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初心者でもできるハイブリッド運営のコツと未来
株式会社新潟家守舎 代表 小林紘大さん。自身の法人以外にも多数の事業を手掛けており、携わっている事業は30以上にも及ぶパラレルワーカーとして活動している。
今回は、紘大さんが100人カイギの運営などで培ってきた「ハイブリッド運営」について伺った。
ハイブリッド運営とは何か? 押さえておきたいポイントは?
現場で経験を積んできた紘大さんだからこそ聴ける「生の声」を伺うことができた。
ハイブリッド運営とは
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ここでは、オンライン(現地)・オフラインどちらからでも参加できるイベントを指す。さまざまなイベントにおいて、3密を避けられるオンラインの需要は伸び続けている。
ーー今はどんなイベントでもハイブリッド運営が主流となってきましたけれど、どの団体も最初は手探りで進めている印象です。
紘大さん(以下、紘) そうですね。
100人カイギでハイブリッド運営を行うまでは、僕らも初心者で。この後紹介する機材なんかにも馴染みはありませんでした。
けれど、実際やってみるとイベントの幅がグッと広がるのを実感しました。それと同時に、スムーズな運営を行うためにはリアルイベントとは少し違ったポイントを押さえなければならないとも感じたんです。
これを読んでくださった方がなるべくスムーズに、素敵なイベント運営ができればと思います!
ハイブリッド運営のポイント1、チャットを盛り上げろ!
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オフラインとオンラインでどうしても生まれてしまう「温度差」。
現地参加の方が、会場の熱気が伝わるのは間違いない。
その際に着目すべきはzoomのチャット機能だった。
紘 意識してオンラインを盛り上げていかないと、会場の映像をただ垂れ流して、若干サムい感じになってしまうことも……。
そう言った温度差は満足度に直結してしまいますが、チャットを使って対策ができます。
運営側も複数人で、zoomに入室して、コメントを送れる体勢を整える。その上で、早い段階からオンライン参加の方のテンションを上げておく。
「今日は皆さんどちらから参加してますか? チャットで教えてください!」
「イベントスタートの合図があったら、8888(拍手の意)と送ってください!」
前説のようなイメージでチャット欄を温めておく。
そうすることで参加者はチャットへの抵抗がなくなり、中盤〜後半のプログラム中もコメントを送りやすくなる。
紘 参加している場所を送ってくれた方のコメントを拾って、ちょっとイジらせてもらったり。
直接お会いできない分「ちゃんと繋がっている」という印象を感じてもらうのが大事だと思っています。
ハイブリッド運営のポイント2、写真をばっちりキメる!
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思い出に残すのはもちろん、イベント中〜終了後にシェアして拡散してもらうためにも記念写真は重要だ。
ただ撮影するのではなく、ポーズを決める、背景素材を決める……。
参加者の「仲間感」を盛り上げる工夫をするのが◎。
zoom画面でのスクリーンショット記念撮影でSNS映えする写真撮影するには、こんな手段が有効だ。
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①運営側で2台のPCを用いてzoomにログイン
②片方はカメラ機能をONにして顔を出し、もう片方ではカメラ機能を切っておく
③アイコンをイベントのロゴにしておく
※画像一番右上
↓
↓
ロゴを写真内に表示させることで、何のイベントなのか分かりやすくなる!
撮影後、せめて集合写真だけは真っ先にイベントのグループチャットなどで共有する。
イベントの盛り上げ役である発信力ある方には「この写真を使って拡散お願いします!」と声をかけてシェアする場合もある。
熱感の高い投稿であればあるほど、イベントの魅力が伝わる宣伝となる。
紘 現地だと、スマホではなくカメラで撮影される方も少なくありません。イベント後にそのまま打ち上げに参加する……となると、SDカードからデータを取り出すのは翌日の昼(苦笑)。
スピード感が大事なので、運営側から共有して拡散していただくようにしています。
ハイブリッド運営のポイント3、役割分担を明確に
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オンライン配信にあたって、このような役割分担をしておこう。
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これらのポジションは、イベントの規模によって拡大〜縮小して問題ない。
しかしひとりで行うとかなりボリュームのある作業なので、最低2人は欲しいところだ。
さらにこれらのポジションがいると、綿密な宣伝や急なトラブルにも対応しやすい。
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現地で何か困りごとがあった場合、参加者のご協力によって解決する場合も少なくない。
オンラインはそれが難しいぶん、運営の中で担当を振り分ける際にオンライン担当の人数を多めにしておくと良いだろう。
ハイブリッド運営のポイント4、トラブルをつぶせ!
