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グランメゾン東京の楽しみ方。4

とうとう4回目に突入したこのnoteですが、毎回書くのが楽しみです。完全に自己満足の世界なので、気楽にお付き合いいただければなと。


第5話はストーリメインのお話でしたね!様々な謎や登場人物の心情が描かれており、次回がとても楽しみで仕方ありません。(ドラマの話は見た方が早いので割愛)

今回は冒頭からミシュランとは違うレストランランキングの話が出てきました!

作中ではトップレストラン50となっていましたが、こちらはWORLD50BestRestaurantというランキングが実際にあります。世界中を食べ歩くfoodie達が投票権を持っており、毎年レストランの順位をつけるというものです。

ミシュランとはまた違った基準で判断しているものです。

そしてこのレストランランキングで2019年一位のお店で僕は働いており、来月日本でイベントをやるそう。当時一緒に働いていたスタッフから連絡がきて日本を案内することに。

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そして僕もディスカバリーシリーズという次世代のシェフに贈られる賞をいただいた経験も。(3年前かな?顔がやばい。お店はもうありません。)

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このランキングはレストランの評価軸を変えました。(あくまでこのランキングの中でだが)ミシュランの様に誰が調査員かわからない事はなく、誰が票を持っているかはある程度のレベルなら共有されています。

なので如何にレストランに来てもらえるかが大切なのです。そのためには自分たちからコンタクトを取ることも大切です。FBやIGでのやり取りをします。シェフたちも必死です。(全くやらずにランキングされる人もいれば、そもそもこのランキングに乗りたくない!と断固拒否する人もいる)

しかし、このランキングのおかげで世界中のどんなレストランにもスポットが当たる可能性が生まれました。北欧はこれによって一気に世界での注目度が上がり、オーストラリアも同様に上がりました。

さらには日本人料理人はフランスに行くのが当たり前でしたが、このランキングによってそれも変わり、スペイン、デンマーク、ノルウェー、ブラジル、オーストラリアと多様性が生まれ、一気に時代が変わりました。この背景にはSNSの進化も間違いなくあります。


ランキングの説明はこれくらいで料理の話に行きましょう!

カレーには様々な作り方がありますが、作中ではかなりしっかりとした作り方をしていました。

最初に鍋にオイルを敷き、ホールのスパイスを入れて香りをオイルに移していました。スパイスは甘い香り、辛味、苦味と用途が分かれており、ホールで使うかパウダーにするかでも感じ方が変わります。

尾花はホールでメインの香りを取り、ルーではパウダーを使うことで二つに分けて香りを取っていました。

オイルに移した香りとルーに使う香りは根本が違います。

ルーにはバターを使ったりもしますが、基本的には液体に対しての香り付です。そしてパウダーなので直接食べる感じです。しかしオイルに移した方は最後に越すので口の中には直接はいりません。でもオイルに移すことで鮮烈な香りを閉じ込めています。

レストランのシェフらしくカレーの中に香りを閉じ込めたのではないでしょうか?カルダモンなどもホールで入っているのも美味しいですが、口の中でも違和感になりやすいので、尾花は好まなかったのかな?なんて見ていました。

どこまでも洗練された3つ星の料理を体現しています。


ドラマ内では通常営業とフードフェスティバルの両方でスタッフがとても疲弊していました。どれくらいの頻度でイベント参加していたかはわかりませんが、仕込み量を考えるととんでもない大変さです。

まさに寝る間を惜しんで働いているのでしょう。

そして若いスタッフが二人やめて行きました。とてもさらっとしたシーンでしたが、ここには大きな闇があると思います。


やめる方が悪いのか?

作中ではそうゆう表現はありませんでしたが、レストランでは人がやめて行くときに根性がないとかやる気がないとかうちには合わなかった、なんて事がよく言われます。

もちろん本当にその場合もありますが、労働環境が劣悪だとか、モチベーションが上がらない職場なども普通にあるので、一概には言えません。

あのシーンを見た料理人がどんな風に感じたかはアンケートとって見たいですね。

そしてどんなスタッフでもやめて行くのは本当にこたえます。自分の至らなさも実感するし、お客様が入っていなければなおさら自分の料理に自信が持てなくもなる。

スタッフは忙しすぎるよりも暇すぎる方が無理なのです。暇なお店には学びが少なかったり余計なことを考えてしまう。給料が安ければなおさらです。

飲食店は本当に難しい。。。


ネットの光と闇


もう一つはインスタグラムでもシーン。美味しければインスタで拡散されて話題になりますが、同時にネガティブなものも拡散されやすい。今の時代を象徴しているシーンだと思いました。

目の前にある食べた物よりもネットの情報で良し悪しを判断してしまう。僕自身も気を付けなければいけないなと感じています。

尾花の『美味しいものは作っている。間違った事はしていない』

この言葉は本当にその通りだと思います。

ただ、これでどうにかなるのは本当に一握りの人だけです。実際には伝える努力や魅せる努力も必要ですし、間違ったことをしていないからといってうまく行くとも限りません。

僕個人の考え方ですが、料理人は料理を作る事が一番大切ですが、それだけやって入れば良い時代は完全に終わりました。

やり方自体は賛同できませんがgakuのオーナーはどうすればお店を存続できるかを必死に考えているとも取れます。

どちらが良いではなくどちらも大切だという事は肝に命じた方がいいでしょう。

あと個人的にまかないのシーンがとても良かった。。。

アッシェパルマンティエはフランス料理で働いたならほとんどの人が作るのでは?というくらい賄い向きの料理です。ジャガイモと肉(だいたい挽肉が多い)で作るのですが、ドラマでは栗も入っていてかなりリッチな感じでしたね。

賄いって当たり前に毎日作るのですが、そこには本当にドラマがあるというか大切な時間でして、若手の子からすると自分の技術や味覚を共有する大切な時間。

忙しくて時間がない中なので、手を抜こうと思えばいくらでも抜ける。でもそんな中だからこそ時間をかけて丁寧にスタッフを思って賄いを作れるかが大切なんです。賄いが上手い人は料理がうまい人です。

そして人の事を考えられる人。料理人の本質は賄いで見えると思っています。

僕もスタッフの作った賄いを思い出してジーンときましたね。。。

そんな祥平はgakuに行ってしましましたが、師弟対決がますます楽しみなグランメゾン東京。来週が待ち遠しいですね!


そんな僕は今Mr. CHEESECAKE という自分のチーズケーキを作っています。レストランとは違いますが、自分の美味しさを通してたくさんの人を幸せにできればと思ってます。

そして忙しい時代だからこそ自分と大切な人との時間を少しでもいい時間にするお手伝いができればなと。

ぜひ!!!



皆様の優しさに救われてます泣