第17回東京大学公開講座の感想。「ポストコロナ時代」の心理職の役割に参加しました!

3時間という長丁場でしたが、参考になることがたくさんありました。以下に感じたことを書いています。これまでの開催の記録を見ると、1年に1回の開催のようなので、ぜひ来年も参加したいと思いました。

『Covid-19禍の実存の危機と増大する命の脅威――これからも続く不安な時代を生き抜くために』
山田和夫先生
(東洋英和女学院大学大学院人間科学研究科教授・横浜尾上町クリニック)

・子どもの自殺の増加、実存的な問題が子どもに容赦なく降り掛かっていたことに改めて気付かされました。

・起立性調節障害と診断されている子どもには、うつ病や不安症がベースにあることも多く、適切な治療で改善していくケースがあり、治療が全く違うので、起立性調節障害の診断のままだと全然良くならないこともある。このことは普段の学校臨床でも注意しなければいけないと思いました。

他にも、

・不安症の70%にうつ病が併存。うつ病の28%に不安症が併存。うつ病と不安症の併存にこれからしっかり目を向けようと思いました。

・発症年齢と状態像の変遷がとても興味深く、分離不安から人見知り、社会不安症、パニック障害にいたるまで、その発現の仕方が変遷していくモデルはとても参考になりました。

『ポストコロナ時代の臨床の知とは何か――行政知と人文知をめぐって』
東畑開人先生
(十文字学園女子大学教育人文学部准教授・白金高輪カウンセリングルーム)

・個人的な営みである心理臨床と社会的な問題における行政の力に対する個人の非力さの対比が面白かったです。

・自分がやっているカウンセリングや臨床の意味や立ち位置みたいなことに気づくきっかけとなったように感じました。


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