2021-22 欧州リーグ考察 #16 〜UELグループH編〜
みなさん、こんにちは
コチャTVです。
欧州リーグの考察を行なっていこうと思います。
今夏の移籍市場ではリオネルメッシやセルヒオラモスといった世界的にも有名な選手の移籍が相次ぎ、欧州サッカー市場のみならず世界的にも衝撃を与えました。
この移籍市場を経て、欧州サッカーの戦力図には大きな変化が加わりました。
今回は、UEFAヨーロッパリーグに出場する全32チームの移籍市場を見ていこうと思います。
今回の記事では、グループHを見ていきたいと思います。
なお、市場価格などはtransfermarktを参考にしました。
UEFAヨーロッパリーグ2021-22 グループわけ
(引用元はUEL公式サイト)
グループH
ディナモザグレブ(クロアチア/1.NHL 1位)
ヘンク(ベルギー/シュピラープロリーグ2位)
ウェストハム(イングランド/プレミアリーグ6位)
ラピッドウィーン(オーストリア/ブンデスリーガ2位)
①ディナモザグレブ
ディナモザグレブです。
ディナモザグレブはクロアチアを代表するサッカーチームです。
過去に国内リーグを22回制覇したことがあります。現在は国内4連覇をしており国内に敵はいないというのが正しいのではないでしょうか。HNKリエカというチームが現在好調を維持しており、現時点では順位は2位ですが、まだ差はついていないので逆転可能ではあります。
ディナモザグレブには、年代別も含め多くのクロアチア代表選手が所属しています。基本的には、クラブのバンディエラとして生涯ワンチームを貫く選手は少なく、評価を高めた上で4大リーグなどのリーグレベルが上のリーグのチームへと移籍をしてしまいます。
ディナモザグレブにいた方が、継続的に欧州のコンペティションに出場することは可能ですが、リーグレベルが高いチームへ行くことでより上位のチームとの対戦の機会が増えるので、ステップアップしやすいということもあるのかもしれませんね。
ディナモザグレブから羽ばたいた選手の例としては、シメ・ヴルサリコ選手、ルカ・モドリッチ選手、マテオ・コヴァチッチ選手、アレン・ハリロビッチ選手、アンドレイ・クラマリッチ選手などです。
特にモドリッチ選手は、現在36歳と大ベテランの域に達していますが、世界的ビッグクラブであるスペインのレアル・マドリードで背番号10をつけています。また、クロアチア代表でも背番号10を背負っており、衰え知らずの鉄人ですね。
クロアチアリーグでプレーした日本人は少ないですが、下部リーグには多くの選手が所属しています。
1部リーグに関しては、昨年、原大智選手がイストラというチームに所属していました。原選手はディナモザグレブ相手に得点を決めるなど活躍し、イストラの提携クラブであるスペインのアラベスへ移籍しました。今季は、アラベスからベルギーのシント=トロイデンへ期限付き移籍をしていますが、活躍して、来季はラリーガでプレーして欲しいです。
他には、2部に草宏禎選手。4部リーグ以下ですと、有光澪選手、石田滝人選手、圓乘健介選手、小林新太選手、清水龍秀選手、戸波恵斗選手、西田悠人選手、水口達貴選手が所属しています。
今季のディナモザグレブの目標はUELでの上位進出ではないでしょうか。グループではポッド1に入っており、扱いとしては格下と同居しています。UELでノックアウトステージに進出し、若き才能を有するディナモザグレブが上位へ進出して欲しいです。
また、国内タイトルは戦力的にも最低限のノルマになるでしょう。
②ヘンク
ヘンクです。
ヘンクはアンデルレヒトやアントワープなどに次ぐベルギーの強豪で、国内リーグ戦のタイトルを過去に4度獲得しています。過去の国内タイトルの獲得ペースは約10年に1度という感じになっています。
昨シーズンはベルギーカップを制覇し、2年ぶりに国内タイトルを獲得しました。
現在はリーグ5位ですが、ベルギーは通常のリーグ戦の後に、小さいリーグ戦のようなものがあった上で、王者を決めるシステムなので、まだ全然可能性があります。
