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旅立つ君へ

ポツリポツリと、職場に新しい人が入っては、慣れ親しんだ人が去っていく。派遣は同じところに3年しかいられないので満期になって次の職場へと移っていく人もいれば、とりあえず生活のために派遣で来てすぐ他に移るため辞めるという人もいる。正社員の方も、ステップアップのために転職していく人がちらほら。


私がお世話になっている会社はとても環境が良く、待遇もいい。
それに、何より人がよくて働きやすい。

時間に余裕があるおかげで、考え事をする時間を取ることができる。将来についてだとか、自分のキャリアについてだとか。考える時間を取れるからこそ、前向きに辞めていく人が多いのではないかと思う。


ここ最近、人の入れ替わりをちょこちょこ見てきたけれど、ついに一緒にお昼を食べている仲のいい派遣メンバーの1人も、明日で職場を去ってしまう。地元に帰って仕事をするそうだ。

私が彼女とご一緒できたのはわずか5ヶ月だったけれど、もっと長く過ごした気がする。明るくコミカルで動物好きの、心優しい女の子。

私が入社して2日目から一緒にお昼を食べるようになり、7〜8歳下でたまにジェネレーションギャップが生まれるけれど、みんなで和気藹々と楽しく過ごしてきた。

明日でお別れなのかと思うと、今なんだかすごく寂しい。彼女にとっては門出なので笑顔で送り出したいのだけれど、やっぱりどうにも寂しい。


更に、年度末には隣の席の一番仲良しの先輩も辞めることが決まったとのこと。彼女は目標があって別途勉強中で、目標に向かって進むと言っていたので素晴らしいことだ。


けれどもやっぱり、どうにも寂しい。


派遣スタッフは入れ替わるものだから、正社員の方々は何度もこんな想いをしているのかもしれない。誰かが退職するたびに、チームでランチ会が行われている。送り出す側は寂しいものだなぁ。

この2〜3年、旅立つ側になることばかりだったので、久しぶりに味わった。毎日当たり前のように顔を合わせていた人がいなくなるのは寂しいものだ。


もしかしたら、もう2度と会うことはないかもしれない。


それでも、長い人生の中の5ヶ月を共にした彼女が、新たな場所でも笑っていられますように。クリッとしたお目目と大きな口で、屈託無く笑っていられますように。相変わらす謎のリズムダンスを得意げに披露して、みんなを笑わせていますように。そんな風に思う夜。


明日は最後のランチ。



#エッセイ #日記 #手紙 #別れ #旅立ち #離職


サポートとても嬉しいです。凹んだ時や、人の幸せを素直に喜べない”ひねくれ期”に、心を丸くしてくれるようなものにあてさせていただきます。先日、ティラミスと珈琲を頂きました。なんだか少し、心が優しくなれた気がします。