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初めてのPopupを終えて。

2/1,2/2の二日間でMr. CHEESECAKE初めてのPopupレストランを開催しました。

今までレストランで働いていたので、目の前でお客様が自分の料理を食べてくれる事が当たり前。しかしMr. CHEESECAKEを始めてからはオンラインでの関わり方の方が多くなりました。今までのレストランの様に席数という概念も場所という概念もないのは僕の中で革命的で、日本全国さらには世界中の人と繋がれる可能性に僕は期待感しかありません。

しかし同時にレストランの様なリアルの場でしか体験できない価値の再確認もできました。

昨年のバレンタインはキッチンが出来たばかり、スタッフも僕を含めて6人しかいませんでした。当時はただフレーバーを作りツイートするだけで、本当に最小限のことしかできませんでした。

自分がリアルの場で出来ることはいくらでもあるのに、時間も場所も人でも足りなかった。そもそもリアルの場でチーズケーキを食べてもらえるほど当時は認知度もありませんでしたし(今でもまだまだですが。。。)

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(当日のセッティングとKuroミスチ)

お客様の笑顔が原動力になる。


お店をやるという事は本当に大変です。ずっと立ち仕事で気を張り続けないといけない。でも目の前で自分たちの作ったものに対するリアクションが見れて感謝を伝えてもらえる職業は中々ありません。自分の中で当たり前だった事が、レストランから離れた事で再認識できました。

Popupに来てくださったお客様たちは一切れのケーキを本当に大切そうに召し上がってくれました。スプーンで少しだけすくい、小さな一口を最大限感じようとしてくれた。小さな赤ちゃんを抱く様に丁寧に大切に。目を閉じて美味しさをかみしめたり、驚きの表情を見せてくれたり、声に出して感動を伝えてくれたり。

自分が生み出して、スタッフが毎日丁寧に作ってくれているケーキが、こんな風に多くの人を幸せにできている。こんなに素晴らしい事のお手伝いを僕達はさせてもらっている。

そんなお客様を見てうちのスタッフは泣いてしまいました。

そしてその日の日報にはこんな文章が。

『今回のイベントで、お客様が一口目を口に運んでおいしいって噛み締めた顔を見たときに、
私がミスチを始めて食べたとき、こんなに美味しいことがあるんだと感動して泣いてしまったことを思い出しました。
そんな体験を沢山の方にしてもらいたい。

『お客様の家にチーズケーキが届き、箱を開ける瞬間を想像して、
背筋を伸ばしてまた仕事に臨みたいとおもいます。』

こんな風に感じてくれるスタッフがいる事が僕は本当に嬉しくて誇りに思います。そしてスタッフが幸せに楽しく働ける環境をもっと整えなければとも思います。

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毎日ケーキを作っているといつしか作業になってしまい、その先にいるお客様の顔をイメージするのが難しくなってしまう瞬間があります。人間なので当たり前ですし、いつでも常にお客様の事を優先できる人は中々いません。

僕も修行時代に何度もシェフに言われました。

『この一皿がお前の両親の一皿でも同じ仕事をお前はするのか?』

自分達にとって数百数千のうちの一つだとしても、お客様からすれば最初で最後の一皿かもしれない。Mr. CHEESECAKEならば最初で最後の一本かもしれません。その感覚を毎日持てる様に僕もスタッフも毎日ディスカッションしながら働いています。

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(こんなに綺麗に食べてもらえる事が本当に幸せです)



『人生最高の体験と感動で人の心を動かす』

これは生半可な事ではありませんが、少しでも自分の生み出したものが関わった人達の人生を動かし、少しでも明るい未来へ繋がってもらえたら僕は本当に幸せです。それはお客様に限らず一緒に働くスタッフも食材を用意してくれる生産者さんや業者の方も含めた全ての人です。

理想論でしかないかもしれませんが、自分にできる事を愚直に続ける事でしか僕は世の中に恩返しできる事がありません。だから毎日を丁寧に生きようと改めて誓いました。

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日々成長したい、挑戦したい。


僕達Mr. CHEESECAKEはキッチンを移転しました。今までは本当に小さなキッチンでしたが、スタッフも働きやすく、生産数も今までより作れる様になると思います。

一年前にはこんなにすぐに移転するとは思っていませんでした。日々の積み重ねが今に繋がっていると実感しています。もちろんまだまだ出来ていない事ばかりで、スタッフ達とも改善を繰り返しています。少しでも僕達の想いがまっすぐ届く様に出来る事を真剣に考えて。

僕は昔から成長する事に喜びを感じます。昨日よりも今日が、今日よりも明日が少しでも良い日になる様に。毎日同じ様に過ごしていると自分の成長に気付く機会も少ないかもしれません。

でも意識するだけで人生は毎日確実に動きます。何気ない生活の中でも成長できるポイントはいくつもある。そこに意識を向けるだけで良いのです。そんな人でも毎日少しずつ前に進んでいる。そんな事をスタッフにも伝えています。

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これからスタッフも更に増えていきます。今までのスタッフも新しいスタッフもみんなが成長できて、今までにない挑戦ができる会社にしたい。料理人でもパティシエでも、他の会社では出来ない様な人生を変える様な挑戦を。

ブラックに働くわけではない。でも挑戦しないと見えてこない世界は確実にある。自分が先頭を走りみんなを鼓舞し、最後尾に回りみんなの背中を押す。

理想を描き、その道筋を考える。

今の僕は沢山の素晴らしいスタッフと一緒だからこそ、自分の人生を変える様な挑戦に立ち向かえます。これからも一緒に挑戦できる仲間を募集してきます。何かあればご連絡ください!





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新しい料理人の働き方から、個人でどう生きていくか、どう価値を生みだしていくかを色々な視点で書き綴ります。月3~4回ほどの更新なので、定期購読がお勧めです。

曜日や時間、場所に捕らわれずに料理を自由に表現するためにレストランを辞めた料理人の働き方を変えていく奮闘記。 これから増えていくだろう料理…

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