大地の声を聞く旅/大分・宮崎・熊本〜九重(久住)連山、高千穂、阿蘇_最終日
いよいよ今回の旅も最終日。
阿蘇山の麓の宿からまずは草千里を目指します。
草千里に向かう道中、左右に広がる草原に牛や馬たちがたくさん放牧されています。
しかし、こうして実際に目にすると阿蘇のカルデラの凄さ、凄まじさが実感できます。
まさに今現在も活動を続けている阿蘇の山。
その凄まじいまでのパワーと恐ろしさを身近にしながらも、その傍らで何年も、否、何百年もその強大な力と共に暮らし生きてきた人々。
軽々しく言葉にするのも気が引けますが、阿蘇の山に引けを取らぬ強かさを阿蘇と共に暮らす(暮らしてきた)
人々にも感じます。
人間も相当に強い。
そんなことを考えながら上へ上へと車を走らせ、漸く草千里に到着。
烏帽子岳の麓に広がる草原、池、放牧された馬。
辺りに立ち篭める硫黄の匂い。
そして足元を飛び交う無数の蝿(笑)
目の前に広がる、雄大で、静かで、美しい光景。
しかしすぐ隣の中岳はこの日も白い噴煙を上げています。
この美しい光景も雄大なパノラマも、阿蘇の山々の想像を絶するエネルギーによって生み出されたものです。
そのエネルギーは時としてあらゆるものを飲み込み、焼き尽くし、破壊したことでしょう。
そうしてまた新たに生まれてくるものがある。
破壊と再生。
破壊と創造。
これらを気が遠くなる時間繰り返してきた。
その長い時間のある一瞬に、私が此処に立っている。
そんな思いが駆け巡ります。
この大自然に完全に飲まれてます(苦笑)
否、この旅の初日、宇佐神宮から久住に向かう車内からくじゅうの山々を目にした時から既に飲まれていたのでしょうね(笑)
大自然に飲まれたまま、草千里から北上し大観峰に向かいます。
つい先程まで居た草千里や中岳を数十分後に北方から眺めているというわけです(笑)
カルデラの中にある昨日の宿や、初日に訪れたくじゅう連山などを暫く眺めます。
前回書いた体に響く音と曖昧だったイメージもこの頃には既に完全に明確なものとなり、次の訪問地でピークを迎えます。
そして旅の密かな楽しみとなったものは、ある種の恐ろしさに変わっていきます。
この旅最後の訪問地、押戸石の丘へと向かいます。
大観峰から更に北上しマゼノミステリーロードから押戸石の丘に向かう横道に逸れます。
車で行けるのか?と思うような殆ど舗装もされていない細い道(対向車が来れば途中途中にある待避箇所でないとすれ違うことが不可能な道。私道のようです)を進みます。
2度、訪問帰りの車とすれ違い、目的地に到着。
受付で料金を払い、コンパスを受け取って押戸石の丘へ歩きます。
そんなに詳しいわけではありませんが、このような古代の巨石遺跡といったものが世界中の様々な場所で同様にみられるというのも興味深いですね。
太陽や月、星、自然などと人間との本質的な関係性は同じだということなのかもしれませんね。
日時計の役割を持った石やシュメール文字が刻まれた石。
不思議な磁気を発する石など、興味深い巨石群です。
そして波打つように広がる火砕流台地。
私がみたイメージは、この阿蘇の大地がどのように形成されていったのか、というものでした。
勿論、それはただの想像であり妄想です(笑)
これまでに観た様々な火山の噴火映像や、火山や地形形成のドキュメンタリー番組の映像やCGなどが私の頭の中で組み合わされ、実際に目にした阿蘇の山々やカルデラ、くじゅう連山の姿と結びついて、私が私の頭の中で創り上げたイメージです。
実際に目にする阿蘇の山々やくじゅうの山々の圧倒的な存在感が、私の想像、妄想をよりリアルなものにしていきました。
目の前の山々が、今見ている姿形とは全く違った姿をしており、それが巨大なエネルギーを吐き出しながら周りだけでなく自らをも破壊していく。
そんなイメージが日に日にリアルさを増していくのでした。
そしてリアルさを増すイメージの中で流れ出す溶岩が大地を削りながら進み形作った大地のイメージ。
それがこの火砕流台地そのものでした。
しかし、これも単なる想像、妄想です(笑)
只、その想像、妄想がリアルになればなるほど、その破壊的なエネルギーへの恐怖もよりリアルなものとなっていったのでした。
雄大で力強く、美しい光景。
その感慨は常に変わりなくありました。
が、到底敵わない、抗うことの不可能な圧倒的なエネルギーとパワーに恐れ慄く、そのような感覚が日毎に増し遂には先の感慨を追い越してしまうまでになりました。
まあ、当たり前のことを少々リアルに感じただけとも言えますが(苦笑)
こうして私の初めての大分・宮崎・熊本、くじゅうと阿蘇を中心とした旅が終わったのでした。
私の体に響いていた音は何だったのか?
未だにわかりません(苦笑)
大自然に飲み込まれ聴いた幻聴だったのかもしれません。
しかし、旅から帰った今もまだ響いてきます。
私の中に生まれた新しい音。
そうであれば嬉しいのですが。
それが何であるかがわかるのにはもう少し時間が必要かもしれません。
自身の音楽を含め何かしら具体的な音(音楽)として現れるのか否か。
今は私にもわかりません。
何れにせよ、これまでとは少しばかり違う旅ができた事をとても嬉しく感じています。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
前回、前々回も多くの方に読んでいただき感謝しています!
また読みにきてくださいね!
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