人生を豊かにする中国古典の名言#56
【今日の名言】
優れた人を見たら「あの人のようになりたい」と考え、良くない人を見たら「自分はどうだろう」と振り返りなさい、という意味。
孔子先生の教えです。
他人と自分を比較するのではなく、他人を見て自分の行動の糧にしなさい、ということですね。
私は他人と比較してネガティブになりがちです。
自分にはない強みを持つ人を見ると、その人の行動と自分の行動を比べて、「自分はダメだなぁ……」と落ち込んでしまいます。
逆に、他人に強く当たる人や心無い言葉を使う人を見た時には、「どうしてあの人はあんなことをするんだろう……」と、悲しい気持ちになってしまいます。
どちらの場合も、一人で勝手に比較して、一人で勝手に落ち込んでいるんですよね。
私のように、自分で進んでダメージを受けに行くような考え方は避けた方が良いと思います。
このような考え方をしても自分が苦しくなるだけで、何の役にも立っていないからです。
古代中国にも、私のように一人反省会を開きがちな人はいたのでしょう。
そういった人に向けて、孔子はこう言います。
単に比較するのではなく、優れた人を見たら目標にし、良くない人を見たら自分も同じようなことをしていないか振り返りなさい、と。
つまり、他人の良いところと悪いところから学び、自分の糧とするのです。
自分よりも優秀な人を見た場合、「あの人のようになるにはどうしたら良いだろう?」と考えれば、新たな目標を設定するための役に立ちます。
また、言動の良くない人を見た場合に「自分も同じようなことをしていないだろうか?」と振り返ってみれば、自分を見つめ直すきっかけになります。
特に、自分に問いかけることが重要です。
自分に対して疑問を与えると脳は答えを探し始める、ということが脳科学的にも明らかになっています。
これは脳幹網様体賦活系(RAS、Reticular Activating System)と呼ばれるもので、このRASが刺激されると脳はその対象についてアンテナを張るようになり、積極的に情報を収集し始めるのです。
この効果をうまく活用すると、ただの比較も自分を向上させる学びにつながります。
孔子も、弟子たちを教育する過程で、自問することの大切さを実感していたのだと思います。
他人との比較で落ち込みがちな方は、「他人の良いところと悪いところから学んで、自分の糧とする」ということを意識してみましょう。
他人はあくまで他人で、自分ではありません。
他人と比べて違っているからといって、落ち込む必要はないのです。
自分らしさを大切に、どうしたらより成長できるか考えていきたいですね。
記事内でご紹介した名言は、以下の回で詳しく取り上げています。
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