のれん東南アジア食堂マラッカ20191204a-koume-only

食堂に変えてみた

2015年から中崎町でカフェマラッカの経営を共同でやっていて、主に私がデザインと経理(事務)を担当していた。

2015年から「カフェ」マラッカとして営業していたが、近隣の中崎町のすでにあるカフェが強すぎて、後発の私たちではどうしても広告が追い付かず、しかも雑誌などには取り上げてもらえない遠方(天満側)にあったこともあり、ずっと「カフェ」としての苦しさがあった。

その苦しさとは「カフェ」として認識してもらえないこと

東南アジアのカフェというコンセプトそのものがまだまだ日本では周知されておらず、結局 中華料理屋やタイ料理やに間違えられることがずっと続いていた。マレーシアやシンガポールではホワイトコーヒーのチェーン店など星の数ほどあるのだが、日本人はその状況を知らない人が9割以上である。しかも中国語の文字で表示すると「中華料理」と認識する人がどれだけ多いことか。国と言語は一体であるという幻想も、日本人が持っている大きな誤解である。

中崎町と天満の境目で「カフェ」だと叫ぶ

ことは本当に意味がないことに気づいた。今年で4年が経過したカフェマラッカではいまだにカフェと認識してないお客様が多かった。

それならいっそのこと食堂みたいにカフェから離れてみるのもありではないか、というのが今回の方針転換である。

その理由となったのは、11/22-24に実施された2019年の一食即発(いっしょくそくはつ)というフードイベントである。

イベント参加者はバッジ(1000円)を購入する
食飲食店の参加店舗が、500円や300円で普段よりも安くフードやドリンクを提供
このイベントでカフェマラッカは完全にフードだけ(ラクサスープカレーのみ)を販売した。


するとどうだろう。オペレーションがすごく楽だったうえに、一番良かったのは、はじめから「東南アジアの料理を取り扱う飲食店」だと理解しているお客様だけが来たということだ。

このときにコンセプトがはっきりしているお客様が来てくださることがどれだけ自分たちにも得なことがおおいのか、よくわかった。

それで「カフェ」と冠しているが、「食堂」にします。

というわけで思いっきり方針転換を4年が経過した5年目で行うことになった。表の看板もカフェから食堂に変えた。色も黒ベースから黄色に変更中。来週には食堂らしく黄色の暖簾もくる。

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どのようになるのかはまったくわからないが、もしカフェマラッカがスタートアップだったらこれはピボット(方針転換)に相当する。片足は軸はそのままで、体の向きを変えることである。

って、飲食店はスタートアップの規模にはなりえない。

はやく飲食店を成功させてスタートアップをやりたいですね。


12/29追記

それで新しい看板になってみて、約2週間以上が経過した。

思いっきり食堂感をだしたら、本当に食堂メニューしか出なくなった。土日のカフェ客は当然減ったし、売上も30%程度落ちた。だがフードをメインに出すという方法を採用したことと、仕込みが圧倒的に減ったことが理由で、運営そのものはかなり楽になった。

カフェの看板を持っていたときは東南アジアかどうかなど全く気にしないお客様がいらしていたが、今回東南アジア食堂という名称を強化すると、最初から覚悟して東南アジア食堂に入ってくる人たちになったため、入店してから東南アジアは嫌です、というようなことはなくなった。(信じられないことだが、以前の外観ですら、東南アジアはいやだとか、アジア系だめという人が店の中に入ってくることは多々あったのだ。)

東南アジアカフェであることをはっきりと示すことでお客様へのアピールとフィルタリングを入り口でできるようになったことが一番良かった。またもともとカフェとは言い難い内部構造であったため、ラーメン屋みたいな飲食店であることが店の構造上は適切だった。今回マラッカ食堂にかえてよかったのかもしれない。

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以上


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