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【想い】亡くなった友人の仏壇を作ります

これを綴るべきか迷いました。
本心では残したいのですが、なんだかネタにしているような誤解が嫌で。
でも、これまで祖母が亡くなった時はその時の気持ちを書いた小さな紙をずっと財布に入れていて今でも机の中にあり、父親が亡くなった時は過去のブログやそもそも会社を存続させることで残しています。
なにか形に残したい。
そしていつでもその時の気持ちを引き出せるようにしておきたい。
友人も恨んだりしないだろうと思っています。

約一年前に友人が亡くなりました。
ただの知人ではなく中二からの男女仲良しグループ、20代もずっと続いていました。
皆の披露宴には当然参加しているし幹事もやったし、中学の修学旅行以来みんなで色々な場所に行きました。
それぞれ結婚し子供が生まれなかなか会えない中でも、必ずまたあの頃のように会えると思っていました。
私は結婚が遅かったので、子供はようやく3才です。
もう少しでまた、みんなで集まれる。
楽しみだった。でも悲しい形で皆が集まることになってしまいました。
友人は新しい命を生み、その後まもなく逝ってしまいました。
知らせを聞いた時は信じませんでした。
葬儀に参加し本人に会ってようやく自覚できました。

私は日々、木のものづくりをしています。
家業の本職としては仏壇職人です。
一年後に、つまり最近ご両親からご相談を受けました。
お仏壇を作ってほしいと。
込みあげる気持ちを抑えながらお打ち合わせをし、任せて頂ける運びになりました。
お母様は抑えきれず涙を見せていました。

いつものものづくりとは違います。
まさか、あいつの仏壇を作ることになるなんて思ってもいなかったので。
今週から着手しますが、どんな気持ちで私は手を動かすのだろう。
当然、いつも通り真剣に良いものづくりをするのですが、頭の中を巡る思いは普段と異なります。
『俺と仲良しになってくれてありがとう。』
その想いのまま、素直に作らせていただこうと思います。

このことをきっかけに私はこの一年、仲の良かった友人に会うことを急ぎました。
だから、この一年はとても有意義になりました。
ほとんど県外だけど、会えば楽しいし喜んでもらえる。
いつかまた会えると思っていると、いつの間にか周囲の環境が変わってしまう。
その時後悔しないように。
少しでもあの時会えたって思えるように。
この記事を読んだ人には、どうか会ってほしいです。
友人が居ない人も居ると思います。
でも会いたいと思っている友人が一人でも居るのであれば、機会を作って会いましょう。
私だっていつ死ぬか分からない。
だからこそこうして文字を残したい衝動があるのでしょう。

彼女は嘘や裏なんかとは無縁で正直な人でした。
中二からはずっと隣の席でした。
私よりずっと賢い人でした。
くだらないことで笑ってくれて、つまらないことはつまらないとはっきり言ってくれる良いやつでした。
会う機会が減ってからもいつもLINEで気にかけてくれました。

ぜんぶ過去形なのが辛いけれど、受け止めなければ前に進めません。
葬儀に遠方から来たもう一人の女子には必ずまた会うぞと約束をしました。
必ず会う必要がある。
それは私のため、今日会って良かったと思うため。それだけです。
それだけのために日々押し寄せる日常の中で、気にする気に掛けることができる期待や喜びがあるのはとても有意義だと知りました。

お仕事だからお金は頂くのだけれど、ご両親が納得できる範囲にとどめ、私個人の想いでできる限り手厚くさせて頂きたいと思っています。
本音で言えば今回はお金はいらないです。

お仏壇ではあるけれど、どこか可愛く明るくシンプルで温もりのある印象になるように心がけます。
サンリオ系とか淡いピンクみたいな可愛いのが好きだったので。
残された私は残された私だからできることをするだけ。
それしかありません。
本当にありがとう。
また必ず会いたいです。


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