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ほうじ茶

夜の口寂しさを埋めるのに、ほうじ茶を飲むようになった。

お酒を毎日飲むのは疲れるし、珈琲を飲むと眠れなくなる。緑茶もそうだ。
ジュースは飲みたいときもあるけれど、そうでないときもある。

ほうじ茶がいちばんだった。
飲んで眠くなることはないし(もしかしたらそうでないのかもしれないけれど、私の中でそういった先入観や知識がない)、香りが心地良い。飲んだときの鼻に抜ける香ばしい匂いは1日を終える時間にとてもふさわしいと思えた。

暮らしはじめて何回も買っては割ってを繰り返してきた湯呑みはもう何個目なのか忘れてしまったほどだけれど、今日この日に私の家にあるのは一つだけで、それはしみじみするほどに落ち着いた小ぶりの湯呑みだ。
グラスにしてもマグカップにしても何度も注ぐのを無精がる私はたっぷり入る大きさのものを好むけれど、この湯呑みだけは別で、この少し小ぶりの大きさがいい。

今日もこの湯呑みに入ったほうじ茶を啜りながら、本を読んで眠気を待ちます。


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