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2024/03/25 失楽園あるいは暗い旅

なんとなく地活で熱が入るほど遠ざかっている感じ
向き不向きではなく
しばらく心理的な距離を置いてみたい
関わりすぎると却って疎外感を味わいやすい
ちょっとは休みの日を他の用事に振り分けてみたい
少し気が楽になる

性格かな、エモいの……
保育園児の頃からいじめられっ子で同級生が嫌いになった
性格かな、重いの……
父に激励され続け自立した中学後半の頃には元気だったけど
あの頃から精神病はストレスへの弱さに付け入り忍び寄っていた
私には逃げ場がなかった

友達づきあいも恋愛の駆け引きもエモい扱い
不器用だねと指摘されたことも
でもね、器用さなんて取り繕えばいつかばれる
少しぐらいの演技も必要かな?

恋に控えめになる理由のひとつ
「過去に手ひどい振られ方をした」
性交まで行きませんでしたけど学生の頃のお付き合い
お別れは相手のデキ婚
エンカウンターグループでのこと
互いに癒しを求めての出会いだったがあっけない幕切れ
これも運命と思って諦めて今に至る

受験の年齢要件で追われ適齢期を逃し故郷から遠ざけられた三十代
声をかけてもみんな逃げていった 気づけばひとり
「私は人生の半ばに正しい道を失った」
まるでダンテ『神曲』地獄篇の出だし

再び気づくとコキュトスの出口にある 「明けの明星」には複数の意味
地底の主と天空の星
感慨と嘆息しきり
#統合失調症

窓から手を振る父に応えて手をふりかえした輝かしい一人暮らしのころ
しかし私は倒れた
療養を兼ねて当時の実家に戻れば
ネット上に飛び交う悪意に
故郷すら押し出された二十年前

前職の職場の悪意に当てられ障害を得て
みんなの子供が大きくなる頃には
何事もない顔をして故郷はカラになっていた
あの元気者の父もすでになく
実家は引き払い母は呆けてきた

自分の病気を差し引いても周りは仲良くしてくれなかった
周りは結婚して家庭を持ってというリーチをかけてから
仲良くしようとしてきた
というわけで私には友達というものが病気のピア(仲間)以外
ひとりもいません
今以て未婚です
シャクですが
これもまた情けない限りの人生行路
同窓会に出ては老後のために紹介するよと住所を聞かれたきり
狐につままれたような話

他人様って当てにならない
友達は恋バナも就職の話も結婚相手のツテも全隠し
障害年金と障害者雇用を妹が教えてくれたから
地獄の前職を後にできた
他人様はそういうもの
でもおまけに統合失調症ゆえ
他人の罵声が脳内再生されて苦しんできた

悪夢の前職の地から故郷への高速道路は通った
私の未来は途中下車前途無効
今日も掘割の駅ホームにはにぎやかな声と野バラが響くか
妹もその街から飛び出し家庭に入った
あとから私もしあわせになる!
病魔に足元を絡げとられた不自由な身には
ただの夢物語に過ぎない

今年も自然観察園の緑色の桜咲くか
私がそこかしこに落とてきた悔し涙も吸い上げるかのように
あるいは川を流れ下り海に注ぎ水蒸気になって雲になり
雨となって私の上にもみんなの上にも等しく降ってくる
故郷を追われ地活の門を出入りする小男の姿はきっと私です

2024/03/25 ここまで

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