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人生を豊かにする中国古典の名言#60

【今日の名言】

約を以て失つものは鮮なし
(読み:ヤクをモッてアヤマつものはスクなし)

『論語』里仁篇

控えめにしていれば失敗することは滅多にない、という意味。

「約」には「控えめ」という意味があります。

お金や物を無駄遣いしないように努めること、という熟語である「倹約」は、まさに「約」が「控えめ」の意味で用いられている一例です。

しかし、今回の言葉で孔子が言いたいのは、もっと根本的な「人としてのあり方」の部分になります。

つまり、人として謙虚でありなさい、ということですね。


身の回りで良いことがあったり、仕事で大きな成功を収めたりすると、ついつい自慢したくなってしまうかもしれません。

私も仕事で良い成果が出たらソワソワしてしまうので、気持ちは分かります。

しかし、自分を律することができるのであれば良いのですが、そうで無い場合は注意が必要です。

気持ちが大きくなって欲をかくと、油断から思わぬ失敗をしてしまうかもしれないからです。

例えば、自慢話をしすぎて不要な嫉妬を買ったり、仕事で高すぎる目標を掲げて達成できずに終わってしまったり。

私も昔、Webサイトのパフォーマンス改善を行っているときに、油断をして失敗したことがあります。

事前の動作テストで想定以上に良い結果が出たことに興奮し、「これは相当改善されそうだ」と思った私は、上司や周囲のメンバーに「当初の想定よりもかなり良い感じになりそうです、期待しててください!」と息巻いてしまったのです。

本番と同じ環境でもっと事前に確認をするべきだったのですが、このときの私は完全に油断していました。

期末が近かったこともあり、「この改善をすぐにリリースできれば期末の評価も上がる!」と期待して、急いでリリース作業に入ったのです。

しかし、いざリリースして本番で確認してみると、私が豪語したほどの結果は出ませんでした。

当初の想定通りの改善値ではあったものの、私が欲をかいて事前に周囲の期待値を上げていたがために、チーム内には何となく微妙な空気が流れてしまったのです。

今では笑い話にできますが、あのときは本当に肝が冷えました……。

それ以来、事前にどれだけ良い成果が出ても油断しないように気をつけています。

慢心してはいけません。

自慢したくなった時こそ、その気持ちをグッとこらえて、一度冷静になりましょう。

いつでも謙虚な気持ちを忘れず、コツコツと目の前のことに取り組めば、余計な失敗をすることは少なくなるはずです。

良い意味での「謙虚さ」を大事にして、日常を過ごしていきたいですね。


今回ご紹介した言葉は、以下の回でも取り上げています。

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