トレーナーに読んでもらいたい!パフォーマンスと食事
この記事をご覧頂き、ありがとうございます!
Kandy(かんでぃー)です。
私は埼玉県で健康を支えることを生きがいにしています。
今回は「パフォーマンスと食事」について、お話ししたいと思います。
なぜトレーナーに読んでもらいたいのか
この記事はトレーナーの方に向けて、書いています。
というのも、私の肌感にはなりますが、トレーナーの方も栄養・食事に関して、「関心を持っている」また既に「勉強している」なんて方も多いと思います。
しかし、実際に指導してみると、うまく話せなかったり、「これでいいのかな」と思いながら、クライアントに伝えている。
このような声を、トレーナーの方からよく聞くのです。
もちろんトレーナーのサポート領域に、栄養指導が入るかどうかの議論はありますが、個人的には責任と自信を持って伝えられる内容であれば、トレーナーの方も栄養指導を行って良いと私は思っています。
むしろ栄養指導の経験を通して、「ここまではできる」と「ここからは頼る」という線引きのできる方が、増えてほしいと願っています。
知識や経験がなければ、誰に何を頼れば良いかも、わかりませんから。
前置きが長くなりましたが、そろそろ本題に入りたいと思います。
今回は栄養素などの細かい話は、なるべく少なくしています。
もっと本質的な部分について、知っていただければ幸いです。
なぜ食事でパフォーマンスが向上するのか
アスリートにおいて食事の役割とは、言うまでもなくパフォーマンスアップに貢献するから、もしくは影響するからと、誰もが答えるでしょう。
もちろん社会的なつながりや、心の栄養としての役割もあります。
しかしアスリートに関しては、いかに食事とパフォーマンスが関係しているかについて、注目されることが多いです。
では、なぜ食事でパフォーマンスが向上するのでしょうか?
この部分は「なんとなく」で流されやすいので、私の立場から2つの理由についてお話しします。
①身体にとって必要なエネルギー・栄養素が満たされるから
アスリートであろうが、一般の方であろうが、身体に必要最低限のエネルギー・栄養素は変わりません。
ここでいう必要最低限というのは、生きていく上でという意味です。
この必要最低限のエネルギー・栄養素が、日常的に不足している場合には、当然生きているだけでもギリギリの状態なので、運動にまわすものには限りがあります。
そのためパフォーマンスが低下するのも、当然の結果といえます。
一方、必要最低限のエネルギー・栄養素が不足している方に、十分なエネルギー、栄養素を提供できた場合、不足している状態よりもパフォーマンスは向上します。
イラストで示すと以下の通りです。
すなわち、エネルギー・栄養素が充足するということは、マイナスからゼロに戻ることであり、本来発揮できるであろうパフォーマンスを出すことができる状態になるということです。
②競技に必要な能力を栄養戦略により、向上できるから
先ほど、エネルギー・栄養素が充足するということは、マイナスからゼロに戻ることとお伝えしました。
次に話す内容は、ゼロからプラスにもっていくことです。
本来発揮できるであろうパフォーマンスを出すことができる状態から、栄養戦略によって、さらに競技力を向上させていくことが可能です。
具体的にお伝えすると、持久系競技のアスリートであれば、日々のトレーニングにより、体内で糖質を貯蔵または利用する能力が高まっています。
このアスリートが戦略的に、食事からの糖質量を増やすことで、持久系能力を向上させることが可能です。
これは私たちが「普段摂取している栄養素」の量やタイミング、質を変えることにより、パフォーマンスを向上させる方法です。
一方、エルゴジェニックエイドと呼ばれる、運動能力に影響する可能性をもった栄養素・成分も、近年注目されています。
こちらは普段摂取する機会は少ないものの、意図を持って摂取することで、パフォーマンスの向上が可能です。
例えば、クレアチンという成分があります。
クレアチンは、短時間・高強度のパフォーマンスに貢献することが、エビデンスで示されているため、瞬発系のアスリートに広く利用されています。
正しい容量・用法を守ることで、安全性が高く、効果も確認されているため、もっともポピュラーなエルゴジェニックエイドとして知られています。
イラストで示すと以下の通りです。
食事でパフォーマンスが向上する理由は、以上になります。
当たり前といえば、当たり前の話です。
スポーツ現場の栄養士がよく「食事はバランス」と答える裏には、エネルギー・栄養素の充足が隠れています。
「バランスのことしか言わないな」と思われがちですが、私たち栄養士は決して、頭でっかちではありません。
むしろ何度も言わなければいけないくらい、基本である食事のバランスを整えることができていないアスリートを、数多く見てきているのです。
また競技に合った栄養戦略は、エネルギー・栄養素が充足していないと、効果を期待できません。
一定の割合で、サプリメントに頼りがちなアスリートがいることを、トレーナーの皆さまもお気づきのはずです。
そのようなアスリートほど、食事からのエネルギー・栄養素の摂取が疎かになっているケースを、私自身サポート現場でよく見かけます。
気持ちはわかるのですが、それでは基礎がしっかりしていない土台の上に、立派な家を立てるようなもので、すぐに欠陥が出てくるでしょう。
日々の正しい食事がアスリートの身体を作り、競技に合った栄養戦略が最高の結果への追い風になることを、ぜひトレーナーの皆さまにも知ってもらいたいです。
パフォーマンスと食事の注意点
ここまでパフォーマンスと食事についてお話ししてきました。
ご覧いただいていた皆さまはパフォーマンスと食事について、理解が深まってきたことでしょう。
しかし、食事・栄養にはいくつか注意点もあります。
良い側面だけを理解するのではなく、気をつけてほしい部分もおさえて頂ければ幸いです。
まずエルゴジェニックエイドは、安全性と効果性がエビデンスで示されていることが前提です。
エルゴジェニックエイドではないサプリメントを、パフォーマンスに良い効果が出るからと、安易に使用することは危険です。
安全性を無視し、効果性だけを求めて使用することは、ドーピングになるリスクが高いからです。
ドーピングの処罰は大変重く、数年単位で公式退会への出場停止や、今までの成績の取り消しなどが科せられます。
アスリートの過去と未来を守るため、周りのスタッフもドーピングに関する正しい知識を持つことが求められます。
また競技に合った栄養戦略を、ジュニアアスリートに対して行うのは、個人的にまだ早いと感じています。
なぜならジュニアアスリートは発育・発達の個人差によって、競技成績が大きく変わるからです。
この時期に栄養戦略うんぬんを取り組むのではなく、身体にとって必要なエネルギー・栄養素を充足させることを第一に考えることで、正しい発育・発達を促すことが大切です。
成長期を終え、アスリートとして本格的に取り組んだ時に、1分1秒、場合によっては1秒以下の差が、表彰台に登れるかどうかの差につながります。
その時には、競技に合った栄養戦略が必ず必要になりますので、私たちを栄養士を頼って頂ければ、嬉しいです。
終わりに
いかがでしたか。
パフォーマンスと食事について、少しでも理解が深まって頂ければ幸いです。
私は最初に、「責任と自信を持って伝えられる内容であれば、トレーナーの方も栄養指導を行って良い」とお伝えしました。
これは本心です。
しかしアスリートの栄養指導は、かなりマニアックで専門的です。
フォーマットなど、ないに等しく、競技や選手個人によって対応策が異なってきます。
これらを考慮すると、やはり大多数の方は栄養士に任せるのが、正しい選択と言っても良いでしょう。
そのために私たち栄養士も日々学び続けて、現場を経験し続けています。
きっとお力になれるはずです。
いや、お力になります。
次の記事もお楽しみに。
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