最近の注目マンガ「目の前の神様」「普通の軽音部」「続テルマエ・ロマエ」/バブル崩壊と世界恐慌後の経済回復/ドイツとイスラエルの軍事関係

2月26日(月)晴れ

起きたのは4時前だったのだが(昨日は9時前に寝落ちした)気温を見たらプラスだったので暖かいのかなと思っていたが、最低気温もやはり0.1度でそんなに下がっていない。結構寒いことは寒いので、こちらの体調の問題かもしれないのだが。

朝起きていろいろと考えを整理しながらノートにまとめたりして、5時過ぎに車で出かけて作業場に未使用のノートを数冊取りに行き、セブンまで車を走らせてスピリッツとジャンプを買って帰った。考えをノートにまとめていたらスケジュール帳に水道代の令書が挟まっていて期限が過ぎていたのでついでにセブンで払った。

帰ってきて朝の時点での考えは大体まとまったのだが、とはいえこれは全体的なことに過ぎなくて個別のことはこれから詰める、みたいな話だからそれもやらないといけないな、と思っているうちに疲れてきてゲームをしたりネットを見たり。まずはそんな時に読むマンガの話から。


最近始まったマンガで面白いと思っているのでいえばやはりジャンププラスのものが多く、一つが月曜日更新の「目の前の神様」という作品。これは藤井聡太八冠のような圧倒的な実力者と同世代に生まれた棋士・大刀遥一郎(おおだち・よういちろう)が主人公で、調子に乗りやすくプレッシャーに弱くメンヘラ気質も持ち、独創的な将棋の才能の持ち主でありながらいまいち自分に自信を持てない、という主人公の話で、将棋の話というと奨励会の話などはよく読むのだが、一人に一方的にやられて「だらしない」と言われる世代のいわば逆襲の物語でもあり、ギャグ基調の中にアツさを見せる正統的ジャンプマンガという感じもあって、期待したい。

もう一つは、何回か書いている「ふつうの軽音部」。連載が始まってから欠かさず読んでるが、やはりテンポがいい。いい意味で大阪的なボケとツッコミ。厘ちゃんの天才的なボケぶりが楽しい追随を許さない。単なる腹黒キャラでなく好きな音楽への熱狂みたいなものを持ってるところがいいんだろうと思う。

これは前回の話だが、自ら陰キャ代表を名乗る矢賀ちゃんが推してるのがアップデート堀井という地域タレント?なのが流石というか陰キャオタクでさえウケを狙うという大阪の底力を感じた。

この作品は原作者のクワハリさんによってもともとジャンプルーキーで連載されていて、作画に出内タツオさんを迎えてジャンプラで正式連載ということになったらしい。ジャンプルーキーの絵柄も味わいがあるのだが、やはり商業誌では出内さんの漫画っぽいキャッチーな絵があってるなと思う。物語の根幹を生かしながら、細部の脚色や演出を加えてさらに面白くなっているなと思う。

そしてこれは、あえて取り上げるまでもないような作品なのだが、ジャンププラスで連載になったということ自体に驚きが起こっている「続・テルマエロマエ」。

毎週連載で毎週30ページ以上のボリュームを読めるというのはすごい感じだが、毎回温泉や日本式風呂の素晴らしさが解説されるという面白さは変わっていない。私も全巻持っているが、この機会にちょっと読み返してもいいかなと思っている。前作の連載は2008年から2013年なので、11年ぶりの新作ということになる。作中の主人公ルシウスは25年くらい歳をとっている感じだろうか。

あとは最近最終回を迎えた「死にたい魔女と殺したい店主」も面白かった。魔女を巡る謎の話、最終回で「俺たちの戦いはこれからだ」的に終わってしまったのは残念だったが、続きを読める機会があると良いなと思う。



日経平均、バブル後最高値が更新され、さまざまな意見が出ているけれども、この記事で注目したいのは、1929年の世界恐慌で9割落ちたニューヨークダウが元の水準に回復するのに25年かかったという話。1954年はアメリカが第二次世界大戦を戦い、そして復員後に世界の回復需要を引き受けて繁栄した黄金の50年代の最中である。日本のバブル崩壊の深刻さも世界恐慌に匹敵するものだったと考えれば、株価回復も喜ぶべきことだと私は思った。


それから、特に最近意識するようになったイスラエルとドイツの関係について、この記事が参考になるなと思った。

1951年にイスラエルが「ホロコーストの賠償」をドイツに要求し、ドイツは翌年「ルクセンブルク補償協定」を結んでイスラエルに人道的な補償を支払ったが、その中には軍需にも使える物資が含まれていたのだという。

西ドイツ首相のアデナウアーは、1957年から国交がまだないなかでイスラエルの軍事支援を極秘で進め、その中には機関銃から高射砲、対戦車砲、戦車、潜水艦を含んでいたともいわれていて、「イスラエルは西ドイツとの接近と和解によって中東紛争を生き延びることができた」といわれているのだという。イスラエルの軍事化に協力することは、西ドイツ側にとっても軍需産業を再興させ、経済を復興させるという目的にかなうもので、ドイツ憲法に反するこの状況は明るみに出るまで続けられたのだという。

そのあと、歴史認識問題(ドイツでは歴史家論争)についても書かれているが、1986年の第一次論争、2021年に始まる第二次論争などについては、また考えてみたいと思う。

昨年にはロシアのウクライナ侵攻の状況下でドイツの防衛のためにイスラエルの防空システム「アロー3」を購入したのだといい、こうした深い軍事協力の存在は、「イスラエルに貢献することによるドイツの贖罪」という物語を成立させるとともに、ドイツがイスラエルを批判できない基盤を形作っているとも言えるのだなと思った。

アメリカももちろんイスラエルとは軍事的に強い協力関係にあるのはもちろんだが、こうした関係にあることでガザ問題など人道問題に対して批判の矛先が鈍る、それ以前に批判自体を封印する、という関係になってしまっているのはあまり健全ではないように思う。

特にイスラエルが全く問題のない国家であれば別ではあるが、数十年に及ぶ抗争の歴史を持つとはいえ、実質的に支配下に置いているガザや西岸でパレスチナ人たちを非人道的に扱っていることは国際法上の基準やドイツやアメリカの本来の基準で許容できることではないはずで、現状はやはり変えていくべきことであり、特にイスラエルの政権の暴走はなんとかしないといけないことだろうと思う。

ドイツの戦争責任問題についてはユダヤ人のホロコーストのみが取り上げられるが、占領地での処遇の問題や、スラブ人の虐殺、ロマ(ジプシー)の虐殺などの問題もあり、そこを際立たせないためにホロコーストに焦点を当てているというある種の戦略もあるような感じはしなくはない。しかしガザの現状を見ていると「ホロコーストの唯一無二性の神話」なども説得力があやしいものになってしまうのではないかとも感じるし、その神話についてはもっと相対化しないといけないとは思ってはいたがこんな形でなされることはよくないので、どうにか戦闘が中止されるようにと思うばかりではある。


最後が暗い話になってしまったが、今日は元々が二・二六事件から88年という日。世界も日本も平和であることを祈りたい。

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