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広告振り返り:~3月総括編~


・3月の広告のあらすじ

・無料ガチャは1000連ガチャの時代に突入

 2023年3月の大きな事件としては、やはり無料1000連ガチャ、あるいは無料1001連ガチャを標榜した広告が多数登場した事だろう。
 それまでは魔剣伝説の無料200連ガチャ、あるいは周年期の400連ガチャが一定の大量ガチャラインだったが、このタイミングでガチャ回数のハードルが大きく跳ね上がった形になる。
 また1000回ガチャを回させる新人、ダークテイルズと名将の復讐に関しては示し合わせたようにiphone14やPS5、Nintendo Switchをプレゼントすることもセットで告知していたことも触れておきたい。
 単純にガチャ数をアピールしてインパクトを与えるだけでなく、豪華プレゼントでフォロー&リツイート、事前登録を促しに行くパワープレイが否応なく印象に残った月だと言えるだろう。

 この3月のガチャバトルに乗り込めた既存タイトルはそういないが、空の勇者たちに関しては1周年というタイミングを活かしてか1000連ガチャの波に乗ってきた。
 今後もずっと1000連ガチャの告知を継続するかは分からないが、それでも周年直後のタイミングの広告で200連ガチャではヌルい、という危機感は少なからずあったのだろう。

 この1000連ガチャの潮流によって特に割を食ったのはアーサーの伝説 -Exculibur-であろう。
 無料600連ガチャという時点で並の200連ガチャ、あるいは400連ガチャよりもずっと多いのは間違いないのだが、それでも数が少ないように見えてしまうほど1000連の壁は大きい。

・女性モデルにAIを活用した広告の増加

 オタ恋やオーネットなど、美少女系AIイラストをモデルに活用した広告が多数登場したのが3月の特徴と言える。
 AIイラストを活用した広告の初出は2022年11月のJmin gamesで、2022年12月にはTiktokやマイナビITエージェントなどが登場してはいたが、2023年3月からは女性のモデルの代わりにAIイラストを採用したような広告が登場した。
 婚活アプリの女性モデルが実際にそのアプリを使っているわけでは無いのだから、AIにしようがそこに何の変わりも無いじゃねえかという理屈になってくるのだろう。実際AIで生成するモデルで視聴者が納得するのであれば、これは合理的な選択だと言える。
 しかも現代は女性のAIイラストというだけで話題になるタイミングだったので、先行者利益も十二分にあったと言えるだろう。話題性とコストパフォーマンスを兼ね備えた3月広告の台風の目の一つだったと言える。

・余談:AIが広告する日

 ちなみに人工知能が広告に登場していた時期もあった。AIを活用するのではなくAI自身が広告しに来るとはなあ……
 将来的に高度に発展したAIがAI自身で広告をし始めたら普通にタチが悪そうだよな。adblockしてるから安心かと思っていたら、AI側からAdblockを外して広告を視聴させてくる可能性まである。
 Liaはフォロワーも37万人いる有名AIです。公式TwitterにはAI自身が現実で写真を撮っていたり、ツイートにコメントを返したりしているので、気になる方はどうぞ。

・ゾンビゲーム広告が大量発生

 2023年3月は異様にゾンビゲームの広告が多かった月だと思う。
 定番のパズル&サバイバル、Age of Z Origins、ステートオブサバイバルの3タイトルは定番であるが、それ以外にもバイオハザードRe:4、新人としてZombie Gunship Survival、Undawn、ドゥームズデイ:ラストサバイバーの計7タイトルのゾンビゲームがシノギを削った。
 普段からゾンビゲーム自体はまあ多いだろうと読んで広告を見ていたが、さすがに7タイトルも同時にゾンビ関連の広告を出しているようなタイミングは中々無い。ゾンビゲームファンには嬉しい月になったんじゃないでしょうか。

・ルーキー級の注目タイトル

・Dislyte-神世代ネオンシティ

 Dislyteは新宿駅構内のリアル広告、Twitter、実況者を起用した映像など多岐に渡る広告を展開した。
 1ヶ月でスタートダッシュを決めてあとは周年期で広告を張っていくような戦略を狙っていると思われるが、バラエティ豊かかつビジュアルの良さでインパクトを残したのが良かった。
 誤字を絡めるような飛び道具から、川口春奈のような芸能人を起用した映像まで、出来る事は全部やっていそうな手広さが大きな魅力。お手本通りの逃げ切りスタイルで好印象です。

・名将の復讐

 1000連ガチャでガチャバトルの最先端を走ったのはもちろんだが、広告の内容自体も名将の復讐の方が面白いです。ダークテイルズは世界観重視かつ意外と使いまわしが多いのに対して、名将の復讐はシンプルに魔剣伝説リスペクターからの発展形が多い。
 あとポリコレ意識か分からないけど女性っぽい動きをする張飛、三顧の礼をしにいく諸葛亮、中抜きが無ければ初動で1000連ガチャ配れるだろみたいな描写など、いちいちにじみ出るセンスを隠し切れない広告が魅力なのよね。
 古き良き悪い広告を見たい人はオススメ。

・下町ドリーム

 魔剣伝説の転生先が名将の復讐だとするならば、おねがい社長の転生先は下町ドリームでしょう。
 食品衛生法をどぶに投げ捨てたような居酒屋経営広告を見たいなら下町ドリームしかないし、こういう汚い広告も現代ではあまり見なくなったでしょ。
 地味にTiktok展開もしていそうな辺りが芸コマポイント。