ヘンクには日本人選手が1人所属しています。
ヴァンフォーレ甲府や柏レイソルでプレーした経験もある伊東純也選手です。日本代表にも継続的に召集されており、サウジアラビア戦は累積警告の影響で出場できませんが、招集はされています。
彼のスピードは、サイドバックなどを圧倒し、チームの攻撃のなかで大きな役割を持ちます。自身のゴールは少ないながらも、アシスターとして活躍することができます。
柏の韋駄天はここ数年のうちに、ベルギー屈指の韋駄天に成長し、ビッグクラブへの移籍も噂されました。
しかし、クラブへの忠誠を近い伊東選手は移籍しませんでした。先日のシント=トロイデンとのダービーでは加入4年目にして初めてキャプテンマークを巻き、クラブの象徴とも言える存在にまで成長しました。
ヘンクもまた、有望な選手を欧州へ多く輩出しています。
ヘンク出身の選手で欧州で活躍している選手は多くいますが、その代表格と言えるのはチェルシー、ヴォルフスブルクなどでプレーし、現在はマンチェスターシティで攻撃のタクトをふるっているケビン・デ・ブライネ選手でしょう。
昨シーズンのUCLの決勝でドイツ代表のリュディガー選手との接触により骨折の大怪我を負ってしまいましたが、約2週間後のEURO2020にはベルギー代表として出場し、目標である優勝は叶いませんでしたが、時にはマルティネス監督にかわり戦術を指示している場面もあり、チームの中心であることがわかりました。
今季はマンチェスターシティで悲願のUCL制覇へ向けて一つ上のヨーロッパコンペティションで活躍してくれることでしょう。
今シーズンの目標は悲願の国内タイトルでしょう。2018-19シーズンにも国内リーグを制覇してはいますが、10年ごとではなく、数年ごとに、あるいは連覇できるようなチームになるためにも、昨シーズンのカップ戦に続き2年連続で国内タイトルを取りたいところです。
UELでのノックアウトステージ進出は現実的に実現可能な目標ですが、優勝などは難しいと思います。そのため、国内に若干力を使うマネジメントが行われるのではないでしょうか。
③ウェストハム
ウェストハムです。
プレミアリーグに所属しているイングランドのチームですが、プレミアリーグにはチェルシー、マンチェスターユナイテッド、マンチェスターシティ、アーセナル、リヴァプール、トッテナムというビッグ6とも呼ばれるビッグクラブ群があるのでリーグタイトルの獲得は至難の業です。
しかし、一発勝負のカップ戦であれば、そうもいきません。実際に、ウェストハムは過去にFAカップを3回制覇しています。1963-64、1974-75、1979-80シーズンの3回です。
ウェストハムが最後に獲得したタイトルはこのFAカップの1979-80シーズンで、ここ40年以上にわたりタイトルの獲得はできていません。
しかし、昨シーズンは開幕から良いパフォーマンスを維持し、上位をキープしたことでヨーロッパコンペティションの出場権を掴みました。最近、低迷しているアーセナル、トッテナムの2チームに変わってビッグ6に割り込んでいく期待感もあるチームです。
ウェストハムで戦術の鍵を握る選手はデクラン・ライス選手です。
イングランド代表選手で、まだ22歳と若い選手です。Transfermarktによると市場価格は7000万€となっており、かなり高額な選手です。もちろん、チーム最高額です。
今夏の移籍市場でもビッグクラブへの移籍も噂されましたが、とりあえず今夏はウェストハムに残留しました。しかし、早ければ冬にでもビッグクラブへ移籍するのではないかと噂されており、今後数シーズンにわたりウェストハムでプレーを続けるということはないでしょう。
ビッグ6のなかで、1番ライスを欲しているのはマンチェスター・ユナイテッドではないでしょうか。
ファンデ・ベーグ選手やマクトミネイ選手、フレッジ選手などいい選手はたくさんいますが、国内出身の選手であることや、最近の調子を考えるとライス選手を獲得した場合、ライス選手はファーストチョイスになるでしょう。
