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「自分の小さな"やりたい"を叶えてあげる」朝焼けを観に、鎌倉の海へ

昨年の10月頃から、「今は仕事や自分の人生のことに集中しなくては」という気持ちが強く、時間とお金を自分の「やりたい」に使えなくなっていた。人とも会わず、出掛けもせずに、自分の内面にこもっていた。思えばあの時期は苦しく、息が詰まっていた。

年明け頃から、今後の自分の方向性がある程度明確になり、心に余裕が生まれ始めた。そして、数多くの友人に会った。みんな3~5年くらい会っていなかったような友人ばかりで、会って話せてとても嬉しかった。素敵なみんなが、それぞれが葛藤を抱えながら、個性を活かし、自分が健やかにいられるように頑張っていることを知れたこと。そして、いつも応援しているよとエールを送ってくれたことで、エネルギーが湧いてきた。

友人たちがかけてくれた「元気でいてほしい。」という言葉を元に、久々に自分が喜ぶような「やりたい」を気持ちのままに実行してみたいと思った。

そこでやりたいと思ったのが、「海に朝焼けを観に行くこと」だった。

大学生の頃から朝の海が好きで、中でも陽が昇る前後の朝焼けは特別な存在だった。ただ、始発でも日の出に間に合わないだとか、今はそういうことに時間を使っている場合では無いとか、しばらく観ることが出来ていなかった。


それを実行してみようと思い立った。自宅からだと、始発でも日が昇るのには間に合わないので、海の近くに泊まらなくてはいけない。カレンダーを見て、実現出来そうな日は来週だった。この期を逃したらしばらくは難しい。天気予報を見ると、晴れるか曇るか微妙なところだったが、今しかないと行くことにした。

当日、お昼過ぎから鎌倉へ向かう。

屋上ではBBQも出来るよう

今回宿泊したのは、鎌倉駅からほど近い「plat hostel keikyu kamakura wave」。写真はほとんど撮らなかったが、スタッフさんが親切で、気持ちの良い屋上もあって良いホテルだった。

チェックインを済ませ、荷物を置いて身軽になってから、歩いて材木座海岸へ。


この日はとても風が強く、サングラスがなければ目を開けていられないほどだった。ただ風のおかげか、空には雲一つなく、夕暮れのグラデーションが綺麗だった。

砂まみれになりそうだったので早めに退散。明日の朝も良い天気だといいななんてことを思いながら、鎌倉駅近くに戻る。


夜の散歩。鎌倉は、夜にはほとんど観光客がいなくなり、違う街のようにも感じられる。この時間にいるのは地元の方ばかりなので、自分もその一員になったような気分で今日は歩く。

地元の定食屋さんでごはんを食べて、喫茶店でケーキを食べながら考え事をして、明日に備えて22:00頃には眠った。

この踏切を通る度、映画「タイヨウのうた」の名シーンを思い出す。

5:00頃に起床。静かに起きて、鎌倉駅に向かう。まだ多くの人が動いていない時間に行動をするのは、特別感があって気分が良い。

以前夜行バスでよく旅をしていた頃、早朝に知らない街に到着して、そこから1日が始まる感じが好きだったなと思う。久々に今度乗ってみようかな。

5:00頃に起床。江ノ電の始発、5:48発の藤沢行きの電車に乗り、鎌倉高校前に向かう。僕は鎌倉高校前の海がとても好きで、今回もそこで海を眺めようと思っていた。


人がほとんどいない電車に揺られながら空を眺めていると、「これは稲村ヶ崎駅で降りて、長谷の方で海を観たらちょうど日の出を観ることが出来るかも!」と気づき、慌てて降りる。

もう随分と空が赤くなっている!なんとも言えないその色に、気持ちが高揚する。早足で海へ向かう。


なんて色だろう。雲があるおかげで、よりドラマチックな景色になっている。「来てよかった。ナイス自分。」と思いながら海を眺める。


波も赤く染まる
雲も


刻一刻と変わりゆく空。陽の昇る場所を目掛け、稲村ヶ崎を越え、長谷方面へ向かう。
何層にも重なる雲が綺麗



一瞬一瞬が、二度と観ることの出来ない景色


日が昇る


朝日に照らされる稲村ヶ崎



明るい


美しかった。嬉しかった。あっという間の時間だった。
毎日朝は来ているはずなのに、海で見る朝焼けはなんて特別なんだろう。

写真を撮っている時、旅をする時。天邪鬼な自分は「誰でも簡単にアクセス出来る景色」を撮ることに面白さを感じにくい、旅の面白さを感じにくいということに最近気がついた。

人があまり行かない遠い場所に行ったり、人が動かない時間帯に動いたり。
そういうちょっと手間のかかる「自分だから出会えた景色」に高揚する。その時撮った写真は、気持ちが乗り、好きなものになる。

しばらくの間、自分の好奇心が動きにくい時期が続いていた。それには様々な要因があるだろうけど、この理由も大きかったんだろうな。

自分でもっと、出逢いにいこう。面倒臭くても。その瞬間に、その場所に居た自分自身が体感した感動や高揚を写真に写していこう。そんなことを思った。

海沿いを歩いて、長谷駅へ向かう。空の色はどんどん変わっていく


今年こそはSUPに乗ってみたい。


鎌倉へ戻り、以前から気になっていた「台湾キッチン 叙序圓」へ。営業開始の7:30ぴったりに入店すると、明るく仲の良さそうなスタッフさん方が気持ちの良い挨拶をしてくださった。

朝粥のセット

冷えていた身体に優しい朝粥が染みる。今年、韓国に行こうかと思っていたけれど台湾もいいななんて考えながら完食。とても美味しかったです。

朝の人の少ない江ノ電


宿で荷物をピックアップし、江ノ電で帰路に。朝の海が綺麗で、つい鎌倉高校前で一度降りてしまった。

白い海


海辺の街の日常


そうして帰宅し、お昼過ぎには家に到着した。

帰ってからの仕事はよく捗り、仕事以外にやろうと思っていたことも一気に進めることが出来た。今は根詰めて取り組むことが必要だと考えていたけれど、自分の欲を抑え過ぎるて、元気がなくなり、楽しそうなことをしている人たちへの嫉妬から性格まで影響し、結果的にやらなきゃいけないことも上手くいかなくなっていた。

こうやって、たまに自分の小さな「やりたい」を実現すると、気持ちは健やかになり、やらなきゃいけないことにも良い影響を及ぼしていくんだな。

この流れはこの日から1ヶ月近く立った今も続いている。ちょっと美味しいコーヒーが飲みたい、銭湯に行きたい、あのライブにどうしても行ってみたい。そういう「やりたい」を叶えながら進むことで、今、かなり心を良い状態で保つことが出来ている。

これからも自分の小さな「やりたい」をたまに実行しながら進んでいこうと思えるきっかけとなった、良いショートトリップでした。


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