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我那覇孝淳
2022年3月27日 06:42
人生の物語を書いている者がいて、その者を神と呼ぶのなら、私は私の人生を書いている神を呪う。なぜ、こんな人生を描くのか。面白いからという理由で人を簡単に不幸にする神を私は呪う。人を簡単に殺す神を呪う。全身を強く打った私はもうすぐ死ぬ。名も知らない男と一緒に。私の何が悪いのか。まったくもって分からない。ただ私は、あの人を好きになっただけ。私の純愛に不倫と名付けて、あの人の妻と名乗る女が私を責め
2022年3月9日 05:53
まさか、こんな事が起こるなんて。それを偶然と呼ぶにはあまりにも出来すぎている。二日前に突然、歯が痛み出しアパートの近くの歯医者に行った。そこの受付に大河内美和がいた。会ってはならない女だった。ニ年前、雨の中でうずくまっている女がいた。それが大河内美和だった。何があったのかは知らないが、美和は死にたい死にたいと呟いていた。女を介抱した俺は、なし崩し的にホテルに行っしまった。一度き
2022年2月17日 06:40
十三時が過ぎた。そろそろ彼がやってくるころだ。ところが約束の時間に店に入ってきた客は私の知らない別人だった。なんだ、同姓同名か。 がっかりしたと同時に少しほっとした。考えてみれば、そんな偶然があるわけがない。あの人に会ったら、私はまた狂ってしまうかもしれない。そう思うと私はもう一度、ほっと胸を撫で下ろした。山川宏。フェイスブックで検索すれば五、六人は出てきそうな名前じゃないか