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懐かしい曲にのって、センチメンタルジャーニー

"もしもあの時" "ああしていたら" "こうしていれば" 
そんなことを考えたって選ぶ道は1つしかなくて、パラレルワールドを想像したってどうにもならないことはわかっている。

それでもふと過去に引き戻されると、考えてしまうことがある。


学生時代によく聴いていた曲を思い出し、懐かしくなってSpotifyで探してみた。あぁ、これこれ。金曜の夜に友達数人と音楽を聴きながらあてもなく高速に飛び乗った、あの日が蘇る。

まだ音楽シーンに米津玄師はいなかったし、CDやMDで音楽を聴いていた、あの頃。

SOUL’dOUT、Dragon Ash、湘南乃風、ケツメイシ、m-flo、Mr.Children、BUMP OF CHICKEN、JUDY AND MARY、、、ちょっと偏ってしまったものの挙げればきりがないけれど、SOUL’dOUTは男友達の影響で専門学生の頃にしか聴いていなかったので、特に思い出す曲かもしれない。

ただでさえ早いSOUL’dOUTの曲を、テンポを上げて酸欠になりながら一緒に歌ったあの夜。あの頃の思い出は、いつもキラキラしている。

カラオケオールしてかすれ声の明け方、寝不足でも行った学校。どんなに遊んだって、やんちゃしたって、美容師になるという志を持ったメンツだったから、成績はみんな上位だった。そんな仲間が誇らしかった。

当時一緒に騒いでいた男友達が、今では独立して自分のサロンを持ったり、店長として働いていたり、2児の父になっていたりする。

特に気の合う男の子。当時は一緒にいるのが当たり前で、同志だったからこそ、恋愛にはならなかった。いや、したくなかった。失いたくなかったから。周りからは「あの2人付き合ってるの?」とよく噂されていたけれど。


卒業していつしかお互いあまり連絡を取らなくなってから数年経った頃、その男の子から結婚すると報告された。

胸の奥のほうでチクリと刺さるものを感じた。

幸せそうな彼と奥さんの様子を見て、また少しチクリとした。

もしかしたら、そこにいたのは私だったかもしれない、なんて痛い考えがよぎった。前にもあったな、と思った。私に会いに来てくれていたお客さんを当たり障りなくかわしているうちに、その人は数年後に私の友達と結婚して幸せを掴んだ。私はいつも、距離を詰めるのが怖くて踏み込まずにいるうちに、あらゆるものを逃していたのかもしれない。

その男の子にも、お客さんにも、本当はそこに恋心があったのかもしれないし、やっぱりなかったのかもしれない。


なんて考えてみても何もならないしつまらない話なのだけれど、思い出の曲に浸ってみるのも、案外悪くない。


#エッセイ #日記 #ショートストーリー #失って気づくこと #恋愛 #恋 #センチメンタル


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