材のものを利用しています。そのあたりをうまく表現する必要があるなと。なるべくレジ袋削減のためにエコバックを販売したりしています。

あとは廃棄パン。スイートの場合はSWEET WORKというコワーキングを運営しているので、余ったパンはこちらのコワーキングでフリーパンとして振舞われています。

また、スイートは大々的には謳っていないのですが、営業時間後にパンを値下げして販売しています。パンの場合その日のうちに食べてもらいたいというのがあるので、ここら辺の取り組みをうまくやる必要があるなと思いました。


非効率な「ムダ」がブランドを生む

D2Cでは顧客は伝道者(エバンジェリスト)となる。つまり好きすぎて周りの方々に紹介してくれるという事ですね。

リッツ・カールトンの従業員マニュアルには、本当に心に残るサービスというのは、機能的であることに加えてミスティーク(魔法)が必要であると書かれているそうです。

ミスティークは経済合理性との距離が離れれば離れるほど良い。一見ムダなことが顧客の心に響き、それが口コミで伝わっていくようになります。

🍞スイートではどうするか?🍞

最近はプロダクト(パン)だけではなくスタッフを紹介するようにしています。動画を利用しスタッフの人柄を伝えることで、お店を身近に感じてもらえると良いなと思います。

カレーパンロックを歌ったり

スクリーンショット 2020-08-03 17.05.02

スタッフ手書きのイラストをサイトに利用したり。
商品を使ったアレンジレシピをスタッフが作ったり

遊びココロやムダなことをして、お客さんに少しでも楽しんでもらえたら良いです。


「売る」から「一緒に作る」へ

コスメブランドのGlossierのCEOエミリーワイズは、顧客を『共創者』であり『共謀者』であると発言しています。

GlossierはInstagramやTwitterのコメントに頻繁に返信し、顧客を製品開発担当のように扱っています。実際にMilky Jelly Cleanserという商品の発売の際には顧客の声を取り入れて制作しています。

また、顧客の中でもクオリティの高い投稿をしている方や、長く使ってくれている方をGlossier Rep(営業担当)という称号を与え、その方々がSNSで紹介するとクーポンが届くという仕組みになっています。まさに顧客と一緒に製品開発や営業活動を行い、しっかりと報酬も与えているのです。

🍞スイートではどうするか?🍞

スイートは100年続くだけあって、長く愛してくれているお客さんがたくさんいます。

お客さんと一緒にパンを作る、大好きなパンの投票をする、昔販売していたけど今は販売していない商品を商品化する(人気のあるもの)などなど、お客さんが望んでいることがある気もするので、その声を拾うところから始めたいなと思います。(ここは今後。)


エンジニアリングの重視

D2Cはエンジニアリングを重視します。(というかデータを重視するので、データ収集にエンジニアリングが必要)

- お客さんは何人訪れた?
- 何きっかけで訪れた?
- 何分滞在した?
- 商品は何を買った?
- 合計いくら買った?
- 購入者の家族構成は?
 - 今日は初訪問の方が多かった?リピーターが多かった?
- この方はいつもより多く買っているけど、何かあった?
- いつもより食パンが多く売れてるけど、きっかけは何?

・・・などなど、データから予測できることがたくさんあります。

D2Cマーケティングでは、「パフォーマンス・マーケティング」という手法が一般的なようです。

デジタルでの測定では、インプレッション数やクリック数、インストール数など、膨大なデータからユーザーが興味を持った要因を数値化して測定することが可能となります。

こちらのデータを分析して販売につなげていくマーケティング手法のことを「パフォーマンス・マーケティング」と呼ぶようです。データを活かして効果を最大化することですかね。

🍞スイートではどうするか?🍞

正直この部分が弱いところであり、そこに私がいる意味があるのかとも思っているので、今後データを取得していくことを大事にしていきたいと思います。と同時に、どこかでプロの力も借りる必要があるかなと。。勉強していきたいと思います。(ここも今後)


以上です。

ということで、D2Cについて学び、考え、スイートではどのように生かしていくと良いかをまとめてみました。

🍞スイートではどうするか?🍞」の箇所がまだ弱いので、ここは徐々にブラッシュアップしていく必要があります。これからの課題として頑張りますので、引き続きよろしくお願いします。


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