ライス選手は、チェルシーの下部組織の出身です。
育ててくれた恩義もあるので、チェルシーへの復帰も十分に可能性があります。仮に、チェルシーに移籍した場合、チェルシーはマウント選手やプリシッチ選手、ハヴェルツ選手などとともに強力な中盤を構成します。カンテ選手やジョルジーニョ選手とのボランチのコンビも見てみたいです。
2019年の年末に就任したモイーズ監督によるモイーズ体制は今季で、3シーズン目です。一般的に戦術が一定程度浸透し、チームの集大成となるのは3シーズンと言われています。
日本人の中には、マンチェスター・ユナイテッドでの香川真司選手の扱いのことからモイーズ監督のことが好きでない人も多くいると思います。しかし、実績十分な監督ですし、ユナイテッドの監督時代よりも成長したモイーズ体制での上位定着を期待したいですね。
ウェストハムの今シーズンのテーマは、優勝でもなく、上位定着でしょう。
連続で上位進出をすることで、レスターのように今後も上位へ定着することが期待されます。正直、ライス選手が在籍している間に上位定着をすることは可能だと思いますが、移籍をすると上位定着すらも難しくなると思います。
なので、このタイミングで上位へ定着するということはクラブにとっても、リーグにとっても大きな意味を持つでしょう。
④ラピッドウィーン
ラピッドウィーンです。
ラピッドウィーンは過去に32回オーストリアリーグの王者に輝いています。しかし、最後に優勝したのは2007-08シーズンで、ザルツブルクの経営権をレッドブルグループが獲得して以降はタイトルから遠ざかっています。
また、過去にはオーストリアのクラブがドイツリーグに参戦しており、1940-41シーズンにはドイツリーグの王者に輝いた経験もあります。実に、80年も前のことなんですね。
このようなことからも、現在はザルツブルクが国内で無双しているオーストリアですが、ナンバー2の位置にいるチームとして、国内の強豪チームとしてラピッドウィーンが挙げられるでしょう。
ラピッドウィーンには現在、北川航也選手が所属しています。
清水エスパルスユース出身で、清水エスパルスに加入し、活躍したことでオーストリアリーグの強豪チームへ移籍を果たしました。
しかし、今シーズンは苦しんでおり、今季もここまでブンデスリーガで6試合に出場していますが、合計のプレータイムは89分となっており、先発出場はほとんどありません。
オーストリアの強豪ということで競争も激しいですが、なんとかレギュラーを掴んで欲しいです。
今シーズンのラピッドウィーンでは、エルカン・カラ選手が大活躍をしています。
今シーズンのブンデスリーガでここまで9試合に出場し4ゴールを決めています。前節の、WSGティロル戦では5vs2で勝利したチームの中でハットトリックを決めました。
北川選手の直接的なライバルにもなるため、日本人として彼の活躍は複雑な感情もありますが、切磋琢磨して成長していって欲しいです。
今年のラピッドウィーンは国内で優勝を目標というでしょう。なぜ、「いう」という書き方をしたかというと、現実的ではないからです。
ザルツブルクという圧倒的な戦力を誇るチームがいるので、2位を獲得し、ヨーロッパコンペティションへ参戦する。そして、可能であればUELで上位進出することができればいいのではないでしょうか。
まとめ
今回は、UEL2021-22のうち、グループHに関してみていきました。
グループHは欧州の舞台での実績もある強豪クラブが3チーム集まっているグループです。つまり、その3チームがノックアウトステージ進出をかけて争うでしょう。しかし、ラピッドウィーンも実力は確かですし、伊東純也選手や北川航也選手の日本人の活躍にも期待したいです。
最後に
今回は、記事を見つけていただきありがとうございます。
ご意見、ご感想等コメント欄にお書きください!
スキもお願いします。
よろしければサポートお願いします!より、質の高いnoteをかけるよう、日々精進します!