変われない、変わらない。
目が覚めた。
全身に力が入らない。
それもそうか、1日何も食べなかったからだ。
力を振り絞ってスマホの電源をつけて日付が変わったことを確認する。
「ああ、昨日は何もしなかったな」と天井のシーリングライトを眺めながらただ狼狽する。
今日こそは何かしようと思って色々考えるけどそうするうちに今日が間も無く終わりそうになって諦める。
毎日そんなことをひたすら繰り返す。
だからといってこんな生活を劇的に変えたいかと聞かれると素直に首を縦に振れないのだ。
変わらないことは自分が安全でいるために最も簡単な手段であるから。
変わるにはたくさんのエネルギーを消費する上に、変わることで代償としてだれかを傷つけてしまったり、アイデンティティを見失ってしまうのではないかという恐怖感と不安感に押し潰れそうになる。
なんとなくみていたテレビドラマやいつかに読んだ小説に出てくるかっこいい主人公に憧れてみたりする。
その度に自分との乖離に気づいてしまう。
本当に嫌になっちゃうな。
でも何があっても自分は自分だ。簡単には変われない。
好きな人のため、憧れの人のため、理想の自分像であるために偽りの自分を作ることは呪いだ。
呪われたくない。
変わらない自分でごめんね。変わろうとしなくてごめんね。
でも、これが私だから。許してね。
(ダリア:レッドサファイア)
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