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日中国交正常化50周年、日本人に言いたいこと

                        黄 文葦
今年は日中国交正常化50周年。日中の政治関係はずっと不安定な状況である。それは言うまでもないこと。この二年間、コロナが日中間の民間交流にも大きな影響を及ぼしている。来年には本格的な交流の再開が望まれる。

日本人の中国に対する認識について、世論調査の結果、多くの日本人は中国に対して好意的な印象を持っていないようだが、それは客観的ではなく、むしろ一方的な調査である。信憑性が低いと思う。日本人の中国に対する認識は、世論調査で提示できるようなものではない。当方の知っている日本人の間では、中国に対する印象は単純ではなく、良い印象と悪い印象に集約される複雑なものである。

例えば、中国の政治体制に嫌悪感を抱き、中国文化を愛しているなどだ。また、中国政府が大嫌いなようだが、中国では多くの友人ができたし、中国でビジネスの大成功を収めた。当方のFacebookの友達には中国で仕事をしている日本人がたくさんいるが、彼らは中国人と中国をよく理解し、中国での生活への適応を試みる。

ところで、日本人は中国人に対して、どこか一面的で型にはまった見方をしているように感じることがある。 例えば、在日中国人に対する認識について、日本に20年以上住んでいる中国人は、中国に住んでいる中国人と、その「中身」が全然違う。しかし、日本人の中には、中国人はみんな同じだという印象を抱いている人もいる。

例えば、今でも「冷たい水を飲み慣れているんですか」と聞かれることがあるのが、「私の胃袋はすでに日本人の胃袋になった」と申し上げたい。「日本を見て、驚くようなことはありますか?」と聞かれて、「現在、時々私をびっくりさせるのが日本ではなく、中国です」と答えた。

当方が日本を批判すると、いつも誰かが「なんで自国(中国)を批判しないんだ。中国には民主主義もないのに…」と言われる。「中国より、現在日本のことをよく知っていますから」と言うしかなかった。

この前、中国で20数年間活躍されていて、一時帰国した板屋さんとお会いした。板屋さんから「黄さんは長い間中国と離れているのに、中国のことをよく知っているのですね」と言われて、うれしい気持ちになった。お互いの国で生活している人間同士として理解しあえると感心した。

日本に20年以上住んでいる当方は、実は中国の動向を必ずしも把握していない。二年前から、メルマガを作ることがきっかけで、中国の友人と連絡を取ったり、中国の最新情報をネットで探したりすることが多くなっている。

一方、当方は長期間日本に住んでいて、日本の長所も短所も肌で感じられる。日本への提言と批判を続けて行きたいと思う。

日中国交正常化50周年を迎えるにあたって、日本人に言いたいことをまとめてみた。

一、より多くの中国人に会う機会を見つけ、中国へ旅行し、自身の目で中国と中国人を確かめよう。若者は中国で就職することに挑戦できればいい。勿論、中国語を勉強すればいい。

二、日本文化と中国文化をもっと比較対照して、広い視野で物事を見るようにする。中国と日本の共通点を探る。

三、中国共産党を単に怖い存在だと認識し、敵視するだけでなく、いろいろな角度から見てください。中国共産党もまた変化しており、その性質は今や創立当初とは全く異なっているからだ。今後も共産党が中国を支配する時代が長く続くと予想される。簡単に崩壊するわけではない。これが現実だ。

四、中国は日本から学ぶべきことが多い。日本は先進国だが、中国から良いところを学ぶ勇気も必要だ。特にイノベーションとスピードの感覚を身につける。

五、これまでの日中関係の50年は、でこぼこで曲がりくねった道であり、次の50年も順風満帆とはいかないが、日中間の協力と交流はますます盛んになるだろう。中国人と日本人の相互理解は必須である。

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