働く目的を考え直す(♯はたらくってなんだろう)
先日、娘(小6)に、人は何で働いているのだと思う?と聞いてみたら、こう返ってきた。
「社会を作るためでしょ。それ以外、考えられないじゃん。」
こういう答えがさらっと返ってきたことに嬉しさを覚えると同時に、頭を過ぎったのはこのニュース。
なぜこんな悲しい状態になってしったんだろうか。
それはきっと、本来の働く意味・目的を見失ってしまっているからではないか、考えることを辞めてしまったからではないか、そう思えてくる。
実際、自分の職場を中心に周りを観察してみると、多くの人が”生活の為”と割り切って淡々と働いている人が多いように感じる。
このスタンスで仕事に臨むと、上司からの評価や社内における評判を気にしながら働くことになる。
判断基準が社内になる為、行動が全て内向きになる。
方針や指示に対して疑問は感じても、問い返すことはせず、従順に従っているかのように振る舞う。
例え表立った成果が出なくても、自分の立場が危うくならない限り一定の給料は貰える。毎日が平穏に過ごせて家族を養えればそれで良し、と割り切って働くようになる。
彼ら/彼女らは、下手に自分の判断で行動し、失敗でもしたなら責められ、組織における立場が危うくなり平穏に過ごせなくなることを知っている。
こういう人は、働く明確な目的が見つけられないが故に、生活の為という安易な目的にすがり、自分に言い訳をする材料にしているとも言える。
しかし、その毎日は決して楽しいものではない。むしろ閉塞感で満たされてしまっている。でも生活の為だから仕方がないと自分に言い聞かせながら、俯き加減で仕事に向かう。
多くの会社はこんな状態ではなかろうか。
一方で、数は少ないものの、仕事を通じて何かの役に立ちたい、意義のある仕事をしたいと真剣に考えている人が、どんな組織にも多くはないが必ず存在する。
正に、私の娘が言ったように「社会をつくるため」に働こうとし、その仕事に関われることに誇りとやりがいを感じるような人たちだ。
”生活の為”と割り切って働く人で覆いつくされてしまっている組織の中にいても、その波に飲み込まれず、なんとか自分の思いを果たしたいと葛藤を抱えながらもその可能性を追いかけながら活動する。
売上をあげろ、効率をあげろ、そんな掛け声ばかりが上から降り注いてくる組織。その言葉には、社会のためという意義のある目的は全く感じない。それらは全て自社の為(自社の存続の為)だ。
組織のトップが自社の為の言葉を発し続け、自社存続の為の目標達成を社員に求めている限り、そこで働く人々の視線も内向きのまま、自分の為に(自分を守る為に)働き続けるだろう。
まずは、トップの意識を変えなければならない。
トップの発言を変えなければならない。
そこで働く社員の目線が「社会」に向くようなメッセージに変えなければならない。
自分の娘が成人し社会に出た時に、やっぱり仕事は”生活の為”にと、目の輝きを失って毎日を過ごす姿を決して見たくはない。
社会を変えるのは組織であり、組織のトップに立つ者は、その責任がある。
今一度、ドラッカーの言う「組織の果たすべき3つの役割」を再び認識し(考え直し)、行動に移してほしい。
1.自らの組織に特有の目的と使命を果たす
2.仕事を生産的なものにし、働く人たちに成果をあげさせる
3.自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに、社会的な貢献を行う
みんなで組織を変えよう。社会を変えよう。
そして素晴らしい未来をつくろう。
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