人間はどのような人に「好意」を感じるのか?

人間は距離が近い人に魅力を感じやすい

人間は、近くにいる人に好意を抱きやすい傾向を持っています。

例えば、学校に入学したての頃、出席番号が近かったり、座る席が近い人と仲良くなりやすいということが分かり易い例です。

このように、物理的に距離が近い人に対して好意を抱きやすくなるのは、挨拶をしたり話をするなどの相互作用が生じるためです。

物理的に離れた距離にいる人は、相互作用を得にくいため関係性が築き難くなります。

遠距離恋愛がうまくいかないケースが多いことも、それが原因です。

しかし人間は、相互作用がなくても、単純に目に入る回数が増えるだけでも好意を抱きやすくなる習性も持っています。

通勤電車でいつも同じ車両に乗る人に親しみを持ちやすい現象が典型です。

このように接触回数が増え、距離が近くなることにより相手の好意がます効果を「単純接触効果」と言います。

類似性がもたらす効果

僕たちは、物理的に距離が近い人に好意を抱きやすいのに加え、自分の考えと似ている人や、ライフスタイル、社会階層、教育水準が似ている人に好意を抱きやすい性質を持っています。(類似性)

この傾向は、自分の意見が他者と一致し、自分の意見は正しく妥当である(合意的妥当性)と思いたがる習性と、社会的動物である人間の習性でもある(みんなと一緒が安心)

という心理状態、そして単純に相手のことを理解しやすいという状況がベースになっています。

類似性は、こういった3つの効果が働くために人間関係を形成する時に非常に強く作用します。

同じ趣味を持っている人や、同じ部活に入っている人と仲良くなったり、生活レベルや教育水準が同じ人、同じ高校、同じ大学を卒業した人に対して親近感を抱きやすいのも類似性の効果からだと言われます。

身体的・外見的な魅力も好意に影響を与える

「人を外見で判断してはならない」という言葉はよく聞きますが、皮肉なことに僕たち人間は、身体的、外見的な魅力の高い人に好意を抱きやすい習性を持っています。

僕たち人間には、身体的・外見的に魅力が高い人は、より高い知性・資産・幸福など、外見に望ましい特徴があると考えてしまう「光背(ハロー効果)」が働きます。

昔から魅力的な外見は、一種の資産としてみなされており、選挙や裁判などの結果にも大きく影響するという研究結果も出ています。

身体的・外見的魅力は、目に見えない情報として瞬時に相手に伝わるため、他者に非常に強い印象を与えます。

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