『花言葉かるた』誕生秘話
Board Game Design Advent Calendar 2023 16日目の記事です。
初めまして、こうだいです。
先日のゲームマーケット2023秋にて初出展を果たしました。
本記事では、デビュー作である『花言葉かるた』がどのようにして誕生したかを書き留めています。
『花言葉かるた』とは
概要
『花言葉かるた』は、文字通り「花言葉」をテーマにした「かるた」です。
取り札は、花の名前とイラストのみです。
読み札は、花の名前とイラストに加え花言葉があります。
読み手は花言葉を読み上げ、その他のプレイヤーはどの花の花言葉か予想し、場の取り札を早い者勝ちで取りあうというシンプルなルールです。
ゲムマHP:https://gamemarket.jp/game/182111
追記:現在、通販(BOOTH)にてご購入が可能です!
ゲームマーケット2023秋での頒布結果
12/9(土)のみ出展し、大変ありがたいことに持ち込んだ分全て完売しました。ご購入いただいた皆様、本当にありがとうございました。
誕生のきっかけ
私自身もともとボードゲームが好きで、ゲームマーケットには何回も参加していました。ブースに立つ出展者の方々が楽しそうにされているのがとても印象的で、次こそは出展者側になりたい、と強く思ったのがボードゲーム制作を意識したきっかけです。
とはいえ、なかなかいいアイデアが思いつかず困っていました。
あるとき、彼女に「ボードゲーム制作がしたい」「何かいいアイデアはないか」と相談し、返ってきたのが「花言葉」をテーマにするのはどうか、という内容でした。
自分にはない、女性ならではの発想でとても衝撃を受けました。
そこからは「花言葉は意外と知らないよね」「男でも花言葉は興味ある」「かるた形式が面白いのではないか」と、とんとん拍子で「花言葉かるた」の大枠が決まりました。
花のイラストをどうするか問題
さて、花言葉かるたで一番大事なものは何でしょうか。
間違いなく、花のイラストです。
真っ先に写真を使うことを考えました。
しかし、味気ないのでは、とボツにしました。
ウイングスパンは写実的な鳥のイラストが使われていますが、写真ではありません。
ボードゲームに、写真が採用されていることは少ないのではないでしょうか(知らないだけかもしれませんが)。
イラストの持つ温かさが、ボードゲームというアナログさとマッチしているのかもしれません。
花のイラストの方向性については何度も議論を重ねました。
(以下のように、google検索したものをスライドにまとめて比較検討していました)
結果的には、和のテイストを意識しつつ個性を出したいということで版画を採用しました。
同じ花でも色が違うことで花言葉も違うため、花言葉かるたでは色違いの花を複数採用しています。
読み札(言葉カード)について
読み札(言葉カード)を1枚だけ公開します。
(ネタバレになるので、広報活動する際はできるだけ読み札を公開しないようにしていました)
花カードよりも花のイラストを薄くし、その上に花言葉を載せました。
花を見ると、花言葉が浮かんでくるような、そんな体験をしていただけたらと思います。
また、お子様と一緒に遊べるよう、難しい漢字にはふりがなを振りました。
その甲斐あってか「教育にすごくいい!」との声もいただき、やってよかったな、と感じています。
どの花を採用するか
ご存知の通り、世の中には花が無数にあります。
その中で、今回花言葉かるたにどの花を採用するか非常に悩みました。
誰も知らないようなマイナーな花では、盛り上がりに欠けます。
メジャーな花というのはマスト要件です。
最初は好き勝手思いつくままに、候補を上げていました。
しかし、それだと木や野草などが入り混じり、統一性がなくなってしまいす。
最終的には「花屋で購入できるもの」という条件で花を選定しました。
また、ポジティブな花言葉だけでなく、ネガティブな花言葉を持つ花もあえて採用しました。
その方が盛り上がりますし、学びにもなると思います(大事な場面で相応しくない花を選択肢から除外できるはずです)。
※もちろん、花言葉には諸説あり正解はありませんので、「へ〜こういうのがあるんだ」とゆるく楽しんでいただけたらと思います。
カード裏・箱のデザインをどうするか
ボードゲームを買う上で、パッケージはとても重要な要素です。
特にゲムマでは、ほぼパケ買いと言っても過言ではないと思います。
我々は、今回のボードゲーム制作を通して初めてadobeツールを触ったので、凝ったデザインを作ることはできません。
考えた結果、カード裏と箱についてはシンプルに水引を用いたデザインにすることにしました。
慣れないツールで、このリボンを作るのですらとても苦労しました。
しばらくしてツールにも徐々に慣れていき、もう少し挑戦できるんじゃないかということで改良した結果、今の梅結びの水引にたどり着きました。
箱には、市松模様も入れました。
フリー素材を使うことも考えましたが、版権等が怖く全て素材を自作しました。
結果的にシンプルで可愛らしいデザインが出来上がり、とても満足しています。
ゲームマーケットの会場でも、立ち寄っていただいた方々からとても可愛らしいとお褒めの言葉をいただけました。
ゲームルールをどうするか
「かるた」なので、ルールは至ってシンプルです。
「かるた」というだけで、誰にでもルールが伝わるので、ゲームマーケットでの説明はとても楽でした。
懸念したのは、一度遊べば花言葉を覚えてしまって遊べないのでは、という点です。
これを回避するために、ブラフ要素などボードゲームっぽい要素を付け加えるかとても悩みましたが、最終的には余計なことはせずにシンプルが一番面白いと考えてかるたのままにしました。
一度遊んだ方には、ぜひ説明書裏面に記載している発展ルールで遊んでいただきたいです。
対戦かるたの形式で、花言葉を覚えていることで楽しむことができるルールとなっています。
最後に
花言葉は、花に特別な意味を込めて贈るという習慣からできたものだそうです。
私自身、制作に伴い花言葉を知ったことで花に興味を持つようになりました。
花言葉かるたを通して学んだ知識を使って、大切な人に花をプレゼントする人が出てくることを期待しています。
ありがたいことに大変ご好評いただいたため、ゲームマーケット2024春でも再販する予定です。最新情報はXにて発信していきますので、フォローをよろしくお願いします。
通販も行っておりますので、ぜひお買い求めください!