・ミドル級の注目タイトル

・オリエントアルカディア

 多くの場合ガチャバトルは回させる数だけを競う戦いになってしまっているが、実際にプレイするとコスパが良いですよ、という所に着目出来たのはオリアカくらいのもんです。
 特に天井に40回で届く点を告知していたのが秀逸で、1000連ガチャだのなんだのと言われても実情が分からないという不安点をしっかり解消しているんですよね。260連ガチャ無料=6枚はSSRが確定なんだな、と分かる告知になっているのがとても賢い。
 ふざけた広告をしつつもゲーム内容を伝える事は忘れていないマメさもオリアカの良い所。単純によく出来た広告じゃないですか。

・美人国

 美人国は名前ロンダリングが過剰な点が見どころ。
 美人国はなんとリリースして半年で極道大豪商→大豪商→美人国で二回ものタイトル変更を行っている。ゲーム内容は変わらないのに延々とタイトルを変えて新作面するというテクに感動しました。
 そのくせ広告の中身は半年前の広告を使いまわしてるんだからどうしようも無いよ。ゲームの内容を作り変えるよりもゲームのタイトルを変えて新作っぽく見せた方が良いよね、という発想は分からんでもないけど、それにしたってそんなに題名を変えているとは思わない。

・ライト級の注目タイトル

・ローソン(ひいてはなかやまきんに君)

 2023年になってもなかやまきんに君の勢いが止まらない。2022年まとめで「筋肉広告がTop Tierだよね~」と思っていた自分の認識は間違いで、筋肉の中でもなかやまきんに君が特別マッスルだったという認識の方が正解だったと言えるだろう。
 なかやまきんに君を最もパワフルに使っていた広告はローソンだと思うが、それ以外にもLINEMO、埼玉県議会議員一般選挙啓発動画、MILK POWERチャレンジなど4タイトルに出演。筋肉という商材は誰でも使えるのだろうが、それを最も使いこなせていたのはなかやまきんに君であったという結論になる。
 おそらく2023年いっぱい、なかやまきんに君の勢いは止まらないだろう。最近大きな話題になったとにかく明るい安村もチャンスがあるかもしれないが、現状のなかやまきんに君の勢いを止めるほどかは微妙なライン。

・オタ恋

 2023年3月の広告を語るうえで、AIと広告の関係は切っても切れないと思います。実際Jmin Gamesの取り掛かりが早かったとはいえ、新人の中では下町ドリームもAIを使用している疑惑があるし、見た目で分からないだけでAI絵を活用した広告は山ほどあると思うんですよ。
 むしろAI特有の粗みたいな物を積極的に残しておいた方が話題になるからAIイラストだと分かる程度の仕上がりにしておく、まで読み合いが回っているんじゃないかなと予想しています。
 3次元風の美人画という面で言うならAIの方が広告映えするものを安価に出せそうだし、じきに2次元美少女広告も分からないだけでAIになるでしょう。多分広告まとめでも殊更にAI活用だと突っ込むのは今年中くらいの物で、2024年以降は無料200連ガチャの広告くらいには常套手段になっているだろうからわざわざ記載しなくなると思います。

・マスター級の注目タイトル

・Age of Origins

 偽カジュアルゲーム広告の新トレンド、射的広告を流行させたのはAge of Originsとトップウォーの二強じゃないかなと思います。今回は特に射的広告を擦ったAge of Originsをチョイス。
 ゲートをくぐって数を増やしたり減らしたりする広告は棒人間ランニング大作戦系のカジュアルゲームが発端で、Hero Warsが矢を増やす広告をスタートし、モリノファンタジーがゲームに実装、Age of Zもそれに追随したようなイメージがあった。そこで今回は先手を打って新しいトレンドを作りに来た感じです。
 こういう魅力的なカジュアルゲームっぽい動画作りも先駆者になるのは大変だが、是非頑張ってほしい所。犬を助けろ系広告に安直に乗らず、自身のゲーム内容にあった広告らしきものを模索しているのが好印象です。

・おねがい社長

 起業して隠し10連ガチャ! と大騒ぎしていたおねがい社長のトレンドが変わったのも要注目。3次元美女を多数登場させ、中年男性を狙い撃ちにするようなスケベ系広告に流れを変えてきた。
 この方針転換はミーム化されたおねがい社長好きには不評かもしれないが、個人的には好印象。というか、こういう広告で成功し始めたらいよいよそういう定番の流れが一番邪魔だったという結論になってくるよね。
 今後の展開も要チェックです。

・2023年3月のMVP

 2023年3月のMVPは名将の復讐です。
 AIイラストだの射的広告だのなかやまきんに君だのと既存の流れのパワーアップはあったけども、名将の復讐から始まった無料1000連ガチャはさすがに馬力が違うよ。
 広告の擦り方もYoutube、Tiktok、Twitterの三面作戦が決まっていたし、広告の内容自体も面白かった。まあ売り上げという面で見るならダークテイルズの方がすごいかもしれないけど、あくまでここは広告の面白さを見る所ですからね。
 4月は広告を確認済みだけど、5月以降もこの流れを維持できるのか? 今後の活躍も期待出来る名作広告でした。

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