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【ASD?観察記録】 Part 2 小学生編 ― 感覚過敏

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Part1 はじめに ― 幼少期編

2-0. ちょいコメント

先に断っとくと、酵母マン自身が、「自分の性質は ASD 的なのか?HSP 的なのか?ただの気の持ちようなのか?」はよくわかっていません。
お勉強もかなり必要。
(簡易検査レベルでは、クリニックで ADHD 性は "問題ない" という評価を受けました。)

ってことで、「自分が ASD 性あるかも?」っていう人の記録ぐらいで見ていただければ。

2-1. 聴覚過敏 (ちょい困りくらい)

「何か過敏なことはあるか?」と問われると、きつめのが1つ、まぁちょい困るな、くらいのが1つある。

先に "ちょい困り" を書くと、それは聴覚過敏だ。
(あ、これ、聴覚過敏の一種かな?と気づいたのは、つい半年くらい)
僕が苦手なのは、車のうるさい音。
会話がかき消されて聞こえないよ、という話ではなく、
「ブロロロロロロッッッッッッ」
っていう大きめの車が過ぎ去っていく時に、脳内にその音が満ちて思考停止になってしまいます。

でも、この思考停止は、いつでも起こるわけではなくて、
『あぁ…、僕のセーフゾーンには入ってない人だなぁ…』
という人と会話している時になりやすい。
(自分ひとりの時は、僕の場合はそこまで阻害されない)

(ちょい困り、にしたのは、
① 意図的に避けようと思えば避けられること
② 状況が対人関係依存的だという気がするので、心因的要素もあるのかなぁ…一次的・末梢的な問題というよりは高次脳的・環境要因的なのかなぁという認識だから。)

人間関係は、苦手です。

2-2. 嘔吐反射 (がち困り)

もう1つ。僕がずーーっと困らされているもの。
それが、「嘔吐反射
嘔吐反射と ASD性との関連性については、僕は全く聞いたことがないです。

でも、これは「感覚過敏」とは関係ないんですかね?
知りたいよ…

僕の嘔吐反射記憶は、小学生にあがるかあがらないかくらいの時期から、現在 (28歳) まで、ずっと続いている。
さすがに、ある程度は "無理やり慣れて、自己流のその場しのぎ技" を培ったものの、依然として越えられない問題も多い。

まず明確に覚えているものが、小学生1年生の頃に、ちょっと都市部の耳鼻科に行った時のこと。
当時、ポケモンカードが流行っていて、僕はその耳鼻科で「プテラ」のカードをもらった。
わぁ、プテラのキラカードだ!と、とてもうれしかった。
記憶の時系列の微妙な前後関係はわからない (診察前か、後か)。
その日、僕は慢性鼻炎のために耳鼻科を訪れていた。
で、ホワイト基調の診察台に座らされて、「バールかよ!」ってレベルで90°に屈曲した舌おさえの器具を喉元深くまで突っ込まれるわけです。

もう…、だめよ、あれは。

そこから先の瞬間的記憶はない。


嘔吐反射は小学生~中学生の僕を常に苦しめた。

半年、いや、2~3ヶ月に1回くらいは、学校で内科検診や歯科検診がある。
これが、常に地獄だった。
内科検診の、あの金属のアイススプーンみたいな棒も、
歯科検診の、あの金属おたまみたいな鏡も、
口に突っ込まれた瞬間に嘔吐反射をしていた。
検診のたびに、僕は、号泣していた。
先生にも、友達にも、言いようもない哀れみの目で見られる。
親は、申し訳なさそうにしている。
つらかった。なんか、すべてが、辛かった。

記憶・経験とはやっかいなもので。
「再来月に歯科検診があります」
これを聞いた瞬間に、その後の僕の2ヶ月はずっと憂鬱だった。
これが、3ヶ月おきにやってくるわけで。

ずーっと憂鬱だった。

小学生の終わりから中学生の時期には、「歯列矯正」もされた。
歯並びが、めっちゃ悪かった。

その頃の僕は、学校の歯科検診ですら嘔吐反射でなーんにも検診できないくらいだったから、ちょっと虫歯が見つかっただけでも、治療できる歯医者を探すだけで一苦労だった。

そんな僕が「歯科矯正」という苦行に当初から耐えられるはずもなく…

通える圏内のとある小児専門の歯科医で、何度も失敗して、何度も怒られて、ギャン泣きしながら、すこしずーつ器具を装着して、歯列矯正を果たすことができた。
(歯列矯正というと、痛みの方がクローズアップされがちだが。僕にとっては、痛みなんて我慢すればなんとかなるんだから全然平気だった。)
この地獄の1~2年の中で、僕は嘔吐反射の自己流の解決策を習得した。

(ちなみに書いとくと、
① 薄目を開ける (完全閉じでも完全開けでもない、虚ろなかんじ。)  
② だいたい器具の動きや歯科医の先生の動かし方のパターンがわかるので (この辺は浅めの平行移動だなとか、ここは深く突っ込んでくるな、とか)、自分の中でやばいパターンがきたら、鼻呼吸でゆっくり深呼吸。口呼吸すると、なぜかめちゃくちゃ気持ち悪い)
③ このへんの技は、「あくまで口腔の体積の~30%ぐらいを侵略された時に使える緊急避難技」。レントゲンとりまーす、って具合で、唇を反発力で左右に広げて「わー」って開けるプラスチック器具 (わかるかな?) をされた上で、X線の遮光板 (2~3 cm)を縦に突っ込まれると、28歳の今でも嘔吐反射しちゃいます。


こんなかんじで、現在まで続く、感覚過敏の例でした。

視覚の過敏性や、体表の皮膚の過敏性などは、これまでのところ自覚症状はない。

できれば、コミュニケーション系だけでなく、感覚過敏についても情報交流があればいいな、と思う今日このごろです。


次回は、

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