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夏の湘南へ、一泊二日の「考えごとしたい旅」

とにかく頭の中が忙しい、毎日を乗り越えるので精一杯。そんな日々が続いていた。こんな時は、自分の感情や考えを整理する時間をつくるようにしている。ただ、家ではいつもの思考から離れるのが難しい気がするので、いつもと違う場所で過ごした方がはかどるような気がしている。

だから、旅をすることにした。考えごとをするだけでなく、シンプルに楽しい時間を過ごしたら元気が出るかもしれないと思って。

行き先は湘南。県境を跨がない、小さな旅だ。神奈川で生まれ育った僕はもう何度も何度も行っている場所だけど、大好きなお店がたくさんあって、海がある。それだけで、今の自分には十分だった。

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旅をする前に、近所の本屋でひとつ小説を買っていく。これは大学生の頃から続いてる習慣。旅の間は、出来るだけスマートフォンを見ずに過ごしたくて。
今回手に取ったのは、町田そのこさんの『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』。彼女の作品を読んだのは初めてだった。

道中やちょっとした空き時間読み進めたけれど、感じの良い本だった。最近は初めましての方の文章を読む勇気が出ず、好きな著者の本ばかり読んでいたので、この本を好きになれたことが嬉しかった。

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朝から電車に揺られて鎌倉へ。最初に向かったのは、地元の方に愛される、鎌倉の名店「カフェ ヴィヴモン ディモンシュ」。
一人旅と言っていたけれど、ずっと会いたかった友達に久々に鎌倉で会えることになったので、一緒に行くことに。

このお店に来たかったのは、このゴーフルを食べたかったから。好きなカフェの店主さんがよくInstagramに投稿していて、ずっと食べたいと思っていた。期待を裏切らず、美味しかった。

エチオピアの水出しコーヒーを飲んで、美味しいスイーツを食べながら、久々に会えた友達と近況報告。幸福な時間。

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大満足の時間を過ごした後、江ノ電に乗って海へ。この日は曇り。しばらくうだるような暑さの日が続いていたが、風もあり、気持ちのいい気温。コントラストのない、白い海が綺麗。青い海も大好きだけど、白い海も優しくてとても好きだ。

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7月に入り、海の家が開いていたので、瓶ビールを飲みながら散歩。気持ちのいい風を浴びながら、海で飲むビールは本当に美味しい。

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友達と別れ、ひとりホテルへ。今回宿泊したのは、「スーパーホテル湘南・藤沢駅南口」。環境に配慮したビジネスホテル。藤沢には気に入った宿があるのだけど、ささやかな新しい体験と、温泉を求めてここに決めた。スタッフさんも親切で、食事も美味しく、快適なホテルだった。

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温泉に入り、夕食を外で済ませた後、部屋に籠る。好きな音楽を流して、ビールを飲みながら、ゆっくり読みたかった本を読む。そして、今考えていることや、困っていること、やりたいことなどをノートに書き出して整理をする。
いつもと違う環境だと、文章が自分の中によく入ってきたり、いつもと異なる思考が出来るような感覚がある。ただこの日はあまり考えがいい方向に浮かばなかったので、無理をせずに、本をゆっくり読んだり、大画面のテレビで好きなお笑いの動画を観たりと好きに過ごした。

6:30くらいに目が覚める。昨日も夜更かしするつもりが、23時前には眠ってしまった。習慣の力はすごい。
朝ごはんを食べて、またノートを開いて考えを書き出す。やっぱり夜よりも、朝の考えごとの方がいくぶん爽やかだ。チェックアウト時間までゆっくりと1人の時間を満喫した。

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宿をスーパーホテルから予約しようとした際に、「水族館チケットセットプラン」というのを見つけて、ふと久々に水族館に行きたいと思いそのプランを予約した。振り返ってみると、来るのは高校生ぶりかもしれない。いつもと違う体験にワクワクする。

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青い世界。こんなに綺麗だったかな、と思うほど綺麗だった。魚たちが泳ぐ姿も、青も美しい。わーペンギンだーとか、エイだーとか心の中で言いながらゆっくり眺めて歩いた。

平日だから空いている方だろうけど、子供連れの方が多かった。子供が水槽を眺める姿を見ていると、きっとこの子にとっては、とても大きな体験なんだろうな。多くのことを感じ取っているんだろうな、などと、高校生の頃来た時には思いも寄らなかっただろうことを感じた。
子どものようには難しくとも、僕も世界を新鮮な目で見たいな、まだ初めての景色を見て、自分がどう感じるかが知りたいなと思う。また遠くへ旅がしたい。

楽しみにしていたイルカ、アシカショー。可愛くてかっこいい動物たち、そしてアイドルのように素敵な態度でショーを演じるスタッフさんをみていたら泣けてきてしまった。歳を重ねると感動的なものを見た時、それが作られるのに関わった人達の人生、道のりに思いを馳せる力が強くなるから、こういう姿を見ると尊くて泣けてしまう。良いな、人が輝く姿は。輝くだけが人の美しさではないけど、それでもやっぱりとても素敵だと思う。
来て良かったな。

水族館を出た後、ほど近くにある、「天狼院書店」へ。選書が好きな本屋さんで、惹かれた本を買い、お茶をしながら読む。今の自分に必要だった言葉に出会うことが出来て、満足した気持ちになったので、江ノ島には行かず、お昼には帰ることにした。


旅中、1人で色々なことを考えたりしたけれど、ふと気付いた。「今の僕の悩みは、僕だけでは解決出来ない。」好きな人、尊敬する人達に、他者に、手伝ってもらおう。そう思った。ここに至る経緯や、今困っていることについてはまた別の記事で書こうと思う。

いつもいる場所を少し離れて、旅をしてみて良かったな。
お金も体力もそこまでかからない、湘南への「考えごとしたい旅」。これからも行き詰まった時に、気軽に行ってみようと思う。

※記事のタイトルは、益田ミリさんの『考えごとしたい旅 フィンランドとシナモンロール』から引用させていただきました。大好きな旅行記です。


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