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まずは仕事そのものを評価されたかったから 【プロ資格マニアの軌跡】

私が「自宅でできる仕事」を選んだのは、闘病や介護などの事情があったためです。ただ、初めの数年間は「そのような事情とは関係なく、自分の仕事がどこまで認められるか頑張ってみたい」と思っていました。そのため、さまざまな事情は明かさず活動していました。

趣味で作ったWebサイトが仕事のきっかけ

HTMLタグの勉強をするために自分で作ったWebサイトは、プロバイダ側の都合により移転させたことはありますが、今でも存続させています。

メインは「HTMLタグの勉強」だったので、書く内容は笑い話や雑学など肩の凝らない話でした。

やがて、メニエール病患者さんのための情報コーナーを設けることになりました。

このWebサイトを見たい人から
「あなたの文章力はわかった。今、私がディレクションしているWebサイトに文章を書いてくれる人を探しているので、仕事として受けてもらえませんか?」
とお誘いがあり、ライターという仕事に興味を持ったのです。

編集用語など何も知らない私は、ある公的機関が開催していたライター養成講座に参加し、慌てて必要な知識を詰め込んで仕事に臨みました。この講座に参加したことで、今でも師と仰ぐ方との出会いがあったので、とても感謝しています。

まずはライターとして、文章を認められたい

在宅仕事という道を選んだ私が、一定の成果を上げることができたら、同じように病気で苦しんでいる人に何か伝えることができるかもしれない。実際、主治医の先生方と、そのような話をしたこともあります。

ただ、私の中には「病気だから」「介護をしていて大変だから」と大目に見てもらうのではなく、「きちんと仕事ができる人」と信頼されたい思いがありました。

そこで、ライター、個人事業主としての活動と、患者さんのための活動を完全に切り離し、仕事の関係者には事情を一切明かさずに案件をお受けしていました。4,5年はそのような形で活動していました。

クライアントのチェックが厳しくなる

このところ、有名人だけでなく一般の人でも、ネット上での発言が取り上げられ「炎上」の状態になることが、繰り返し報道されています。

「炎上」という言葉そのものは10年以上前からあり、いったん炎上した人の記録は、延々とネット上に残り続けてしまうことも、ネットが好きな人や、フリーランスでネットを頻繁に利用する人は、警戒していたでしょう。

10年くらい前には、名前を出して活動しているフリーランスについて、クライアントがチェックしてから、正式に依頼されるということも増えてきました。

そのため、私が趣味とボランティアで運営しているサイトのことも、クライアントに伝わることになります。クライアントから「こういう活動のことは、むしろPRしたほうがいいですよ」とアドバイスいただいたこともありました。

文章を書いて生きていけると納得がいったから

やがて、介護が大変になったり、私自身も体調を崩したりと、仕事も趣味のWebサイト運営も手が回らなくなる時期を経験しました。どうしても、原稿執筆の依頼を断らなければならない時期を経ても、続けてご依頼くださるクライアントにはとても感謝しました。

そして、「自分の文章や仕事を認めてもらうことができた」と納得することができました。

これまで抱えてきた様々な事情を明かすことが、誰かの役に立つと思えたときには、明かしてもいいのではないかと、少し方針を変えていくことにしました。

このように方針を変えたことが、セミナーや講演の依頼や、本を書くという活動につながったこともありました。

いったん決めたら納得するまで続けることの意味

フリーランスは、やりたい仕事にどんどん挑戦でき、逆にやめることも自由にできます。自由であることは大きなメリットですが、自由は迷走につながることもあります。

だからこそ「これだけは守ろう」という何か1つの軸を持っていた方がいいように思います。

その方針で納得いくまで頑張って、結果が出れば嬉しいことです。たとえ不本意な結果に終わっても、納得いくまで頑張った結果なら、なにか得るものがあります。しかし「まだやれるけど、やらない」という中途半端さがあると、得るものも中途半端になるでしょう。

セミナーやコンサルティングでは、このことを必ずお伝えするようにしています。

河野陽炎の本とコンサルティング


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