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想定されるトラブルとは大きく分けて2つ。
ひとつが機材トラブルだ。
新しい機材を導入すると、リハーサルで使えていても本番ではうまく使えない……ということがよくある。
そういった時には予備を必ず用意しておくなど、うまくいかない前提で準備すると良い。
もうひとつは、セミナーなどでのゲスト登壇時のトラブル。
不慣れな会場で登壇するゲストに、iPadを使ってカンペのように使って情報共有をするなどの細かい気遣いが大切だ。
紘 情報共有は、もちろん運営メンバーでも欠かさず行います。
グループLINEやメッセンジャーを作成しておいて、当日はそこから「時間おしてます」などのメッセージを細かくやりとりする。
こういった「裏・コミュニケーション」がスムーズな進行のポイントです。
ハイブリッド運営のポイント5、ゲストの資料は事前回収
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ゲストがいる場合は、イベント中簡単な自己紹介を挟むケースが多い。
その際の自己紹介データは原則事前に「PDFで」回収しておこう。
人によってはアニメーション付きのパワーポイントや動画で自己紹介データ・ポートフォリオを作成されている方もいる。
しかし会場のモニターに映すパワーポイント資料に落とし込むにはPDFが一番便利。複数データがある場合には「4:3」サイズで貰うなどすれば、統一感も生まれる。
事前にデータをもらっておけば、急にゲストのWi-Fiの調子が悪くなっても運営側で説明するなどしてその場を繋ぐことができるのだ。
ハイブリッド運営のポイント6、視聴者目線の確認を
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可能であれば、PC以外にもこんな機材を駆使して視聴者と同じ画角でイベントに参加しよう。
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手元のPCを使い、運営側の進めかたに分かりづらい点などがないか視聴者目線で確認する。
同時に大きいメインPCで、zoom全体の雰囲気もみる。
「盛り上がっているかどうか」
「画面オフにしている人がどれくらいいるか」
というような気になるポイントが見えてきたら、メインPCで適宜指示出しをする。
ここまでの機材がなくとも、オンライン担当の手元にスマートフォンを2台用意し、片方で視聴者目線で俯瞰してみるだけでも多くの気づきがある。
紘 運営を自身で行う前に、勉強のために色んなハイブリッド運営イベントに参加してみたんです。
その時に感じた「置いてけぼりになっているな」「もっとこうしたいな」
といったポイントはつぶしてから運営を行ってきましたが、
今でも気づいたことはすぐに改善するようにしています。
規模に応じた配信機材の準備を
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この段落では、応用的な内容を紹介する。
・それなりにイレギュラーな対応(トラブル)が多い
・チャットの盛り上げが重要
これらの観点から、オンライン担当はいればいるほど良い。
とはいえ先述のとおり、人数はイベントの規模によって拡大〜縮小して問題ない。
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zoomの音声を大きくするために必須なのがスピーカー。
こちらは紘大さんが実際に使用しているもの。気になる方はぜひ通販サイトなどからチェックしてみて欲しい。
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さまざまなイベントを経て、ハイブリッド運営の面白さを体感した紘大さん。今では機材もかなり充実してきた。
録画画面を素早く切り替えるためのスイッチャーや
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4Kカメラも導入した。
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ーーここまで、イベント開催時に使えるハイブリッド運営のポイントを細かく教えていただきました。
開催前に意識しておくべきポイントもあるんでしょうか?
紘 個人的には、良いイベントにはリアル・オンラインの参加者の皆さんと、運営メンバーの一体感が欠かせません。
一体感=みんなを巻き込んで生まれるもの。
そんなイベントを作るのは、この2つのポイントが重要だと感じています。
ハイブリッドな巻き込み型イベントの作りかた1、夢を語る
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イベント開催にあたって、夢(目標)を明確にしておく。
上記の画像の通り、イベント「新潟市100カイギ」では「100名のゲストを集めたい(他の地域と同じ景色を作りたい)!」という夢があった。
夢は、淡々とした目標よりもワクワクする内容に設定したい。
「自分もその夢を持っている!」「何か協力したい!」といった意識が集まると、熱が生まれやすいのだ。
ハイブリッドな巻き込み型イベントの作りかた2、余白を残す
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紘 余白=関わりしろ の意です。
運営だけで盛り上がっても仕方がなくて、参加者の皆さんにも当事者になってもらう必要があります。
当事者になってもらうには、どんな形でも企画段階からイベントに関わってもらうのが効果的だと考えています。
「100人カイギ」開催当初、女性の運営メンバーはいなかった。
バランスの良いチームにするために女性や、デザイナーなどの足りないポジションを募っていったそうだ。
紘 準備の段階から
「デザイナー、あと2名募集してます!」
「盛り上げ娘募集、気になる方は連絡ください!」
みたいな感じで、募集にあたってのキーワードと、具体的な「人数」も出して。
「自分にもできるんじゃないかな?」と思ってもらえるように発信していました。
ーー「誰でもいいから手を貸してください!」よりも当事者意識が芽生えますね。そうしてジョインした方なら、イベントを一緒に作っていく達成感も共有できそうですし。
今いる運営だけでガチガチに固めすぎず、周りの方の関わりしろを作ることで「みんなのイベント」が生まれていくんですね。
オンライン配信サポート「ハイシン」と未来
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紘大さんは2022年1月に新事業を立ち上げた。
その名も「ハイシン」。新潟県内でのハイブリッド運営イベントの企画・配信サポートを幅広く行う。
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イベントの企画から当日の受付、MC、配信作業に至るまで網羅している紘大さんだからこそできる事業という印象だ。
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ーー企画担当、MC、技術スタッフ……それぞれのプロはいますけれど「マルチに対応できるプロ」はなかなかいませんよね。
紘 ハイブリッド運営ってめちゃくちゃマルチタスクなんですよね〜。
今回冒頭からお伝えさせていただいたポイントは再現性の高いものなので活用していただける場面もあると思うんですが、イベントによってさまざまな事情があります。
いきなり大規模なイベントを開催したいとか、規模は大きくないけれど予算が割けなくて少数精鋭で運営するしかないとか。
『ハイブリッド運営なら新潟から広い地域に発信できるのに、色々足りなくてどうすればいいんだろう……』
なんて時、「紘大がいるじゃん」って思い出してもらえたら最高です。
始めたばかりの事業ですが、新潟の可能性を広げるきっかけになれば
これ以上嬉しいことはありません!(了)
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