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桜が咲くころ

毎年、この季節になると君のことを思う。
僕にとって桜が咲く季節は特別なものだ。

高校の入学式の春、学校の近くの公園で君と出会った。
同じ制服を着て道に迷っていた僕に声をかけてくれた。「〇〇高校ならココを曲がって真っ直ぐ歩いたところです」。それが君との初めての会話でした。
春の風がそよそよと彼女の髪をなびかせ、君は雲ひとつない空を見上げた。
その横顔があまりにも美しく、一目惚れをした。

クラスは違ったけど、クラブ活動が一緒だった。
写真部に2人揃って入部した。ペンタックスのフィルムカメラを僕は持っていて、よく風景の写真を撮っていた。彼女はどうやらカメラは初めて触るらしい。2人1組になって街を歩きながら写真を撮るという課題を出され、彼女と組むことにした。

「どこに撮りに行こうか」と彼女はつぶやく。
「初めて僕と君が出会ったあの公園はどう?まだ桜は散っていないと思うよ」。と僕は言い、日曜日の10時に公園で待ち合わせをすることになった。

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