【ポパー哲学入門 科学的・合理的なものの見方・考え方 高坂邦彦著】4
(第一章 ポパーの科学論)
3、探求の過程(推測と論駁)
認識のバケツ理論とサーチライト理論
ヒュームの理論によれば、われわれが法則の認識をすることができるのは、類似の事象の反復によって規則性を期待する傾向がわれわれに生じるからなのである。つまり、自然そのものが、われわれに法則を与えるのである。われわれは、単にそれを受容するだけの、いわば空っぽのバケツのようなものなのだ。ポパーは、これを、いってみれば「バケツ理論」とでもいうべきものであるといって、次のように批判する。