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「ふしぎの海のナディア」をほぼ20年ぶりに観たらハマりました

※以下はほぼこちらのFilmarksのページの感想を少し変えたものです

言わずと知れた庵野監督がエヴァより前に手掛けていた作品。ストーリー終盤の時期に生まれた為完全なリアルタイムではないものの、子供の頃BSの衛星アニメ劇場で何度か再放送していたのを断片的に観たり、小学校の図書室にアニメ絵本が置いてたりと割と思い入れが有り、一応エヴァもそれなりに楽しみましたが、ストレートなエンタテイメントとして楽しめる点ではこちらの方が今となっては好きな作品と言えるかもしれません。2002年のBSでの再放送で序盤のエピソードだけ鑑賞したのみだったので、今回ちゃんと最初から最後までちゃんと観ようと決心、ほぼ20年ぶりの鑑賞となりました。

今観るとやはりエヴァに通じる一部世界観やメカの描写が散見されますが、発明家でナード寄りなジャンとヒロインには珍しい褐色且つ身勝手な性格?のナディアという組み合わせは当時も現在もかなり斬新で、ナディアに注目が行きがちなものの、失敗こそ多いが好奇心旺盛、勇敢で素直、そしてサバイバル生活もなんのそのなジャンが物語に牽引力を持ってる気がします。そして科学に肯定的なジャン、それに懐疑的なナディアが物語の軸になることで科学の強さと弱さ、そして時にそれを凌駕する人間の強さと愚かさが圧倒的なスケールで描かれ、最終的にそれらひっくるめた人間讃歌に帰着する点が凄く魅力的に感じました。

彼らと行動を共にする「ブルースブラザーズ」+女ボスなグランディス一味、そしてマリー(やキング)はコミカルな役どころが多いですが、時に二人にはない冷静で大人な意見を言ったり行動を見せ、子供のマリーでさえ冴えた発言をするのがギャップ有って印象的。

ファンの人々には蛇足と言われがちな無人島編も、その粗い作画こそ気になりますが個人的には自分の趣味に没頭しがちなジャン、喧嘩ばかりするサンソン&ハンソンに対し愚痴を言うナディア達には男性と女性の違いが浮き彫りになっているようでちょっと興味深い部分。

自動ドアに内線電話内蔵のノーチラス号をはじめとするメカや一部ロボは19世紀が舞台にしては余りに先進的過ぎて20世紀どころか21世紀のものにも見える所から、この作品内の世界では19世紀が「現代」なのかなと勝手に考えてしまいました(意味不明)。

印象的なのは言わずもがな15話、「マタンゴ」よろしくなジャンが観れる25話、好きな演出は6話で崖っぷちで花を摘むマリーが捕まった際直接捕まる所を見せずに崖から花が散らばって落ちるのを崖下のアングルから見せる所。また、「スターウォーズ」の帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)にも匹敵するネオアトランティスのテーマはもし自分がコントをやるなら使いたい位好きなBGMとなりました(笑)。また、色白に価値を置かれる世の中ですが、褐色の女性も魅力的に感じるようになったのはナディアの影響も有るのかもしれません。

ネオアトランティスのテーマ

曲に関しては再見するにあたってOPの「ブルーウォーター」、EDの「Yes,I Will…」の素晴らしさを再確認しました。特に後者の「一人じゃない」と励ます曲が多い中「たぶん一人でも平気さ」というちょっと斬新な歌詞が気に入っており、アニメの登場人物達が模型の飛行機を追いかけているセピア色の映像も、今作を始めて観た頃の子供時代や雰囲気をつい思い出してしまいます。

エンディング「Yes,I Will…」

今アマゾンプライム等でも鑑賞出来るので、リアルタイムの方もそうでない方も一度観てみては如何しょうか。

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