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日本のエッチな漢文の話まとめたやつ

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日本で書かれた、エッチな漢文まとめたやつです。 ちょっとでも漢文に興味を持たれる人が増えればと思い、ちょっとずつ訳してるやつです。
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記事一覧

日本のエッチな漢文の話③『大東閨語』9-18段

9. 平将門の部下と平貞盛の婦
平将門、平政盛を襲ひて大いに勝ちたり。俘虜中、平貞盛(政盛が嫡子)が婦有り。年少くして色美なり。営中の軍士は之を挑めども婦は泣きて従はず。軍士強いて之を奸す。強陽奮然として鷹のごとく挙ぐ。深く入れ浅く出だす。攻撃甚だ雄壮なり。婦、此に於いて精神接せざることを得ず。腰を舞し尻を躍らし快適、色に形はる。既にして婦、先づ大いに精液を漏らす。軍士咲ひて曰はく「君が匪石の心、

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日本のエッチな漢文の話④『医心方』「九法」

1. はじめに
 古代において性交は現代のそれとは、また、別の意味合いを有していたことだろう。当時において、子孫を残すことの意味合いは頗る重く、他方、その方法によっては生命を長くするとも考えられた。そのため、中国では古来、より長生きをするための性交の仕方も編み出され、それはたくさんの文献に見えるところである。これは房中術と呼ばれ、日本でも受容されていたようである。古代の医学書『医心方』巻第28「房

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日本のエッチな漢文の話③『大東閨語』1-8段

『大東閨語』とは全31話の漢文の色話である。歴史上の人物に題材を取ったもので、絵入りのものである。作者は不明だが、古来太宰春台とも、頼山陽とも言われる。題名の通り、閨における男女のやり取りが描写されている。(随時更新していきます)

1. 光明皇后と玄昉
光明皇后の帳中に仮寝したまふや、釋の元昉、乃ち掌を以て后の股を敲けば、后、笑を帯び輒ち股を張かせたまふ。元昉、敢へて御せずして、俯して熟づく玉尻

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日本のエッチな漢文の話②「鉄槌伝」

(前半に訓読文、後半に現代語訳と簡単な注釈です。)
書き下し文(書き下し文の()内は本文では小字で書かれた注です)
鉄槌伝
羅秦
前の雁門の太守
予は雁門の散吏にして過舎に閑居す。目を縑緗に寓し、心を文籍に遊ばしむ。鉄処士、名有りて伝無し。処士薬を嵩高に採り(嵩高山は仙霊神草多し)、身を袴下に潜む。老病痿躄にして出仕を好まず。是を以て前史欠きて録さず。夫れ以へらく我を生育する者は父母、我を導引する

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日本のエッチな漢文の話①『男女婚姻賦』

(前半に訓読、後半に現代語訳の順番で載せています)
書き下し文
男女婚姻賦 大江朝綱
至りて剛き人は男、最も柔き人は女なり。彼れ情感の交ごも通へば、父母と雖も禁御し難し。始め謀介を使はして、功みに舌端の妙を尽くす。継ぎて倭歌を以てして弥いよ心機の緒を乱す。原ねみれば夫れ形を尋ねて見え難く、声を聞きて未だ相はず。思は切々として笑みを含み、語は密々として腸を断つ。棋樹は庭に在り、貞松に対ひて茂らんこ

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