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人生を豊かにする中国古典の名言#59

【今日の名言】

止まることを知りて而る后に定まることあり
(読み:トドまることをシりてシカるノチにサダまることあり)

『大学』経一章

最終目標が決まることで今後の方針も定まるのだ、という意味。

つまり、やりたいことや成し遂げたいことが決まると、そこに向けて何をどうすれば良いのかが明らかになってくる、ということですね。


『大学』の中には「何事も最高を目指しなさい」といった教えがあります。

今回の言葉は、それについての説明にあたる言葉です。

「最高」とは、業界で一番とか、会社で一番とか、そういった「ナンバーワン」のことではありません。

あくまで、自分にとっての「最高」、つまりは「オンリーワン」ですね。

周囲の評価は関係なく、自分にとってのベストな状態を目指して努力をするということです。

例えば、「やってみたい!」「成し遂げたい!」と心から願っているようなことに挑戦してみたり、「学びたい!」「できるようになりたい!」と思っていることに全力で取り組んでみたり。

昨日よりも良い自分になるために、自分の本心が望んでいることを頑張る。

それはとても素敵なことだと思います。

しかし、ただ闇雲にオンリーワンを目指しても、道程は遠いでしょう。

そのためのアドバイスが先ほどの言葉なのです。

止まることを知りて而る后に定まることあり
(読み:トドまることをシりてシカるノチにサダまることあり)

『大学』経一章

自分が目標とする地点を明確にすること。

目標地点が決まると、そこから逆算してマイルストーンを引くことができます。

つまり、目標を達成するまでの道順が明確になってくるのです。


具体的な例で確認していきましょう。

今あなたは「最近はあまり本を読んでいないから、たくさん読書したいなぁ」と思っていたと仮定します。

しかし、これだけでは漠然としていて、「たくさん」とはどのくらいなのかが分かりません。

目標とする値もないので、恐らくこのままでは、日々の隙間時間にちょっと本を読む程度で終わってしまう可能性が高いです。

せっかく自分の本心から出た願いなのに、それではもったいないですよね。

ここは『大学』のアドバイスに従い、まずは最終目標を決めましょう。

目標を決める際は、目指すべき数値と、「いつまでにやるのか」という期限を決めるのがおすすめです。

期限がないと何となくダラダラと過ごすことになり、日々の忙しさの中に埋もれていってしまうからです。

メリハリを持って取り組むためにも、まずは「目標数値」と「最終期限」を決めていきましょう。

例えば、「今年度中に100冊本を読む」という目標を立てたとします。

「今年度中」なので、期限は来年の3月末日までの1年間です。

マイルストーンとしては、12ヶ月・6ヶ月・3ヶ月・1ヶ月の区切りが分かりやすいかもしれません。

この場合、1年は12ヶ月ですから、半年間で50冊、3ヶ月だと25冊。
1ヶ月あたりでは 100 ÷ 12 = 8.333… で、約8~9冊が目標となります。

  • 12ヶ月:100冊

  • 6ヶ月:50冊

  • 3ヶ月:25冊

  • 1ヶ月:8~9冊

4月始まりだと仮定すると、以下のようにマイルストーンを引くことができますね。

「今年度中に100冊本を読む」マイルストーン

1ヶ月はだいたい4週間なので、1週間あたりの冊数は 9 ÷ 4 = 2.25 冊。

つまり、1週間で2冊くらいずつ読むことができれば、1年間に100冊読破することができる、ということです。


もしかしたら、この数字を見て「ちょっと厳しいかも……」と思った方もいれば、「そのくらいなら何とかできそう!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

「できそう!」と思った方は、そのままゴールまで歩み始めてみましょう。

人間は「やりたい!」と思った瞬間が一番モチベーションが高い生き物なので、善は急げですぐに動いてみるのがおすすめです。

少しでも着手すればツァイガルニク効果が働くので、習慣化しやすくなります。

一方で、「これは厳しいかも……」と思った方も全く問題ありません。

現状のままでは達成が困難だと分かったのですから、これは大きな一歩です。

どこか難しいのかを考えて、目標の修正をしていけば大丈夫です。

目標値が高すぎるのであれば、1年間の目標値を少し下げてみれば良いですし、一日の作業時間が不足していそうなのであれば、今やっている作業を洗い出してみましょう。

やらなくても良い作業やダラダラ過ごしてしまっている時間を見つけ出すことができれば、意外と時間を確保できるかもしれません。

特に、作業と作業の間の時間は意外と馬鹿にできません。

1回あたりの時間が5分や10分と短くても、1日分となれば意外と大きな時間となります。

手の届くところに本を置いておけば、隙間時間ごとに1~2ページくらいずつ読み進めることができるでしょう。

また、お皿洗いやお掃除などの単純作業の場合は耳が空いている場合が多いです。

私はそういった時間にAudbleなどのオーディオブックを聴いて、耳から読書をしています。

個人的には紙の本の方が落ち着くのですが、それでも聴く読書はなかなか馬鹿にできません。

聴く読書についてちょっと抵抗感がある方は、ひとまず以下の書籍を読んでみてください。きっと参考になると思います。

そんなこんなで、最終目標を具体的に決めることができれば、これからやるべきことが具体化されます。

「而る后に定まることあり」ということですね。

せっかくの新年度ですから、私も新しいことにチャレンジしてみようと思います。

皆様も何か新しい目標を定めて、コツコツと取り組んでみるはいかがでしょうか?


今回ご紹介した言葉は、以下の回でも取り上げています。

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