見出し画像

レシピの奥には物語がある。

料理もお菓子もレシピがとても重要だと言われている。それは半分正解で半分は間違っている。以前ツイートしたけれど

レシピには、工程は書いてあるけれど、方程式は書いていない。料理ごとに、もっと細かくいえば食材ごとにこうすれば美味しくなるという絶対的なポイントとその理由があるのに、そのことに触れる本はあまりない。どんなに素晴らしい問題集があっても、問題と答えだけでは解けるようにはならない。解くためには方程式が必要だ。レシピの本にはそれがないのでいくらレシピ本を見て料理を作ったところで上達しにくいのである。

例えばスープを作るとき。人参のスープだとしよう。『人参をスライスして〜』この後に続くのは茹でる、もしくは炒めるだ。この場合ほとんどがスライスする厚さに対してのフォローはない。1ミリなのか1センチなのかで全く違う料理になるというのにだ。基本的に僕は野菜を茹でてスープは作らないので、炒める方でいえば、この人参をどの厚さでカットするかによって味の方向性が変わる。薄すぎると炒めている間に色がつき過ぎてしまうし、厚すぎると焼き色の付く割合が少なくなってしまう。ただの切るという行為から料理の味わいは変化していく。

ここから先は

1,303字

¥ 500

皆様の優しさに救われてます泣