10年前の河村たかし政治塾の話8(リチャード・クー編2)

河村たかし政治塾のリチャード・クーの講義は、すべて図解で、後は、それを見ながら、講義するという形態でした。

だいたいクー氏の本に書かれている内容を少し面白くかつ、分かりやすく話していました。

日本は1990年9月を実質GDP100とすると、

今は、約117で、

土地(市街地価額指数)の値段は、100とすると、

今は、13である。

なんと、土地の値段は、現在でも、87%も、下落していて、

失われた国富は、株と不動産だけで、1500兆円に至り、GDPの3年分に達している。

ブラックマンデーの大恐慌でも、米国が失った富は、GDPの1年分だから、

日本のほうがはるかに深刻な打撃をこうむったことになる。

しかし、日本は、市街地価格指数が87%も下落するなど資産価格が暴落したにもかかわらず、

GDPが拡大を続けている。

世界では、バーナンキを始め、クー氏のバランスシート不況が認識され、

今まで、日本はというと過去の遺物扱いだったが、

この頃、やっと、世界はこの事実に気付き、日本をモデルにしている。

それは、バランスシート不況を日本がうまく切り抜けたのは、

マクロ経済的に見た貯蓄を政府が使ったからだと指摘している。

税収が落ちたのに、政府は逆に歳出を増やした。

それが、GDPの拡大をもたらしたのであり、もしも政府が国債を発行して公共事業などをしなかったら、

GDPは半分になったり3分の1になっていただろうという。

政府支援で維持された90~05年の累積GDPは、2000兆円という。

その間の政府支援は、460兆円であり、物凄く有効に使われたと解説している。

その証拠に、「緊急G20」で日本の成果をときの総理大臣が世界同時に財政出動すれば、効果がある旨を説得し、理解を得られ、合意し実施した結果、V字型回復をしたという。

土地本位の日本の国で87%も、不動産が落ちて、GDPが拡大したのは奇跡であると語っていた。

かつての常識である金融緩和をしても、不況は脱出しない。

量的緩和は、すでにしていて、日本では、バブル期の約3.5倍のマネタリーベースがあるけれども、国内銀行貸出金は、22年前と同じである。

量的緩和の金融政策では、解決しないことは、マネー関連指標から明らかであり、人類はまったく新しい不況を経験している。

それをバランスシート不況という。

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