個別最適の授業に向けて、主体的な学びのための形成的評価 #16
どうやって形成的な評価を行うか
新学習指導要領となり、教師主体の授業から生徒主体の授業へシフトしていっている。
指導と評価の一体化という言葉が指導要領で出ているとおり、生徒に学ばせていくとなると、じゃあやってみよう→放置では目標に辿り着くことは厳しく、活動あって学びなしの典型的なダメな授業となる。
教師の形成的な評価がポイントとなってくる。授業中の生徒の様子をどう見とるか。ipadの活用事例を紹介する。
出来ない子を放置していた
これまでは全体への指導を教師中心で行なっていたため、教師が生徒を見とる時間がほぼなかった。生徒は教師の説明を聞き、ノートにまとめる。問題に取り組む。解説を聞いて答え合わせをする。といった具合で授業が進んでおり、学びの課題にぶつかる場面も今より少なかったため、この形成的な評価の課題意識が欠けていた。
授業のスタイルを改良していく中で、ロイロノートによる簡明な発問・指示・課題解決シートを作成し、生徒主体の授業になるように目指した。
50分の中で40人弱の生徒一人一人の行動観察を覚えていられない。
ましてや全クラス250名以上を受け持ち、顔と名前すら全員一致できないのが現実である。記録を残す間に次のクラス、次の授業へと進んでいってしまう。
机間巡視はするものの、サポートの不十分感が否めない。
OPPによる振り返りを行なっているが、これは授業後のみとりであり、なるべくであれば授業内で解決できるためのアドバイスをし、授業内で目標達成できる事が望ましい。机間指導は行うが、先ほども述べたとおり250名以上すべて課題を把握するのは厳しく、次の授業の時には記憶から飛んでいることもしばしば。
さてこの課題をどうクリアしていくかと、今手探りですすめ、今のところの最適解がipadによるGoodonote5 名簿シートの活用である。
Goodnote5で名簿、座席表を載せたシートの活用
本時の課題やゴールを確認したら生徒の活動の時間である。この際教師は机間巡視にあたる。その時に、手元にはipad。つまづいているなという子にはチェックと声掛けを行っている。
記録を残しておけば、単元の中での変容も見れる。声掛け関係作りをしながらつまづいたまま置いてきぼりにならないようにサポートもできるのでは。
慣れてくれば大部分の授業で全員分の見取りも可能かもしれない。
成績のためではなく、成長のための評価を。
これまでは実験レポートなどから、しっかり結果考察がまとめられているかなどで総括的に評価をしていた。生徒たちは当然、成績のための教師を忖度した答えを探すような学習をしてしまっていた。
これは本来の学びではない。今、これまでの10年を振り返ると、当時は良かれと思ってやっていたが反省点が多いように感じる。
そんな自分への懺悔の思いを込めて、今教えている生徒たちにはなぜ学ぶのか。どうやって学ぶのか語り、成績をぶら下げた指導はせず、自分のために気になったことやどう学んだら自分がよく成長できるかなどを重視した学びを目指している。
そのためのツールとしてこんなシートを使えば良いのでは?という構想をnoteに書き起こしてみた。これから実践を積み重ねてみて、また改善点や気づきがあればまとめていこうと思う。
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